第2325話 研究所の打ち合わせ。4(戦争に使う物資は揃っていたりします。)
「では、気を取り直して、研究所としての今回の物資についてですね。」
「特にありません。」
ヴィクターが言う。
「特にないのですか?」
「はい、戦争の準備は試験小隊により調達が終わっています。
主に王都で調達をして頂きましたが、予算超過されましたか?」
「いいえ、超過はしていません。」
「で、あれば問題ないですね。
後ほど、購入された物を確認させて頂きます。
また馬の方もエルヴィス家との打ち合わせ済みです。
マイヤー殿にも立ち会って頂いておりますので、必要な頭数が用意出来ています。」
「飼葉等の融通もして頂ける話になっています。」
ヴィクターとマイヤーが言う。
「至れり尽くせりですね。」
武雄が言う。
「ええ、購入も輸送もしてくれて費用だけ負担すれば現地で受け取れるので楽ではあります。」
「エルヴィス家としてもキタミザト家の分も買った方が多くを注文する形になり、単価が少しでも安く抑えられるだろうからと言ってくださいまして。
本当はこちらの人員が少ないのを考慮頂いたのかと思います。」
マイヤーとヴィクターが言う。
「わかりました。
エルヴィス伯爵とフレデリックさんにお礼を言っておきます。」
「「お願いします。」」
マイヤーとヴィクターが頭を下げる。
「ということは・・・用意する物は用意出来たという事ですかね?」
「はい、あと研究室より試作した盾が4つ出来たとの報告がありました。
試験の報告が後日となっていましたが・・・」
ヴィクターが言う。
「ああ、マイヤーさんから近日中に報告書が来ると言っていましたね。
ま、試験結果を見て現地で使うかを考えますかね。
ヴィクター、他にありますか?」
「研究所関係ではありませんが、モニカ様とイーリー様がお越しになりまして、キタミザト家の輸出入品の国内向けの代理店と店内の一部をキタミザト家に供与する旨の契約書を持ってこられております。
机の上にありますので内容を確認してください。」
「わかりました・・・ヴィクター、中身を見て感想は?」
「商品の販売価格決定を向こうにさせる事、売り上げの1割をキタミザト家に入れる事、店の一部を借りる賃料が毎月金貨2枚というのは良いとして。」
「え?それが全てだと思うのですが。」
「はい、国内および領内の販売と注文の受付、対魔王国向けの輸出品の買い付けを頂くというのは良いのですが。
この件はアスセナが担当する事になると思うのですが、今回主が買って来た商品全部を取り扱うのですか?」
「いいえ、既に注文が来ている物についてはして貰いますが、基本的にはアスセナさんに発注品の権限を持たせます。
市場を見て何が売れそうかを判断して貰う事になるでしょうね。
シモーナさんに輸出出来る品目のカタログを作ってくれるように依頼した・・・はずですが、ちょっと自信がないので、ヴィクターから確認と依頼をしてください。
その中からアスセナさんが選んで店先に並べれば良いですし、並んでいない商品もカタログから選べば輸入する事にすれば良いと思います。」
武雄が言う。
「なるほど・・・カタログを取り寄せて、店内で見て貰い発注をすると・・・
となると、言い方を悪くすれば、店先に並ぶのはアスセナの好みでとなりますね。」
「好みで良いですけど、ある程度、売れる事前提でね。
市場調査方法は任せますし、どんな物を売るのかは事前に私とヴィクターを前に説明して貰う必要があるでしょうけどもね。」
「そうですね。」
ヴィクターが頷く。
「それにこちらから輸出出来る物のカタログを作成し、シモーナさんに送ってあげないといけないでしょうね。
ま、これについては現状で出来る範囲で構いません。
うちの協力工房の品と雑貨屋で扱っている品で良いでしょうからね。」
「なるほど、ではこちらからの輸出カタログの作成を始めます。」
「はい、お願いします。
・・・ヴィクター、子供達の研修の進み具合は?」
「メイドとしての研修は順調と聞いております。
ですが、文字の書き取りや領内の規則といった座学面がまだ終わっていないとの事です。
座学面が終わり次第、4名ともアスセナの下に付かせますか?」
「ん~・・・エルヴィス家と協議してください。
アリスの事もあります、1、2名はエルヴィス家に出向という形でメイド業をして貰うと思いますが、いらないとなればアスセナさんの手伝いで良いと思います。
ま、あとは経済局や総監部といった所で文官としての研修をしても良いとも思いますが・・・ヴィクターが必要と感じるならエルヴィス家にお願いして実施して良いですよ。
いきなり商店で実践するよりも文官として全体を見る経験をした後の方が良い場合もあるでしょうし。」
「わかりました。
そこはアスセナと話し合って子供達の研修を考えます。」
ヴィクターが頷く。
「まぁ、子供達については焦ってすぐに実践させる必要も感じません。
まずは今のメイドと執事の研修と文字の読み書きの訓練、ある程度の常識を教える事を優先させましょう。
アスセナさんには苦労をかけてしまいますが、店頭に並べる物とかカタログも今すぐではないですからね。
ある程度、余裕を見ながら作っていけば良いでしょう。」
「はい、そちらも無理をさせないようにいたします。」
ヴィクターが頷くのだった。
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