第2301話 王都守備隊を使って対魔王国の訓練をしましょう。(アーキン、ブルック、頑張れ。)
「それまで!」
「ありがとうございました。」
武雄が訓練に付き合ってくれた隊員に会釈して総長達の下に向かう。
「キタミザト殿、お疲れ様です。」
「いえ、総長、すみません。
王都守備隊の若手を借りてしまって。」
「いえいえ、良い刺激になったでしょう。
魔王国との慣例の戦争用で?」
「いえ、そういう訳では・・・少なくとも私の方は違いますね。」
「そうですか、では、この後の方が対魔王国向けですかね?」
武雄と総長が話している後ろでは「貴様ら!いくらキタミザト殿とは言え相手は文官出身!なんだこの体たらくは!いくら条件があったとは言っても良いようにやられ過ぎだ!」と武雄に倒されるだけ倒された若手がベテラン達に叱咤激励されている。
「すみません、テーアさん達を借ります。」
「いえいえ、むしろ今回来ているのにしない方がおかしいでしょう。
まぁ・・・経験は必要ですよ。」
総長が言う。
「・・・所長、準備出来ました。」
「何とか押し留めます。」
アーキンとブルックが作業服や戦闘ベスト等をしっかりと着込み、各自準備を終わらせて言う。
「うん、総長、お願いします。」
「わかりました。
では、まず1対2で慣れさせましょう。
おい、ボナッタから行け。」
総長が少し後ろに控えている部下に言う。
「了解しました。」
王都守備隊員が集合している部隊に小走りに向かう。
「一応、アズパール王国で使われている盾もお借りしていますが、武具は好きなように選びなさい。
私としては、まずは防御に専念しつつ、隙を見せたら間髪入れずに突く方法を試す事だけはして欲しいです。
あとは好きにしなさい。
それと必ずしも勝つ必要はありませんので、存分にやってきなさい。
怪我をしても致命傷以外ならすぐに治しますから安心してくださいね。」
武雄が2人に言う。
「所長、そこは『怪我の無いように』と言うのではないのですか?」
ブルックが言ってくる。
「訓練場以外ならね。
ですが、ここは訓練場で私やパナ、王都守備隊員が居ます。
すぐに回復させられますから多少の無茶はして良いですよ。
それに・・・相手は元ヴィクターの所の騎士団員ですよ?
手を抜ける相手ではないでしょう。」
「それは・・・そうでしたね。
甘く見ず、注意しながらしてきます。」
「あ、それとあの2人にはジーナの事は見せていますけど、ヴィクターの事はまだ教えていません。
そこは口走らないようにね。」
「「はい。」」
「アーキンさんとブルックさんは私の護衛で訓練から外れていますからね。
ここで対魔王国の訓練をしましょう。
良い方向に考えるのなら敵対相手のそれも最近まで上位に居た者との戦闘は良い経験となるでしょう。
しっかり守り切れるかの確認と反撃出来るかの確認をお願いします。
失敗しても成功してもすべては良い経験でしょう。
出来れば双方を経験して試験小隊内で共有させたい所ではありますが・・・任せます。」
「ま、痛いのは嫌なので失敗はしないようにしたいですね。」
「まずは盾を抑える力の入れ具合ですかね。
上手く対処してみせますよ。」
ブルックとアーキンが笑いながら言う。
「行って来なさい。」
「「はい。」」
アーキンとブルックが木剣と盾を持って王都守備隊員が居る所に向かうのだった。
「・・・総長、どうなりますか?」
武雄が隣の総長に聞く。
「ふむ・・・人間形態は問題なく、ただ狼形態ではややアーキン達は難しいかもしれません。」
「それほどまでなのですか?」
「正直な話、私達も最初対戦した時は驚きました。
突破力と言えば良いのでしょうか・・・走って来て突っ込むんですけどね。
盾が1人では余程力を入れないと防げません。
私達としては2人、余裕があるのなら3人で盾を抑える方法が良いと考えましたが・・・あれ?ブルックとアーキンが2人で盾を抑えましたか。
キタミザト殿、ファロン子爵側の者・・・ヴィクター殿やジーナ殿と対戦をさせましたか?」
「いえ、あの2人は文官ですよ?
させるわけないでしょう。」
「・・・それもおかしい気がしますがね。
さて・・・ああいう風に2人で抑えるのが基本的な方法になると考えています。」
「ヴィクター達とはしていないけど・・・んー・・・ジーナが狼になった所は見ているか。
でも・・・まだ人間形態ですよね?
それを2人で盾を抑えるのかぁ。」
「慎重に見極めるのでしょう。
初めて当たる相手です、良い判断だと思います。」
総長が頷く。
「なるほど・・・試験小隊として訓練はまだ始まったばかりという事は・・・こういった慎重性が王都守備隊員にはあるという事ですね。」
「・・・はい、そうです。
私の部下は慎重と大胆を兼ね備えていますので、訓練通りに動いてくれていますね。」
武雄はブルック達を見ている為、総長を見ていないが、総長は一瞬言葉を詰まらせたが、すぐに落ち着いて返答していた。
「さて・・・2人の訓練の始まりですね。」
武雄が言うのだった。
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