第2295話 エイミーとアズパール王との打ち合わせ。(中止にはしませんよ。)
アズパール王の執務室。
エイミーとドネリーがアズパール王とお茶をしている。
「で、お爺さま、慣例の戦争とスミスから聞きました。」
「そうか、聞いたか。
・・・あれ?・・・エイミー、なんでこの時間なんだ?
来るには少し遅くないか?」
アズパール王が懐中時計を見ながら言う。
「タケオさんの所に行っていました。」
「お、そうか。
で、タケオは戦争について何か言っていたか?」
「・・・あれ?・・・タケオさんに戦争の話を聞いていません。」
エイミーが眉間に皺を寄せ、思い出しながら言う。
「エイミー・・・お前、タケオの所に何しに行ったんだ?」
アズパール王が呆れながら聞く。
「あれ?そうですよね。
その件を聞きに行ったら、いつの間にかスミスの事や」
「スミス?あぁ。」
「『あぁ』じゃありませんよ、お爺さま。
スミスを娼館に連れ出すのを知っていたそうですね。」
「・・・それは語弊があるな。
我は事後で知ったんだ。
それにそう言った事は当人達でしてくれ、一々我に許可を得なくて・・・エイミー、同衾はもう少し待ってくれよ。
卒業後ならいくらしても」
「何言っているんです?お爺さま?」
エイミーが笑顔で言う。
「んんっ!・・・まぁ、その件については我は後で知ったし、巻き込まれたくない。
勝手にしてくれ。」
アズパール王が「関わりたくない」と意思表示してくる。
「まぁ、わかりました。
その件はスミスにもタケオさんにもしっかりと話をしていますので。」
「ワクワク♪」
アズパール王が楽しそうな顔をさせる。
「・・・」
「ひっ!・・・んんっ!
それで魔王国との戦争だったな。」
アズパール王が真面目な顔を作り言う。
「・・・はい、エルヴィス伯爵家への研修ですが、中止ですか?」
「いや、行ってくれば良いんじゃないか?
折角の長期休暇だし、それにエルヴィス家に就職する同窓の警護もする為だろう?
その者の未来がある程度かかっているんだ。
中止にしたら可哀想だと思うが?」
「よ・・・よろしいのですか?」
「え?戦場に行けという訳でないしなぁ。
戦地になる領地の隣だろう?・・・それも関だし。
経済的に流通を止めはしないし、特段何か人の行き来を阻害はしないのだが・・・
むしろ王家が行ってはいけない理由がないんだよなぁ・・・」
アズパール王が考えながら言う。
「それは・・・その通りですね。」
「まぁ、前回の戦争のように街への襲撃というのはあるかもしれんが・・・
それはエルヴィス伯爵領に限った話ではない、ここ王都でもあり得る話だ。
そうなった際は王家としても精霊魔法師としてもアリス達の指示に従えば良いだろう。
王都守備隊も数名連れて行って良いし、同じ精霊魔法師のエリカも行くし・・・エイミー達が身を守るのに不足はない戦力が用意出来ているだろう。」
「それは・・・そうですね。」
エイミーが頷く。
「あ、それにエルヴィス伯爵領に多数の精霊魔法師が戦力外という事で在駐しているからな。
それにゴドウィン伯爵の正室のジェシーも里帰りさせる。」
「・・・お爺さま、一体、あの地に戦争中は精霊が何体居るんですか?」
「え?・・・8名?」
アズパール王が指折り数えながら言う。
「そんなにですか・・・なら、王城より安全かもしれませんね。」
「うん?安全もなにも・・・エルヴィス伯爵家がある街の城門は(テイラーが居るから)突破はされんと思うぞ。
時間を稼いで居れば、タケオなり、エルヴィスが直ぐに戻ってくるだろう。
時間を稼ぐだけで良い・・・精霊が8名もいれば容易に出来ると思うがな。」
アズパール王が言う。
「そうですか・・・なら予定の変更はないという事で。」
「うむ、タケオとエルヴィスは不在だが、アリスとジェシー、エリカが上手く対応してくれるだろう。
それに伯爵不在時の文官や残っている武官がどう動いているかも良い勉強になるだろう。
エイミーは長期休暇を満喫してくれば良い。」
「わかりました。」
エイミーが頷く。
「ふむ・・・エイミーの滞在中の部屋はスミスの部屋にして貰うよう依頼するか。」
「は?」
「いや、気になる男子の部屋なんて・・・面白そうじゃないか?」
「お爺さま、本当に何を言っているのですか?」
「いやいやいや、エイミー、そこは気になるはずだろう。
スミスがついこの間まで居た部屋だぞ?
エイミーぐらいの歳ならそれだけで十分に興奮出来ると思うん・・・あっ!」
アズパール王が楽しそうに話していたが、エイミーの顔が変わっていくのに気が付く。
「お爺さま?楽しそうですね?」
「う・・うん?そうでもないぞ?
・・・だが、真面目な話、そういった感情を抑制し過ぎるのも体に悪いだろう。
男子だけがそういった劣情があるように思われるが、女子だってあるのが普通だ。
まぁ、表現と発散方法に違いはあるだろうがな。
堂々と皆の前でする事ではないが、自分の気持ちを抑えつけ過ぎるのもなぁ。」
アズパール王が言う。
「まぁ、エルヴィス伯爵にはそういった依頼はされないようにお願いします。」
「え?必要ないのか?エルヴィスならたぶん協力してくれるぞ?」
「・・・」
「はい、わかりました。
エルヴィスにはそういった依頼はしません。」
アズパール王が頷くのだった。
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