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第2280話 注文書をバリバリ作ります。(宣戦布告文が遅いなぁ。)

研究所の3階 総監室。


「・・・」

マイヤーが次々と書類にサインをしている。

「失礼します。」

アスセナが入ってくる。

「8割方終わっています。」

マイヤーが顔を上げてアスセナに言う。

「ありがとうございます。

 これで正式に発注をします。」

「はい、お願いします。

 ヴィクター殿は?」

「予算の再確認をしています。

 これもそこに含む事にすると言っております。

 それと王都に請求する書類の作成に必要な添付資料の作成準備も同時にしています。」

アスセナがサインされた書類を持ち上げて言う。

「そうですか、ありがとうございます。

 街中への正式発表はエルヴィス家にして貰いますので、協力工房にはエルヴィス家からの情報が来てから話すようにと言っておかないといけないですね。」

「はい、それはヴィクター様も言っております。

 持って行く際に厳命する事になると思います。」

「よろしくお願いします。

 さてと・・・サインが終わったら私は1階の詰め所に行って試験小隊と打ち合わせをします。」

「わかりました。

 離室される際はお言いください。

 書類を取りに行きます。」

アスセナが言う。

「はい、お願いします。」

「では、失礼します。」

アスセナが退室していく。

「・・・」

マイヤーは軽く内容を見てサインをしていくのだった。


------------------------

アズパール王の執務室。

武雄達は買い物を終えて王城に戻るとアズパール王が呼んでいるとの事で来たのだが。

「あ~・・・これはなぁ。」

アズパール王が書類を見ながら愚痴っている。

「「「・・・」」」

「く~・・・」

「きゅ~・・・」

窓際の席でミアとクゥは寝ており、時雨は大人しくお茶を飲み、アーキンとブルックは「え?ここに座ってて良いの?」と首を傾げながらお茶を飲んでいる。

「・・・陛下、なんで呼ばれたんですか?」

アズパール王の対面に座っている武雄が聞いてくる。

「ん?・・・まぁ・・・なんだ・・・」

アズパール王が書類にサインをして横に置く。

「特にない。」

アズパール王が顔を上げて言ってくる。

「部屋に戻りましょうか?」

「いや、居てくれ。

 タケオが来ていると追加の書類が来なくて助かるんだ。」

「私は仕事避けか何かですか?」

「それも兼ねている。

 ・・・買い物に行ってきたのか?」

「はい、食料と酒と本を買って来ました。」

「本・・・か。」

「はい、ええ、一通り買った後に現地に持って行くのに皆の娯楽で本が良いのだろうと思ってですね。

 連載物とかも含めて物語系を20冊程度。」

「ほぉ、結構買ったな。」

「ええ、1か月程度ですからね。

 ブルックさんにお願いして女子が好みそうな恋愛物とアーキンさんに頼んで戦記物と私が経済系と地域の特産品特集がそれなりに載っているとか色々ですね。」

「ふむ・・・確かに兵士達の現地での気晴らしに本も必要だろうな。」

「陛下なら現地に何を持って行きますか?」

「そうだなぁ、仕事以外の読み物なら何でも良いが・・・案外、女子が好みそうな恋愛物というのは読んだことが無いからな。

 新たな発見として、面白いかもしれないな。」

アズパール王が軽く考えながら言う。

「ですって、ブルックさん。」

「所長・・・あれ、陛下に読ませたら私の首が飛びかねませんよ。

 陛下、くれぐれも女性用の恋愛物なんか読まないようにしてください。

 くれぐれも!」

ブルックが強く言ってくる。

「お、おぅ、わ・・・わかった。

 ・・・タケオ、どんな内容なんだ?」

アズパール王がコソッと聞いてくる。

「私は読んでいませんからわかりません。

 ブルックさんが、試験小隊(うち)の女の子に読ませても問題ないだろうと選んでくれたので、女子が好きな内容なのでしょう。

 個人的には女子の恋愛物は男子が読んでも構わないとは思いますが、他人に積極的には勧めはしません。

 大方の男子は読まない方が良いとも思いますし。」

「・・・タケオは読むのか?」

「まぁ、興味はありますが今の所は・・・

 私の中では女性物は精神的な表現や陰湿な事だったり、いろんな表現に生々しさがあるのが多いという認識ですからね。

 ・・・人を選ぶのでは?と思っています。」

「読まないが興味はあるということか。」

「ええ、まぁ趣味で読む時には私は気軽に読める物が好きなのでそういう物を選びたいと思います。

 女性が好むような物は・・・当分先で気が向いたら程度でしょうね。」

「そういうものか。」

「はい、私はそうです。」

武雄が頷く。

「それにしても・・・来ないな。

 小麦の種まきがあるからそろそろ来る頃だと思うんだがな。」

「単純に考えて12月の種まき、11月の畑の準備、10月の異動、9月の開戦と終戦・・・普通なら重なりはさせないでしょうね。」

「だよなぁ・・・過去の例を鑑みると慣例の戦争は1か月程度は日数がかかる。

 となると、8月20日までには慣例の戦争を始め、それに乗じて魔王国王軍の主力を移動させた方がデムーロ国から怪しまれないだろう。

 だが、20日開戦で考えて行くと移動期間が短くなると思うんだ。

 たぶんここの期間は多くを用意したいはずだ。

 となると、早めに来ると・・・予想はしたんだがな。

 今日は7月10日なんだが・・・魔王国は大丈夫なのか?」

「さて?魔王国の精鋭は私達より早く動けるのであればもっと短い期間で全工程が終わるのかもしれませんね。」

「それは脅威だな。」

アズパール王が呆れながら言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 陛下、女性ものの本はたまに腐っているので要注意です。
[一言] そう言えば魔王国は今回はドラゴンの力借りてるから電撃戦できるんだったね、おぅこわいこわい
[一言] 勘が良いですね。 王国の安寧を願う、 アランさんの思いがそうさせているのでしょう。
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