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第2278話 255日目 買い物しています。(離乳食かぁ。)

王都の青果屋。

「これと・・・これと・・・これと・・・」

「きゅ?」

「うん、クゥ、それもですね。

 あと・・・これと・・・」

ミアがリンゴの目利きをしながら選び、ブルックが選ばれたリンゴを次々と手元に持って行く。

対応している店員は苦笑しか出来ない。

「えーっと・・・キャベツを30個かな。

 こっちのタマネギは60個。

 ニンジンは・・・40個、あ、馬にもだから500個とかの方が良いか。

 あ、ないや・・・えーっと・・・まずは70個買うか。

 あとは葉物野菜で良いのあるかなぁ。」

「・・・」

武雄の買い方に対応している店員が口を開けて驚いている。

「所長、馬用はここでなくても良いのではないでしょうか。

 それに馬用は別の店にありますよ?」

アーキンが言ってくる。

「え?そうなのですか?

 んー・・・ならそっちにも寄ってみますか。」

武雄が考えながら言うのだった。


------------------------

エルヴィス家の客間。

「・・・そういえば。

 コノハ、子供の離乳食に米が使えるとか言っていませんでしたっけ?」

アリスが対面に座っているコノハに聞く。

「ん-?・・・使えるも何もタケオとスズネは米が主食なんだから米の離乳食を口にしているはずよ?

 こっちだと・・・茹でた野菜とかパンでしょう?

 主食が違うのだから違って当然よ。

 米ダメなの?」

ノートを見ていたコノハが顔を上げてアリスに言う。

「ダメではないですけど・・・どうなのかなと思って。」

「正直な話、小麦よりも米の方がアレル・・・拒否反応は少ないはずなのよ。

 個人的には米をまず食べさせて、徐々に小麦のパンとかかなぁ。」

コノハが腕を組んで考えながら言う。

「コノハ、美味しいのですか?」

「ふむ・・・それは割と哲学かな?」

「え?どういう事?」

「離乳食なんて大人の味覚からすれば、どこのも美味しくないでしょう?

 でも素材の味という観点で見れば野菜でも米でも水だけでも随分と味が違うからね。

 違う味の食材を揃えて、一緒に食して口の中で味を作り出すのが美味しいという人物も居るには居るのよ。

 なので、美味しいとも言えるし、美味しくないとも言えるわ。」

「ん~・・・美味しくないのですか。」

「まぁ、むしろ子供が食べ物を飲み込む訓練のような物だからね。

 飲み込めない時も最初は多いだろうしね。

 味を付けるのはある程度食べられるようになってからだろうね。

 最初はごく少量の塩から始めないといけないだろうけど。

 ま、その辺はアリスがというより料理長達の方が詳しいんじゃないかな?

 最近だとスミスの時のがありそうだしね。

 その当時の献立を出して貰って皆で検討かな?」

「そうなんですね。」

「話題に上がってこないけど、乳母はどうするの?」

「必要ですかね?」

「アリスの乳の出がわからないからなぁ・・・」

コノハが悩む。

「私達はお母様の母乳で育ちましたから乳母は居ないんですよ。

 教育もジェシーお姉様がお母様に教わって私達にしてくれましたし。」

「ジェシー、凄いわね。」

コノハが半ば呆れながら言う。

「乳母かぁ・・・ん~・・・雇うとなると母乳が出る方ですよね。

 私の出産と同じくらいに出産される方か・・・

 出来れば子供達は私の母乳で育てたいですよね。」

「まぁ、気持ちもわかるしね。

 一応、アリスの方の体調管理と食事管理もするし、毎晩、おっぱいマッサージはしてあげるけどね。」

「え?なんですか、それ?」

「母乳を出しやすくするためのマッサージがあるのよ。

 これをしてあげるから。」

「ほ・・・ほぉ、そんな事が出来るのですね?」

「出来る事はしてあげるけど、最終的にはアリスの体によってだからね。

 それに双子だからなぁ・・・2、3人目とかを生んだベテランママさんを雇っておいた方が良いと思うけど。」

「そっかぁ、双子ですものね。」

「それに乳母が居ると、日中はアリス、夜は乳母さんという感じでアリスの睡眠も確保出来るからなぁ。

 体調管理するためには居た方が良いのよ。

 でも、自分の母乳でと望む事も当然だとは思うけどね。

 要は親の考えに寄るわ。

 タケオとアリスが話し合って決めるしかないかな?」

「そうですね。

 タケオ様が帰って来たら相談しますね。」

「うん、どうなっても私の補助は付くし、大丈夫よ。」

「その辺はコノハを信用しています。」

「任せて!パナちゃんと共にしっかり管理するからね。」

アリスとコノハが話している。

「?・・・コノハ、ちょっと足音がしますか?」

「そうだね。

 なんか急ぎの感じだけど・・・」

アリスとコノハが客間の扉を見ると。

扉がノックされ、アリスが許可を出すとフレデリックが入ってくる。

「失礼します。」

「フレデリックが足音をさせるなんて珍しいですね。

 緊急ですか?」

「はい、宣戦布告文がゴドウィン家に到着し、エルヴィス家とテンプル家に参戦依頼が来ました。

 こちらがゴドウィン伯爵様よりのキタミザト家に当てた手紙になります。」

フレデリックがアリスに渡す。

コノハはチビ状態になり、アリスの肩に移動する。

「・・・こちらも参戦依頼ですね。

 フレデリック、お爺さまは?」

「庁舎で各局長と打ち合わせに入っています。」

「そう・・・フレデリック、すみませんが、研究所に使いをお願いします。

 総監のマイヤー殿とヴィクターを呼んで頂けますか?

 タケオ様の書斎で打ち合わせをします。」

「畏まりました。」

フレデリックが頷き、客間を退出していく。

「戦争ねぇ・・・」

アリスが客間の天井を見上げる。

「事前にわかっていた事ではあるけど。

 やっぱり知らせがあると緊張するね。」

「え?コノハでも緊張するの?」

「するに決まっているじゃん。」

チビコノハが呆れながら言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 口中調味というか三角食べって日本人特有って聞いたなぁ
[一言] てっきり尋問回かと思いましたが次の日になってしまいました
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