第2277話 254日目 明日は何しようか。(エリカ、寝なさいって。)
王城への帰り道。
「所長、明日の予定は?」
アーキンが聞いてくる。
「今日調べて貰ったポーションの買い占めですね。」
武雄が言う。
「了解です。」
「えーっと・・・ポーションと言われていた食料は買いましたよね。
所長、あと何を買いますか?」
ブルックが聞いてくる。
「街が襲われた時の戦闘は後ろに補給がしっかりあっての短期の戦闘、今度は戦争かぁ・・・
食事はなんとかするし、怪我にも対応出来るようにはする。
あとは何が必要でしょうかね。
王都守備隊は戦争に参加はしたんですよね?」
「ええ、前々回の魔王国との慣例の戦争にも参加しています。
陛下とウィリアム殿下も居ましたし。」
「レイラさんにウィリアムさんが求婚した時ですかね?」
武雄が2人に聞く。
「ええ、といってもその頃は私は居ませんけどね。
アーキンは居た?」
「居たなぁ。
ですが、街中には入らないで街道の掃除をしていましたからね。
現場は見ていなんですよ。
後で聞いて、驚いたのを覚えていますね。
たぶん、近衛分隊だったマイヤー殿は見ているんじゃないですかね?」
「護衛部隊が驚くのも無理はないでしょうけど・・・一番驚いたのは陛下でしょうね。」
「「ですね~。」」
「2人の経験上で戦争で必要な物は?」
「食事ですね、出来れば美味しいので。」
「寝床ですかね。」
ブルックとアーキンが言う。
「どちらも用意はしているでしょう。
まぁ料理は私ので良いのであれば私がしますけど。」
「わぁ、所長のが当然一番のご褒美ですよ~♪」
ブルックが嬉しそうに言う。
「あ・・・ニガウリ余っていたから出しますかね。」
「「え゛・・・」」
アーキンとブルックが魔王国でしたように顔をしかめている。
「慣れない環境で緊張が続くでしょうし、食欲不振になれば体力も気力もそこなわれてしまうでしょうからね。
あの時の皆さんの食べっぷりを見るに、食欲不振でもニガウリを食べれば、他の料理を食べてくれるでしょう。
定期的に出して強制的に食事をさせるようにした方が良いのかぁ?」
「所長・・・止めて頂けますか?」
「ニガウリヤダ!ニガウリヤダ!」
アーキンとブルックが拒否反応を起こす。
「好き嫌いをするものではありません。」
「「好き嫌いの問題ではありません。」」
武雄の言葉に2人が即答する。
「・・・ふむ。」
「いや、所長、そこは考えないでください。」
「所長、考えちゃダメです。
素直に部下の意見を汲んでください!」
「まぁ・・・確かに帰って来る時にそれなりに使いましたから、定期的に料理として出すような量は無いか・・・」
「「ですです。」」
「でも・・・2切ずつ出せば1週間に1回は口直しに出せるかな?
皆の体調管理もしっかりとしないといけないしなぁ。」
「「・・・」」
2人が諦めた顔をさせる。
「・・・そんなに嫌?」
「「・・・」」
2人がコクコクと頷く。
「まぁ・・・考慮はしましょうか。」
武雄が渋々頷く。
「で、何でしたか・・・あ、現地に持って行く物でしたか。
食材と治療薬は持った、テントや寝具は用意しているはずだし、娯楽はリバーシと将棋があるでしょう。
各武器は各々だし、小銃改もあるし、スコープも・・・最新のが出来上がっていれば取り換えないと。
となると・・・エルヴィス家との交渉か。
これは帰ってから考えますかね。
あとは・・・お酒かな?」
「「あ~・・・」」
ブルックとアーキンが「そう言われれば」という感じで頷く。
「ワイン・・・止めましょう、ブランデーにしましょうか。
あれなら薄められるしね。」
「あ、追加でオレンジやリンゴといった果物類も多く必要かと。
寝酒の際に一緒に取ればスッキリと寝れるかもしれません。」
「そうですね、それに今回は子供達が居ます。
食欲が落ちるかもしれませんし。」
ブルックとアーキンが言う。
「・・・そんな時こそニガウリ・・・」
「「子供達には可哀想ですよ。」」
「んー・・・なら、明日はポーションと酒と果物類の大量買い付けですね。
あとは見ていて欲しくなった物を買いましょう。」
「「はい。」」
2人が返事をする。
「戦争か・・・」
武雄が夜空を見ながら呟くのだった。
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王城のエリカの部屋。
「・・・体験すると色彩が変わるとかなんとか・・・全く変わらないし。」
窓際で寝間着姿のエリカが佇んでいた。
「エリカ、それは感傷的なものです。
今日は疲れたでしょう?寝たほうが良いですよ。」
チビペイトーが言ってくる。
「うん・・・そうだね。
はぁ・・・疲れたぁ。」
エリカはそう言ってベッドに倒れ込む。
「今日は寝れそうだね。」
「そうだねぇ。」
「どうだった?」
「ペイトー、貴女、寝かせる気ないでしょ?」
「あるよ、どうだった?」
「・・・いや、まぁ・・・」
「エリカがすっごくノリノリだったようには感じたよ。」
「まぁ・・・ね。
媚薬って凄いと思った。」
「あれは・・・媚薬の効能だけじゃないと思うんだけど・・・」
ペイトーが首を傾げるのだった。
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