第2261話 媚薬と精力剤をお届けです。(予定は順調のようです。)
王城の武雄達の部屋。
王城に帰還して夕食を食べていると扉がノックされ武雄が許可をするとペイトーが入ってくる。
「失礼します。
タケオ、明日のエリカの件、ありがとうございます。」
ペイトーが頭を下げる。
「まぁ・・・エリカさんの望みならね。
本人は?」
「緊張していますし、保健の本を読み込んでいます。
今日は寝れないと思います。」
ペイトーが言ってくる。
「そうですか。」
武雄が頷く。
「ペイトー、これが媚薬です。
一応、2本渡して置きます。
飲んでから30分後に効果が出始めます。
効能は痛みの緩和と感度上昇、持続時間は2時間から3時間となっています。」
パナが実体化してペイトーに小瓶を渡す。
「国宝にもなり得そうな効能ですね。
ありがたく使わせていただきます。」
「待って・・・パナ、効能の持続時間が3時間ってなに?」
武雄が呆れながらパナに聞く。
「え?そのぐらい必要でしょう?」
「いや・・・死んじゃいますよ?」
「この媚薬は一気に来ませんから死にません。
持続的に快楽が微増し体内分泌が良くなるようにしてあります。
副作用はありませんし、何か体内に残る事もない安心設計です。
なので、平気です。」
「・・・パナ、そっちじゃなくてね?」
武雄が諦めた顔をさせてパナに言う。
「タケオにはこれ、精力剤です。
3本渡して置きましょう。
2本同時に飲んでも後遺症はありませんから、大丈夫です。」
「あ、私のもあるのね。
ありがたく頂きます。」
武雄が目の前に置かれた小瓶を見ながら言う。
「パナ殿、エリカのデータです。
月経の周期については、私と契約する前の情報は口頭での聞き取りです。
直近の生理も終わっています。」
ペイトーがパナにノートを渡す。
「ふむ・・・エリカの生理の周期が・・・なるほど。
今日で生理が始まって11日目ですか・・・行けそうですね。」
パナがノートを見ながら言う。
「それとタケオ、アリスからエリカ宛に書類が来ていました。
レイラやアルマも確認しています。」
「その内容については私は知らない事になっているので、この場では何も言いませんよ?」
武雄がペイトーに言う。
「わかりました。
あとはエリカ次第という事で。」
「ええ、フォローはしてあげてください。」
「はい、承知しております。」
ペイトーが頷く。
「とりあえず、エリカには睡眠を取るように言ってください。
辛いだけですよ。」
パナが言う。
「伝えはしますが・・・あの調子ではたぶん無理かと。」
「まぁ・・・その時はその時ですね。
タケオ、こういう時は男の甲斐性の見せ時というのですか?」
「・・・飲む、打つ、買うが男の甲斐性と言われた時代を知っていますけど、あれって・・・その全てで人生が破綻しかねない事ばかりですよね。
余暇をギャンブルで過ごすという1個上の人生観の方が口にする言葉と認識しています。
私には無理でしょう。」
「そうなのですか?」
「飲むなら静かに適量を飲む、打つのは性に合わないからしない、他人の味を気にしない。
1個上の方々からはつまらない人生と言われるでしょうが、私はこれで結構です。
これでも充実しているんですから。」
「ほぉ、では今回のエリカの件は?」
「好いてくれる女性が覚悟を決めてくるんでしょう?
ついでに妻が段取りをして、手を出して良いと言うのですから、抱かない道理はありませんよ。
元々住んでいた所が一夫一妻制だからその観念に縛られるというのは、自然な事ではあるでしょう。
ですが、この国は違う制度なのです、そんな中、頑なに固辞をしても・・・ね。
それもちょっと違うでしょうね。
まぁ・・・今回は異例中の異例でしょうけど。
アリスがエリカさんを気に入っているのが、エリカさんの今回の勝因でしょうかね。」
「タケオ、愛するのなら平等に。
これが出来なければ手を出すのは控えた方が家庭の為です。」
「その通りで。
出来るかはわかりませんが、本人達の希望に沿って対応します。」
「タケオ、エリカを抱けますか?」
ペイトーが言ってくる。
「初心な男子じゃあるまいし・・・ましてやエリカさんは美人で性格も良いんですよ?
抱けない男なんていないと思いますけど。
それに社会人なんて社会的通念や法律が無ければ、精神的にわがままな子供のままなんですから、しがらみを取り払って良いと言われているのです。何が問題になるのですか?」
「タケオはそう思うのですね?」
「ええ、人は善悪を学び、己を律する知識も得る。
そうして大人になり社会を形成する。
ですが、一方で悪を知り、悪に溺れる輩が居る。
前者と後者の違いなんて己をどうやって律するかのみです。
私達人間は通常は善となる行動を良しと捉えます。ですが、外的要因で簡単に悪事を働く。
暴力、暴動、戦争・・・集団心理という言葉もありますが、悪事はなぜか簡単に伝播するのです。
『あいつがしていたからやってみよう』、『上司の命令だからやってみよう』、『国家、国民の為にやってみよう』・・・いとも簡単に悪事を働く。
・・・責任が自分にないとなったらとことん悪さが出来る・・・こんなのわがままな子供以外の何物でもありません。
今回はそこまでではありませんけど、同じような物でしょうね。
しっかりとエリカさんを抱いてきますし、愛していきますよ。
ですが、今後、こういった事はアリスの気分次第でしょうが、高い確率であり得ないでしょう。
今回が例外です。」
「タケオとアリスとエリカがそう言うのであれば良いです。」
「あ、そう言えば、8月にエリカがエイミーと一緒にエルヴィス伯爵領に行きますよ。」
「「え?」」
武雄とパナがペイトーに向かって驚きの顔を向けるのだった。
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