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第2258話 娼館に打ち合わせに行こう。(スミスの相手は確定しているんですね。)

王都の歓楽街。

ラックと合流した武雄達はとある店の前に来ていた。

「所長、こちらです。」

アーキンが言う。

「・・・キタミザト殿、注意してくださいね。」

ラックが言ってくる。

「注意するも何も・・・」

武雄がラックの言葉に呆れる。

「予約してあるのでしょう?入りますか。」

武雄が言うとアーキンが店の扉をノックする。

と、すぐに扉が開き、体格の良い男性が出て来る。

「事前に予約をしているキタミザト子爵だ。」

アーキンが言う。

「お待ち申しておりました。

 主人は中でお待ちです。」

体格の良い男が頭を下げ、武雄達を店内に入れるのだった。

・・

店の奥の部屋の前。

「こちらになります。

 失礼します。」

体格の良い男が扉を開ける。

「ようこそ、いらっしゃいました。」

室内には武雄と年齢が変わらなそうな女性と1歩後ろに2名の女性が待っており、恭しく頭を下げて武雄達を出迎える。

女性の所に席が1つと対面に5つある。

武雄が体格の良い男をチラッと見ると軽く頷いてから深々と頭を下げる。

「失礼します。

 このような場を設けて頂きありがとうございます。

 私がタケオ・エルヴィス・キタミザトです。」

武雄が室内に入り、空いている席の横に立って言う。

「この店を仕切っております、ドーラ・バセットと申します。

 この度はご足労頂きありがとうございます。

 まずは、お座りください。」

「ええ、失礼します。」

武雄が座るとラック達も座る。

「失礼します。」

バセットも座る。

「改めて、急な依頼をして申し訳ありませんでした。」

武雄が軽く頭を下げる。

「いえ、子爵様。私共は慣れております。

 日程を調整する程度ですので、いつでもお使いください。」

「そう言って頂けるとありがたいですね。

 実は、このようなサービスをする店は初めてでしてね。

 中々に興味深いですね。」

「初めて・・・で、ございますか?」

「ええ、妻には止められておりましてね。

 今までは仕事ばかりで行く機会もなかったものですから。」

「そうでしたか。

 私の店はありがたい事に割と裕福な方に利用して頂いております。

 こういっては何ですが、店員の体の調子や怪我、病気をしっかりと管理しております。」

「それは・・・出自もですか?」

武雄が聞く。

「はい、子爵様。

 こういった職業ですので・・・国中から女性が歓楽街(ここ)に来ますが、犯罪に与しているような者を採用はしておりません。

 また、我が店では教育を実施しており、読み書きだけでなく、ある程度の地域の事や政策も教えております。」

「・・・それは、客の話が聞けないからですか?」

「はい、ある程度の知識が無いとまともな受け答えが出来ませんので。

 ここは確かに性の捌け口・・・では、ありますが、それ以外を求めて来られるお客様もおります。

 何回もお越し頂ける方も多いのですよ。」

「そうですか。

 今回お願いした件で問題はありませんか?」

「問題はございません、子爵様。

 ここで見聞きした事は店外では話さない。

 その信用は絶大です。

 なので、皆さん気軽に店に来て頂いております。

 王立学院の生徒さんでも魔法師専門学院の学生さんでも王城の高官であっても・・・ここで見聞きした事は外には漏れません。

 この店の店員は皆その事を徹底しております。」

「・・・なるほど。

 それなら安心です。」

武雄が「あー、これは情報が買えないか」と諦める。

「ちなみに今回は5名の生徒さんとお聞きしております。」

「ええ、エルヴィス家、アルダーソン家、ボールド家の息子さんとそのお付きが2名ですね。

 1人に付き2人とお願いをしましたが、何か問題はありますか?」

「頂ける金額で10名の確保は出来ますし、その日は休日にいたします。

 他の者は雑用をしたり、勉強に費やしたりしておりますので問題はございません。

 なのですが、生徒さんに付ける店員についてなのですが、女性の好みはあるのでしょうか?」

「・・・どうなのでしょうか?

 そこはお任せとなると思うのですが・・・」

武雄が考えながら言う。

「こちらで今考えているのは、子爵様の義弟様にはスレンダーな者と大きすぎない者を候補にしております。

 他の4名においては情報がないので・・・選抜しております。」

「・・・配慮して頂いてありがとうございます。

 それで大丈夫・・・だと思います。

 教育もして頂けるのですよね?」

「はい、今回相手をする者達は上手いので生徒さん方が体験されるのに問題ありません。

 ご安心してご来店ください。」

「よろしくお願いします。」

武雄が頭を下げる。

「実施はいつになさいますか?

 当方としては明日でも構わないのですが。」

バセットが言ってくる。

「え?明日でも?」

「はい、明日でも問題はありません。」

「・・・なら、明日にお願いします。

 たぶん大丈夫なので。」

「畏まりました。

 では、明日の晩課の鐘以降においでください。」

「わかりました。

 では、また明日、お伺いします。」

武雄が席を立つのだった。

・・

武雄が帰ってからの室内では。

「エリカ様にご連絡を。

 予定通り(・・・・)明日の晩課の鐘に実施となったと。

 いつもの連絡方法で良いでしょう。」

バセットが後ろの女性に言う。

「畏まりました。

 投書を実施します。

 陛下へのご連絡は如何しますか?」

「・・・エリカ様にお願いしましょう。

 この件は第三情報分隊(本業)の仕事ではないのですから報告の義務はありませんよ。」

「はい。

 それにしても第3皇子一家のエリカ様、何者ですかね?

 第三情報分隊(私達)に気が付いているんですよね?」

「さてね・・・たまたま第三情報分隊(私達)に気が付いたのでしょうね。

 それに第三情報分隊(私達)は娼婦だけではないし・・・全容はわかっていないと思うわよ?」

「そもそも第三情報分隊(私達)自身が全容を知らされていないんですけどね。」

「知るのは陛下のみで良いのよ。」

「はい、では、連絡を取ります。」

バセットの言葉に女性が頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 本人たちすら、所属する組織の全容を知らされていないとは・・・採用等はどうしているのかな? 既に他の組織で働いている者から陛下が見出だし、身辺等を調査させるが、その際詳細な情報は伝えな…
[一言] 飲み屋にも隊員いたけどこっちもか
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