第2251話 会議はまとめに入りました。(エイミー、もう噂は立っていますよ。)
「陛下、如何でしょうか。」
オルコットがアズパール王に聞く。
「ふむ・・・中々に面白い案だったな。
タケオ、これは今直ぐというのではないという事だと我は感じたがどうだ?」
「はい。王立学院の特待生の仕事斡旋、制服の着用義務は実施間際と聞いていますので、すぐに検討が必要だと思いますが、それ以外は時間をかけながら検討をして行っても良いと思います。
まぁ大隊構想は内容等々はあくまでも例です。
実際には変更しなくても良いと思います。」
「その例は魔王国だろうが・・・タケオとしては大隊構想の方が良いと思うか。」
「はい、確かに現状の軍組織も利点はあります。
ですが、相手が大隊編成をされていると・・・少なくとも対魔王国については、圧倒的に不利だと考えられます。」
「ふむ・・・それはタケオが言っていた指揮する者がやられた場合という所かな?」
「まぁ・・・私が思う決定的な組織の違いですからね。
現状の組織ではトップを討ち取られたら混乱してしまう可能性が高いのはわかっていますしね。
一方の大隊編成ではトップがやられても代理の大隊長が指揮を引き継いで部隊を動かしますからね。
敵のトップを討ち取っても討ち取っても上位者が代わる代わる指揮をしてけしかけてくるんですよ?
現状の組織のままでも指揮は取れるでしょうけども、それが元々組織立って用意されているかいないかでは普段の訓練から実践中まで各隊長の意識が違うと思います。
同格の試験小隊達を、しかも緊急時に指揮とか・・・残りの半数が撤退出来れば良い方でしょう。
その上追撃もしてくるでしょうからね、そう易々と撤退を許してくれるとは思いませんが。」
「ふむ・・・そうか。
人事局長、王立学院の方のタケオからの提案は局内で検討出来るか?」
アズパール王が人事局長に聞く。
「はい、2日・・・いえ、3日後までには今日の話の概要と人事局としての何かしらの検討結果を回せると思います。」
「うむ、頼む。
クラーク、王立学院としてはどうだ?」
アズパール王がクラーク議長に聞く。
「問題ないかと。
ただ、キタミザト殿の懸念を聞かされると早々に裁可をしないといけない事だと思います。」
「それは人事局の検討結果を待ってだな。
軍務局長、軍編成についてはどうだ?」
アズパール王が軍務局長に聞く。
「納得はします。
概ねはキタミザト殿が提案された内容で問題ないようには思います。
ですが、中隊規模や小隊規模の検討と調整はしないといけないかと。
王都、地方領で導入した際の費用の違いも検討しないといけないと思います。
検討するにもまずは地方領がどういった編成をしているのかを集計してからだと思います。
なので・・・今日の内容の局内での検討結果は1か月程度頂きたく思います。」
「ふむ、そうか。
総監局はどうだ?」
「問題ないと思います。
総監局としては人事局、軍務局双方の検討結果を見てから判断をしようと思います。
個人的な事を言わせて頂くのならキタミザト殿の提案は利点が多いと思わされました。
実施検討でも良いような気もしますが。
各局がどう判断されるかを楽しみに待とうと思います。」
総監局長が言う。
「そうか。
タケオの方から何か言いたい事はあるか?」
「ありません。
現状で言える事は言ったと思います。」
「そうか、今後ともこういった組織変更の案が思いついたら皆で話し合っていけたら良いと思う。
タケオに限らず、各局内でも違う方が動きやすいと思うのであれば、話し合えばよかろう。
皆、今日はご苦労だった。」
アズパール王が今回の打ち合わせを終えると宣言するのだった。
------------------------
第3皇子一家の執務室。
「・・・ご命令ならば仕方ないです。
お供いたします。」
エリカが何とも言えない表情でエイミーに言う。
「えーっと・・・レイラお姉様、何かあったのですか?」
エイミーがレイラに聞く。
「ん~?別にないわよ。
エリカさんが行くなら実家宛の荷物とか色々用意しようかな。
エリカさん、大袋の最新版を持っているしね。
エリカさん、小分けに出来るような物なら平気でしょう?」
レイラがニヤニヤしながら言う。
「・・・はい、問題ないかと。」
エリカがジト目でレイラを見ながら言う。
「それにしてもエイミーも思い切った事言ったわね。」
アルマがエイミーに聞く。
「思い切った事ですか?」
エイミーがアルマに向かって首を傾げる。
「うん、思い切った事だよ。
これって『結婚の下見』でしょう?」
「・・・え?違いますよ?
同窓の女の子の旅に同行をして、ついでにタケオさんが何をしているかの確認とエルヴィス家がどういった事をしているのかの確認をしようと思ってですね。」
「え?それは表立っての話でしょう?
それこそ、その辺の話なんて手紙でやりとりすれば良いじゃない。
わざわざ行くという事は事前に住む場所とか街とかを確認しに行くんでしょう?」
「え?・・・違いますが?」
「え?違うの?本当に?」
アルマとエイミーが顔を見合わせる。
「でも、エイミーちゃんが実家に行けば、そういう噂が出るだろうね。
エイミーちゃん、スミスと毎晩スミスの部屋でお茶をしているんでしょう?
エイミーちゃんはスミスの所に行くようだという噂は飛んでいるわよ。」
「・・・はい。
スミスに聞きましたか?」
「一応、同衾はしないように注意したわよ?
エイミーちゃん、我慢してね!」
「そこは!大丈夫ですから!」
エイミーが少し顔を赤らめて言うのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




