第2241話 ウェットティッシュと子供用使い捨ておむつ。(開発には時間がかかります。)
「タケオさんの協力工房が凄いのはわかったわね。
で、それよりもこれ・・・言われると確かにこの薄さにして安いわね。
タケオさん、どのくらいの物なの?」
レイラがナプキンを見ながら言う。
「そうですね・・・開発の主旨としては、タオルと同じ性能を有するが出来るだけ薄くし、下着を穿いても違和感が少ない物としました。
出来上がった製品ですが、少なくともこの薄さとこの吸収性能をこの価格での提供は他の所では出来ないと自負させて貰います。
今、類似品が出ても負ける事はないと思いますね。」
武雄が言う。
「タケオさんの所と競合したいと思う所は少ないんじゃないかな?」
ウィリアムが苦笑する。
「それはどうでしょうか・・・でも最初に作ったという利点は最大限利用しないと損ですからね。
皆さん、頑張りますよ。」
「ちなみに、タケオさん、これに使われている布は輸出出来ますか?」
エイミーが聞いてくる。
「ん~・・・今はナプキンがあるので無理ですが、後々には出せると思います。
ですが、布のような強度はこれにはありませんよ?」
武雄が言う。
「強度・・・服には使えないのですか?」
「無理でしょうね。
引っ張るとすぐに解けますし。
違う用途で考えて行かないといけないというのはありますが、今の所、ナプキンのみの製品化になっていますね。」
「タケオさん、他に何か作り始めているのですか?」
エリカが聞いてくる。
「・・・ウエットティッシュ・・・かな?」
「「「「「前にも聞いたような・・・」」」」」
女性陣が首を傾げる。
「まぁ、簡単に言えば、濡れている薄手の布ですね。
数十枚を重ねて水に浸からせながら持ち運べるようにし、毎回濡れている布が取りだせるようにしてある製品ですよ。」
「えーっと・・・前にも聞いたかもしれないけど・・・それはおしぼりみたいな物かな?」
レイラが考えながら聞いてくる。
「タケオさん、ならおしぼりで良いんじゃない?」
アルマが聞いてくる。
「使い捨てを想定しているんですけどね。」
「「「「使い捨て!?」」」」
女性陣が驚いている。
「いや・・ナプキンだって使い捨てですよ?
使用した物はそのまま破棄です。
ウェットティッシュも使ったら捨てるようにしたいんです。
手を拭いたら捨てる、汚れを拭いたら捨てる。
そういった商品にさせたいんですよ。」
「「「「んー・・・」」」」
女性陣が悩んでしまう。
「ご主人様、今もおしぼりがあります。
これは洗えばまた使える物です、なのに、わざわざ1回使用しただけで捨ててしまう商品を作るのはなぜですか?」
ジーナが聞いてくる。
「え?生まれてくる子供の為・・・違いますね、親達の負担を減らす為です。」
「「「!?」」」
ウィリアムとアルマ、レイラが反応する。
「親達の負担ですか?」
ジーナが聞いてくる。
「ええ、子供達ってすぐに物を掴むでしょう?
手掴みで物を食べたりして汚すのですぐに拭いてすぐ捨てられた方が洗濯の回数が減りますからね。
それに前にも言いましたが、ナプキンの派生で子供用の使い捨ておむつも作りたいです。
ほらっ、子供達は大量に出すでしょう?
布おむつが主流なのでしょうけど、洗うのも大変ですし、何より漏れによる衣服への汚れもありますからね。
子供達の服だけでなく、親達の服まで汚れますからね。
使い捨ての子供用おむつを作って、子供がしたら服に染みる前にすぐに取り換えると共にウェットティッシュがあればその場で取り出し、お尻とかを拭いてしまえば良いのです。
そして汚れたウェットティッシュと使い捨ておむつは一緒に捨ててしまえば良い。
それに出先とかで子供の為に水とかを用意する手間が省けるという物です。」
武雄が言う。
「あぁ・・・なるほど。」
ジーナが頷く。
「そうだった・・・私もスミスに何度やられた事か。
なぜかお気に入りを着ている時に限って大量にスミスはしたんだよね・・・」
レイラが苦虫を嚙み潰したような顔をさせながら言う。
「僕の記憶にない事で思いっきり後悔されるのは居たたまれないのですけど。」
スミスが難しい顔をさせながら言う。
「まぁ、そういう経験は必要なのかもしれませんが、頻度を落としたいのでね。
子供用おむつとウェットティッシュの開発をして行こうかなぁと思います。」
武雄が言う。
「・・・タケオさん、目途は立っているのですか?」
ウィリアムが聞いてくる。
「まったくの未定。
『子供が生まれるまでにそれなりの物が出来れば良いかぁ』程度にしか思っていません。」
「タケオさん!私とレイラが生む前に商品化出来ませんか!?」
「タケオさん、お願いします!」
アルマとレイラが必死に訴えてくる。
「・・・ん~・・・子供用おむつは結構難しいと思うんですよね。
そう簡単に出来るのかなぁ。」
「「え!?」」
アルマとレイラが驚いた顔を武雄に向ける。
「ほら、子供って大人と違って寝ていたり、寝転んだり、座ったり、はいはいしたりで縦横無尽に動きますからね。
漏れのないようにだとナプキンのようには簡単に作れないと思いますし。
そもそも試験するには試作を行う必要があるのでしょうけど、適齢年齢の子供が見つかるのか・・・
それに子供の成長は早いので、どの時期の子供にはこのサイズとかの種類分けもしないといけないのですよね。
うちの子供にも間に合わないかもしれないですよね。」
武雄が考えながら言う。
「「これは・・・結構な時間がかかるみたいだね。」」
アルマとレイラが顔を見合わせて呟くのだった。
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