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第2229話 251日目 コショウの使い方。(武雄の仕事が増えるのか?)

王城の食堂。

「「「・・・」」」

アズパール王と第3皇子一家の面々が夕食を取っているのだが、無言で早食いをしている。

「・・・お、美味しかった・・・」

ウィリアムが食べ終わり、口寂しそうに呟く。

「うむ・・・流石はタケオが見つけてきた調味料だな。

 肉にもサラダにもスープにも、とはな。

 これは確かに高値で販売が出来る物だな。

 ふむ・・・買う事にするか。」

アズパール王も食べ終わり、腕を組んで言ってくる。

「父上、いくらで買うのですか?」

「1kg当たり金貨1枚、王家用で30kgだ。

 ちなみにタケオに頼んでも追加はない。」

「高いですが・・・魔王国産ですから致し方ないかもしれませんね。」

ウィリアムが頷く。

「お・・・お義父様!うちと第2皇子一家へは!?」

アルマが聞いてくる。

「分配してください!」

レイラも言ってくる。

「そこだよなぁ。

 均等にとも思うが・・・外交面や招待した者達にも使いたい。

 我、クリフ、ニール、ウィリアムで5kgずつでどうだ?

 残りの10kgは政策面で使うと言うことにしよう。」

「「「融通してくれるだけでもありがたいです!」」」

ウィリアムとアルマ、レイラが答える。

「陛下、外交面・・・それはカトランダ帝国という事でしょうか?」

エリカがアズパール王に聞いてくる。

「うむ、そうだな。

 エリカ、売れると思うか?」

「確実に売れるとは思いますが・・・売るのですか?」

「元々が高いからな。

 というのは冗談で、50gをまず贈答しようと思う。

 さて・・・カトランダ帝国(向こう)はどう動くかな?」

「それは・・・これだけの調味料です。

 追加が欲しいと言ってくると思いますが。」

「なら1kg当たり金貨2枚でも良いと思わないか?

 それも向こうに卸すのは2kgとする。」

アズパール王がエリカに聞く。

「流石に高いのではないでしょうか?

 そんな事をするなら・・・ドワーフの王国経由で魔王国に問い合わせをするかと。」

「その情報をタケオに渡しておくとどうなると思う?」

「・・・魔王国の王都にはキタミザト殿が懇意にしている仕入れ店が待ち構えていますよね。

 確実に止めに走らせるかと。

 キタミザト殿としては自分のみがアズパール国内でのコショウの輸入が出来るという事を堅持すると思います。」

「・・・エリカ、タケオは魔王国での他国へのコショウの販売を規制させると思うのか?」

「・・・・・・いえ、しません。

 というよりも出来ませんね。

 いくらなんでも他国の者であるキタミザト殿の命令を魔王国の商人が厳守するとは思いません。

 それはキタミザト殿は承知のはずです。

 ですが、何かしら交渉をして何かしらの便宜を図って、他国に売らないようにするか買われないようにするのではないかと・・・あ、仕入れ値ですかね。」

エリカが思いつく。

「うむ、我はこのコショウが高い理由はタケオが数量確保の為に相当、高値で買っていると思っている。

 で、ここでカトランダ帝国から買いに来たという情報が入って来たらタケオはどうするんだろうな。」

「・・・自分を通してカトランダ帝国に売る・・・でしょうか。

 カトランダ帝国には陛下か王都からですよね?

 となると・・・国内流通が増えると?」

「うむ・・・我はそう思う。

 タケオは我らの要請だけではことこのコショウでは動かんと我は見る。

 それは国内流通をタケオが握っているからだ。

 だが、そこにカトランダ帝国と言う外的要因が現れればタケオは動かざるを得ない。

 黙って、カトランダ帝国から流入するのを見ているようなタケオではあるまい。

 まぁ、我も鬼畜ではないからな、流通量が多くなっても1kgを金貨1枚で買ってやるが、我らの要求する数量を確保してくれるだろう。

 カトランダ帝国には流通量が確保出来次第、金貨2枚から金貨1枚と銀貨5枚まで値下げはしようか。

 ・・・エリカ、どう思う?」

「大筋はわかりました。

 ですが、残念な事にそもそも贈答したコショウを使って貰う事とカトランダ帝国から輸出の依頼が来ないと話が始まらないという欠点はございます。

 それに・・・キタミザト殿が本当に焦るのかというのが不安ではありますね。」

「ふむ・・・エリカだったらどう動く?」

「そうですね・・・」

王都に居る王家達が夕食をしながら雑談をして過ごすのだった。


------------------------

王城の武雄達の部屋。

「所長・・・まぁ、コショウの料理が出たので愚痴は我慢しますけどね。

 でもですね、自重っていうのは大事だと思うんですよ。」

ブルックが夕食を取りながら言ってくる。

「別に私ブルックさんの実家に行きましたけど、親御さんと言葉交わしていませんよ?

 食べに行くぐらいで怒られるのも心外なんですけど。」

「所長が帰ったあとで・・・あ、このスープは体が温まって良いですね、戦地で出してください。」

「わかりました。

 で、私達が帰った後、何かあったのですか?」

「親から説教ですよ。」

「・・・え?私何もしていませんけど?」

「いや、所長が来た事を話したら説教が始まったんです。

 もう・・・面倒でしたよ。」

「それは・・・私とブルックさんで原因が半分ずつではないですか?

 行った私も悪いでしょうけど、親御さんに伝えたブルックさんも悪いと思いますよ?」

「6:4ではないでしょうか。」

ブルックが言う。

「そうですか・・・6がブルックさんね。」

「いや、6が所長です。」

「・・・ほら、肉とスープが冷めるから早く食べなさい。」

「はーい。」

ブルックが夕食を取るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。


7年目に突入です。

おかしいです、昨年の1年で慣例の戦争まで物語が進められると思っていたのですが、どこで狂ったのか・・・いや、そもそも出だしから狂っていたのか!?

・・・まぁ、いつもの事ですけどね。

今年は目標を小さくして、慣例の戦争とデムーロ国侵攻を描いていく事にします。

ちょっと魔王国 王軍が強すぎな気がしますが・・・デムーロ国の奮戦を楽しみにしています。


あ、雑談というかちょっと思ったのが、大国に立ち向かう小国の話は良くありますけど・・・なんであんなに大国は慢心するんでしょうかね?

戦争序盤から大量の過剰戦力を投入し、短期間で終わらせる方が戦費も被害も少なく済むと思うんですよね。

わざわざ相手の兵力に合わせて兵を用意し対応させるなんて・・・戦争を長引かせたいのでしょうかね。

そんな事を年末の深夜に再放送していて録画をしておいた、某公共放送局の1995年製作の「〇〇の世紀」を観ながら思っていたりします。


今後も通勤、通学、休憩時のお供にこの物語を使ってくれると幸いです。

今年もよろしくお願いいたします。


あ、月間アクセス数で先月は歴代5位になっていました。

皆様、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 何処ぞのゲームの英雄王さんも『慢心せずして何が王か!』って言ってたしトップに立つと視野狭窄と言うかそうなりやすいのでは? あとは独裁政権『私が支配するこの国があのような弱小国家に〜』とかあと…
[気になる点] >あ、雑談というかちょっと思ったのが、大国に立ち向かう小国の話は良くありますけど・・・なんであんなに大国は慢心するんでしょうかね? [一言] そもそも初期配置の兵が相手兵力と基本膠着状…
[良い点] 毎日更新して頂きまして、ありがとうございます。 予定は未定で決定ではないでいいと思いますw 今後とも楽しみにしています。 [一言] アランさん、「もうちょっとコショウ欲しいな」て必死ですね…
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