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第2223話 王城で料理をしよう。(新しいレシピの交換です。)

王城の厨房。

「失礼します。」

武雄が入ってくる。

ミア達は部屋に戻って昼寝をすると言っていたので王城内は武雄1人で移動していた。

「「お帰りなさいませ、キタミザト殿。」」

手の空いていた料理人達が声をかけてくる。

「お、帰ってきましたね。」

料理長が言ってくる。

「お世話になります。

 で・・・牛肉は用意できましたか?」

「はい。

 こっちは王家用や来賓の方々や上位の者達用、こっちがそれ以外の文官、武官達用。」

料理長が手を指して言う。

「肉質が違いますね。」

「費用と手配の問題ですよ。

 まぁ、それは良いんですよ。

 ・・・まさか!牛しかコショウが使えないのですか!?」

「いえ、なんでも合いますけど。」

「なら、平気ですよ。

 まぁ確かにオークの方が味があっさりしていますから牛とはソースが違いますがね。」

「肉の種類や料理全体を見て味は変える物ですけど。」

「そのとおりですね。

 牛も塩だけの時やハチミツやリンゴを使って甘味を増す時もありますし、香草を茹でて細かくしてオリーブオイルと合わせるという事もしています。

 まぁ、アルマ殿下とレイラ殿下のお陰で随分とソースのレシピが増えましたよ。」

料理長が武雄にニヤリという顔を向ける。

「ふーん・・・用意は?」

「キタミザト殿にお渡しする分の用意はちゃんと出来ておりますよ。

 準備は出来ております。」

料理長が期待をした目を武雄に向ける。

「はぁ・・・なら、私からはコショウを使ったシーザードレッシングのレシピを。

 エルヴィス家で作って、皆さんから好評を得ていますし。

 葉物からトマトまでどれにも合うドレッシングと言ってくれましたよ。」

「「「おおー。」」」

武雄と料理長の話を聞いていた料理人が感嘆の声を出す。

「幅の広いドレッシングという事ですね?」

「ええ、サラダにかけるだけでなく、キュウリとハムを細く切って和えても良いですね。

 サラダの種類も増えますよ。」

「なるほど。

 マヨネーズのような使い方が出来るという事ですね。」

「正確には、どのドレッシングでも同じようにサラダにかけるだけでなく、野菜を細くして、ハムや肉と合わせた物に和えて使っても良いのですけどね。

 相性というのはあるのは確かです。」

「マヨネーズは相性が良すぎますけどね。」

「あれは本当に使い勝手が良いですよね。

 私の中ではシーザードレッシングはサラダ限定にすればその用途が幅広いと思います。

 それにドレッシングをかけた後にチーズを振りかけるというのも味の変化を促せます。」

「ほぉ・・・なるほど、チーズをですか。」

「シラスといった小さい魚の干物なんかにも合うんですよね。

 パラパラ~と少量かけると食感が変わりますから面白いですよ。」

「・・・シラス?」

「成魚になる前の稚魚の状態で水揚げされてすぐに茹でられた物ですよ。

 体長はこれぐらいです。」

「小さいですね・・・知りませんね。」

「茹でてあるだけなので日持ちしないですからね。

 茹でた後で良く乾燥させる事も出来ますけど、干物になりますから硬くなるんですよね。」

「そういった干物も聞いた事ないですね。」

「もしかしたら地元でのみ食されていて地方領でも知っているのが村や町のみという場合もありますね。」

「なるほど。

 今度調べてみますかね。」

「無かったら無かったでどこかに依頼しますかね・・・

 ウィリアム殿下達ならやる気になってくれそうですけど。」

「そうですね。

 ニール殿下やウィリアム殿下にお願いした方が入手は楽そうですね。

 まずはニール殿下の方に存在しているのかの確認はしようと思います。

 結果はわかり次第、お知らせします。」

「ええ、お願いします。

 と・・・今日はコショウを使った料理でしたね。

 まずは味見かな。

 肉にコショウと塩をまぶして焼いて皆さんの感想を聞いてみますかね。

 あと、シーザードレッシングも作りますから、こちらも味の確認をお願いします。」

「「「はい、よろしくお願いします。」」」

料理人達が一斉に頭を下げるのだった。

・・

「失礼します。」

厨房にジーナがやって来る。

「あれ?ジーナ?」

武雄が厨房の入り口を見て言う。

「ご主人様こそ、なぜこちらに・・・と言いたいのですけど。

 この雰囲気はまた何かしたのですね?」

ジーナが厨房内を見ながら聞いてくる。

「魔王国でコショウを入手したのでね。」

「コショウ??・・・あぁ!コショウですか。」

ジーナが首を傾げて考えてから思い至ったのか頷く。

「非獣人系のみだそうですね。

 ヴィクターやアスセナさん、子供メイド達も食べてくれましたよ。」

「え?お父さまが?」

「ええ、私達よりも少量にしてね。」

「お父さまもコショウは好きではなかったはずですが。」

「ええ、肉とかではなくサラダのドレッシングにね。

 まぁそれでも少なめにしたのですけど。

 とりあえず食べては貰っています。」

「お父さまの評価はどうでしたか?」

「『初めての味で面白い』でしたかね?

 まぁ軽く立ち話での事なのですけど、嫌がってはいなかったと認識しています。」

「コショウかぁ・・・」

ジーナが考えています。

「とりあえず食べて見なさい。

 ジーナ用に私が作りますから。」

「はぁ・・・なら一口頂きます。」

「消極的ですね。

 で、ジーナは何しに?」

「今日は王城の厨房(ここ)で料理教室です。

 定期的に教えて貰っています、ご報告しましたよね?」

「え?今日だったの?

 そこは教えて貰えなかったですね。

 なんだ、知っていたら事前にレシピ考えておいたのに。」

武雄が言う。

「いえ・・そんな高等料理無理ですから。」

「私が作るの難しくないですよ?」

「え?・・・」

ジーナが呆れながら武雄を見るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ラストのジーナの「え、、、」(笑)
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