第2220話 街中で昼食を。(ビエラ達は食べ過ぎなのでは?)
王城の受付。
「お待たせしました。」
武雄達がフォレットの所にやって来る。
「いえ、問題ありません。
飲食店はわかったのですか?」
「はい、総長に教えて貰いました。
フォレットさんと一緒に行くと言ったら総長がメモに書いて渡してくれたんです。
こちらです。」
武雄が総長から受け取ったメモをフォレットに渡す。
「頂戴しま・・・」
フォレットがメモを見て止まっていた。
「キタミザト殿、これ・・・ブルック殿とアーキン殿は知っているのですか?」
「あの2人は明日の昼まで休暇中です。
思い立ったのが昨日なので知らないですよ。」
「行き先・・・ブルック殿の実家と書いてありますが?」
「・・・・・・・・へぇ~。」
「知っててその答えですか?」
「ええ・・・あ、知りませんよ。」
「はぁ・・・ブルック殿が嫌がっていませんでしたか?」
「・・・・・・・・・・・・大丈夫では?」
「絶対嫌がりましたね。
はぁ・・・ブルック殿が怒ると怖いんですよ?」
「私は怒られた事ないので知らないです。
それにあの2人デート中だと思うので実家には居ないと思うんですよ。
私は王都の街中の食事がどういった物か知りたいんです。
どうせお金を落とすなら知り合いの所に落としたいじゃないですか。」
「・・・まぁ、それはわかりますけど。
こういう時って・・・大丈夫かなぁ?」
フォレットが首を傾げるのだった。
・・
・
王都のブルックの実家。
営業中のようで武雄達が扉を開け店内に入ると。
「いらっしゃいま゛・・・」
配膳をしているブルックが固まっていた。
「・・・ほら、居た。」
フォレットが武雄に言う。
「・・・ん?うちの部下によく似た方が配膳されてますね、気のせいでしょう。
何か?」
武雄がフォレットに言う。
「え?それで押し通すんですか?」
「ただ、昼食を取りに来ただけですよ。
店員さんに何かありません。」
フォレットが呆れた顔を武雄に向けると武雄がにこやかに言う。
「店員さん、席は自由で?」
武雄がブルックに笑顔で言う。
「・・・お客様・・・こちらに・・・どうぞ・・・」
ブルックの迫力のある笑顔に促されて席に案内される。
・・
・
席に案内された武雄達一行はメニューを見て頼む物を選んでいた。
「ん~・・・ミア殿、クゥ殿、どれ頼みますか?」
フォレットがミアとクゥに聞く。
「私は甘い物が良いです。
クゥはどうします?」
「きゅ?・・・きゅ。」
「クゥは今日はお肉が夕食だからパスタが良いそうです。
私とクゥは半分こしますから1個ずつでお願いします。」
「わかりました。
スイーツは・・・マドレーヌですね。
パスタは季節野菜かトマトになりますね。
どちらにしますか?」
「・・・きゅ。」
クゥが少し考えて答える。
「野菜で。」
「わかりました。」
フォレットとミアとクゥがメニューを選んでいる。
「時雨は肉や野菜が入ってそうなシチューにしましょうか。
栄養価が高そうですよ。」
「タケオ、任せるっスよ。
タケオは何にするっスか?」
時雨が武雄に聞いてくる。
「そうですね~・・・お肉系を1つとスープとパンで良いですかね。
フォレットさんは決まりましたか?」
「はい、お肉の盛り合わせで!」
「お昼からガッツリで良いですね。
足りますか?
もっと食べて良いですよ?」
「いや、キタミザト殿、盛り合わせも結構な量だと推察しますよ。
私そんなに大食な所とかみせましたっけ?」
「いーえ、ただビエラが3人分を普通に食べますからその感じで話してみました。
お金は気にせず飲み食いして良いですよ。
今日のお礼です。」
「これで平気です。
というより・・・ビエラ殿はそんなに食べるんですか?
そんなに食べていた記憶が無いのですが。」
「ビエラやクゥ、ミアは基本的に食事をしなくても良いので1人分で足りるはずですが、ビエラは美味しいと思った時は食べてますね。
あとカレーとかの時はバクバク食べてます。
まぁ幸せそうなので良いんですけどね。」
武雄が言う。
「食費かかりそうですね。」
「その分のお金は貰っていますから大丈夫ですよ。」
「そうなのですか?」
「ええ、ドラゴンの皮が採れますからね。」
「・・・採取ですか。」
「生活費の補填ですよ。
まぁ、脱皮するようなのでその際に貰い受けて換金し、キタミザト家で保管、エルヴィス家と王家に販売という感じですかね。」
「へぇ~・・・本物のドラゴンの皮が出回るんですか。」
「そういえば皆さんそんな事を言っていましたね。
でも聞いた限りでは市場にも出回っているのですよね?」
「出所不明、本物か確認が出来ないドラゴンの皮と呼ばれる物がですよ。
キタミザト殿が持ち込むのは貰ったドラゴンと採取した場所、日時がわかる物です。
価値が違います。
そうかぁ・・・市場に出回るのかぁ。」
「陛下が買い取ったので市場に出回りませんよ。」
「ですよね・・・」
「陛下にウィリプ連合国に売る事も言ったら『待った』をかけられました。」
「それは陛下でなくても止めますよ。
万が一、ドラゴンの皮のレザーアーマーなんか相手が着て来たら・・・私達が大変になるので止めてください。」
「高値で買ってくれそうなんですけどね。」
「そうですが、止めてください。
陛下の事です、キタミザト殿の今の言葉を聞いてそれなりの金額で買ったんではないですか?」
「ええ、買ってくれました。
良い商談でした。」
「わぁ、良い笑顔ですね。」
武雄の笑顔にフォレットが呆れる。
「はぁ・・・ご注文は・・・決まりましたか?」
ブルックがやって来るのだった。
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