第2199話 レイラとエリカ、陛下にお届け物です。(挨拶と報告書を提出して帰ろう。)
アルマとレイラの問診と今までの日々の検討が終わり、女性陣が会話に戻ってくる。
パナ達精霊はチビサイズになり、ミアやクゥとお菓子を食べている。
時雨は武雄の横でお茶だけを無言で飲んでいた。
「タケオさん、アリスの懐妊おめでとう。」
「「「おめでとうございます。」」」
ウィリアム達が言ってくる。
「ありがとうございます。」
武雄が頭を下げる。
「それで、男の子?女の子?」
レイラが聞いてくる。
「まだ聞いていないんですよ。
あと公表する際に聞こうかと思いましてね。」
武雄が苦笑しながら言う。
「なんで、今聞かなかったの?」
アルマが聞いてくる。
「後にしたいのは子供用品とか家具とかを用意したいのでね。
性別がわかった方が選びやすいでしょうからね。
ただ、今は男だろうと女だろうと無事に生まれてくれれば良いです。
その後は・・・生まれてから考えますかね。」
「わかります、その気持ちは。
でも、タケオさん、生まれてから考えるのですか?」
ウィリアムが聞いてくる。
「まぁ、基本的には子育ての主導権はアリスに託します。
あとは要所でアリスから相談があれば私も参加ですね。
こっちから手を出してアリスの想像と違ったら喧嘩になりますから。
私は大人しく、アリスの指示を待っている事にします。」
「なるほど、そう言うやり方もあるのですね。」
ウィリアムが頷く。
「あ、それとレイラさん宛にエルヴィスさんからの報告書と冊子とアリスからの手紙、エリカさん宛にアリスからの手紙を預かっています。」
「はーい。」
「頂戴します!」
レイラとエリカが受け取る。
「お爺さまから・・・なんだろう?
それなりに枚数がありますけど。」
「公表したレシピ内容とその時の街の様子等々の報告書とレシピ本の案だそうです。」
「やっと来た!
ウィリアム、アルマお姉様、エリカさん、これは要検討事項ですよ!」
「「そうだね~。」」
「はい、そうですね。」
ウィリアム達が返事をする。
「あ、それとエリカさん。」
「はい!」
「いや・・・そこまで緊張しながら返事をされても。
エルヴィスさんより民間療法の本の購入の件で追加でお願いしたいけど、あとどのくらい出来るか聞いてくるようにと言われています。
確認出来ますか?」
「え?あ、はい。
えーっと・・・2日ください。
その間に増刷出来る部数を確認してきます。」
「ええ、お願いします。
以上ですかね。
また、遊びに来ます。」
「うん、アルマ達がエルヴィス伯爵からの報告書を見たがっているから今日はこれまでですね。
タケオさん、王都での報告頑張ってください。」
ウィリアムが言ってくる。
「・・・報告を頑張るって変な言葉ですが・・・倒れないようにしますよ、陛下がね。」
「タケオさんの報告はいつも大変な事ばかりですからね。
お疲れ様です。」
「「「お疲れ様です。」」」
「はは、この後陛下への挨拶ですけどね。
では、失礼します。
さ、次に行きましょうか。」
武雄が立つと時雨もクゥを抱きかかえて立ち上がり退出して行くのだった。
・・
・
武雄達が去った第3皇子一家の執務室では。
「ウィリアム、パナ殿から割と順調だって。」
アルマが言ってくる。
「割と?」
ウィリアムが聞き返す。
「アルマお姉様も私も運動不足だって。
もう少し歩くように言われたわ。
王城内を歩くのも人を連れてないといけないし、あまり長時間というのも気が引けるんだよね。」
レイラがヤレヤレと手を挙げながら言う。
「子供の為にもう少し歩こうか。
少しなら父上も許可するだろうし、皆も文句は言わないと思うよ。」
ウィリアムが言うのだった。
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アズパール王の執務室。
武雄が入室して挨拶と雑談をしているのだが。
「タケオ・・・仕事が終わらんのだよ。」
「いつも仕事が山積しているのですね。」
「はぁ・・・カトランダ帝国には我と総長が行っただろう?
ウィリプ連合国は外交局長が行ってくれた。
両者から報告書が上がって来てな、今見ているんだ。
で、明日からはタケオだ。
その報告書が加わると当面はこの仕事が終わらんのだよ。」
「私のは、まだ提出していませんがね。」
「総長の報告書と外交局長の報告書だけでも考える事が多くてな。
はぁ・・・それに明日のタケオとの打ち合わせ時にウィリプ連合国とカトランダ帝国の報告書の中身を頭に入れておきたいからな。
一生懸命に読んでいるんだよ。」
「・・・濃密だったんですね。」
「いや、濃密かは・・・判断に困るが、それなりの量にはなっている。」
「そうですか。
では、私からこれを。」
武雄がアズパール王の前に書類を置く。
「・・・魔王国?」
アズパール王が困った顔をさせながら武雄を見る。
「エルヴィスさんよりの報告書になります。
内容的には半分は魔王国関係だそうです、残りは領内の事だと伺っています。
ついでに持って行ってくれと頼まれました。
内容は見ておりませんよ。」
「ふむ・・・タケオ、これを読んでからタケオと打ち合わせがしたい。
明日の昼食後から打ち合わせをしようか。」
「わかりました。
明日の午後に執務室に参ります。」
「うむ、そうしてくれ。
今日はゆっくりと休んでくれ。」
「はい、わかりました。
これで失礼します。」
武雄達が退出していく。
・・
・
「はぁ・・・ま、いきなりタケオの報告書を見るよりかは楽か。
・・・さて、エルヴィスのは朝見るとして、カトランダ帝国とウィリプ連合国のはもう一度読んでから寝るか。」
アズパール王が呟くのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




