第2195話 245日目 さ、今日はさっさと寝ましょう。(用意は出来ています。)
エルヴィス伯爵邸の食堂。
食事を終えて、最後のスイーツで皆が今日の成果を確認していた。
「ほぉ・・・これは面白いの。」
「プルプルですけど、確かに餡子です。
こっちのリンゴジュースのゼリーも美味しいですし。
不思議ですね。」
「あ~♪」
「きゅ♪」
「ニャ♪」
「そうですね、タマ。
これは良いですね。」
「パナちゃん、美味しいね。」
「夏場の暑い時に食べると体温が下がって良いかもしれませんね。」
「中々に良さそうですね。
なら、これはエルヴィス家の料理に追加しましょうか。」
武雄が頷く。
「ふむ・・・タケオ、王都でのゼラチンの製造方法を頼むの。
これが街中に広まればスイーツの幅が出て来るじゃろう。」
「わかりました。
交渉はしてきます。
まずは王城の料理長ですかね?」
「あまり事を荒立てないようにの。
こう言っては何だが、今ないのじゃから断られてもわしらに不利益はないからの?」
エルヴィス爺さんが言う。
「私は物事を荒立てた事はないですよ?
勝手に周りが動いただけです。」
武雄が言い放つ。
「皆が皆そう思っていればよいがの。
さて・・・これを堪能したらタケオは明日の準備かの?」
「ん~・・・先ほど貰った報告書は入れましたし、食材も1日分は料理長が作ってくれると言ってくれたのでお任せしていますし、今日の夕食に出たチキンライスは多く作ってくれていたので、またジーナとスミス坊ちゃんに食べさせようかと思って、もうリュックに入れましたし・・・
特にありませんね。
あとは制服を入れて終わりです。」
「スミスとジーナにの・・・確か前回は陛下に食べさせなかったと言われた気がするのじゃが?」
「ええ、雑談でしましたね。
今回も逃げます。」
「いや、タケオ、流石に今回は逃げられんのではないか?」
「・・・陛下に食べさせればウィリアムさん達にも食べさせる羽目になりますからね。
そんなに量もありませんから少数分しか持って行きませんよ。
陛下には米の作付けが成功するまでは少ない量しかないから食べさせないと言ってあります。」
武雄が言う。
「そうは言ってものぉ・・・今回は1口でも食べさせれば後は何も言わんと思うがの?
少量で良いんじゃよ。」
「・・・ん~・・・向こうでおにぎりでもしますかね・・・
コノハ、チキンライスでおにぎりは出来ますよね?」
「出来はするけど・・・バターで炒めているから固まり辛いわよ?
特に温度が冷めれば、ボロッと崩れちゃう可能性大よ。」
チビコノハが言う。
「・・・難しいですね。」
「そういう料理だしね。
あ、そうだ、ノリの代わりに溶き卵を薄く焼いて巻いたら?
そうすれば型崩れはある程度抑止出来ると思うけど。」
「なるほど・・・小さめのおにぎりですれば良いんですかね。
王都でやってみますね。」
「タケオ、頑張れー。」
チビコノハが言うのだった。
・・
・
武雄達の寝室。
夕食後の話し合いも終わり、ミア達チビッ子は湯浴み後に自分達の部屋に帰って行った。
今は武雄とアリス、パナとコノハがお茶をしていた。
「タケオ様、忘れ物はないですか?」
「ないですね。
行って説明すれば良いだけですし。」
「タケオ様の場合、他にも王都で用事が出来そうですね。」
「まぁ、専売局が確実として、経済局や財務局辺りに捕まりそうですけど。」
「それはそれで大変ですね。」
「まぁ、専売局のデナムさんは今回来て一緒に魔王国に行きましたからね。
それ関連の報告や相談があるのは覚悟しています。」
「専売局以外はなんでですか?」
「専売局が新しい事業を始めるのですけど、事前に他の部局にも根回ししていると思うのです。
ですが、その際に出た話題に私が入るのでしょうから、結局、詳しい話を聞こうと私が連れて行かれるという訳です。」
「・・・タケオ様が関与しているのなら連行はされちゃいますかね。」
アリスが考えながら言う。
「まぁ、王都では頑張ってきます。」
「はい、タケオ様、お気をつけてください。」
アリスが言うのだった。
「入れる物は入れたし、後は寝るだけですね。
あ、そうだ、コノハ、アリス。
今日の水羊羹はベルテ一家の所とステノ技研に持って行ってください。
他の人達は、また今度という事で。」
武雄が言う。
「わかったわ。
タケオが居なくなっちゃうとゼラチンが緩くなりそうだからね。
皆には冷やしてから食べるように言っておくわ。」
「ジルダが確か氷が出来ましたし、ステノ技研にはテイラーさんが居るから、そっちも問題ないでしょうね。」
武雄が頷く。
「あとは各工房の進捗が進んできたらタケオの代わりにヴィクターやアリスが対応しておけば問題なさそうね。」
チビコノハが言う。
「はい。
まぁ、鈴音とアリスはラルフさんの所との協議があるでしょうからね。
そちらが優先されるでしょうから実質はヴィクターが管理する事になると思います。」
「あぁ、確かにそうかも。」
「何かあればアリスとヴィクターで話し合って決めてくれれば良いと思います。
紫雲達が居ますから、2日程度でやり取りも出来ますしね。」
武雄がそう言うと他の面々が頷くのだった。
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