第2194話 ジーナにアリスからの手紙が届きました。(エイミーに遭遇。)
王都の寄宿舎のジーナの部屋。
「・・・ふむ・・・」
ジーナがアリスからの手紙を見終わって考えていた。
「アリス、なんだって?」
チビパラスが食事中(吸収中)の紫雲に乗りながら言ってくる。
「この間の手紙のご回答が来ているのですけど・・・エリカ様に届けなくてはいけませんね。」
「あれ?戻ってきたばかりなのに?」
「ええ・・・ん~・・・」
「何を悩んでいるの?」
「いえ、私の行動予定を考えないとなぁ・・・と。」
「何の予定?」
「エリカ様が画策するようなので・・・お手伝いをする事になると思います。
ん~・・・」
「エリカが何をすると?」
「・・・ご主人様襲撃?」
「うん、無理じゃない?」
「はい、なので、アリス様から代案が来ているのですけど・・・これ・・・なんとなくご主人様が考えた感じがするんですよね。」
「え?・・・襲撃されるタケオが自分を襲撃する案を出してきたの?」
「エリカ様の襲撃案を廃案にして、代わりに偶然に会ってしまう事を装う感じにするという事ですね。」
「????・・・ジーナ、何言ってるの?
襲撃と偶然に会うって全然違う事じゃん。
エリカは何をしようとしているの?」
「・・・子種の採取?」
「は?・・・普通にすれば良いじゃん。
そんなドキドキ、ワクワクイベントいらないし。」
チビパラスが呆れる。
「ん~・・・まぁ、エリカ様の出自が出自なので変な男をくっ付けられないという事で考慮さ・・・あれ?エリカ様の発案ですよね?」
「エリカが第3皇子一家と領地に移動して仕事をしたい、でもエリカはタケオの所に嫁に入る気はなくて、でもタケオの子種が欲しいって事?」
「・・・そうなりますね。」
「・・・いや、アリスが認知して、レイラ達が保護をしてあげれば大丈夫なんじゃないの?
そんな事しなくても堂々とすれば良いじゃない。」
「・・・エリカ様も色々と考えているのでしょう・・・
とりあえず、アリス様が逆にエリカ様に提案するそうです。
上手くするんでしょうね。」
ジーナが言う。
「まぁ・・・好きにすれば良いんじゃない?
で、なんでジーナがその内容を知っているの?」
「アリス様がエリカ様宛の手紙に封をしないので私が1番最初に読んだからですね。」
ジーナが言う。
「・・・そう・・・・」
「ちなみに手紙には詳しくは後日、封書が行くとありますので詳細が来るのでしょうね。」
「・・・アリスとエリカが何かするのはわかったわ。
ジーナはそれの手伝いなのね?」
「手伝うのか、もしかしたら知らない振りをするのか・・・アリス様の指示がない限り、エリカ様の指示に従いましょうかね。
何もなかったらどうしようか考えます。
その為に行動予定を考えておこうかなという事ですね。」
「ジーナ・・・それって予定がわからなければわからないんじゃない?」
「アリス様の案では、ご主人様がスミス様を連れ出すそうです。」
「なんでそこでスミスが?・・・まぁ、それは良いか。
それがいつかはタケオが来たらわかるという事ね。」
「はい、その後の行動はどうするかを考えておきます。」
「ジーナも大変ね。」
チビパラスが呆れながらもジーナを労う。
「あ、王城に行ってエリカ様に手紙を渡さないといけませんね。」
「夕食までに戻れそう?」
「そうします。
パラス、マリに連絡を。
私は作業服に着替えます。」
「あーい。」
パラスがマリに連絡をするのだった。
・・
・
王城の第3皇子一家の執務室。
ウィリアムはアズパール王の所に行っており、アルマとレイラ、エリカがジーナを出迎えていた。
「・・・はい、わかりました。」
入室後、すぐにジーナがエリカに手紙を渡し、エリカが中を見てからそう言う。
「何か伝言はありますでしょうか?」
「・・・詳細をお待ちしております。」
エリカが頭を下げながら言う。
「・・・ねぇ、何をしたの?」
アルマがやり取りを見ながら言う。
「あ~・・・その~・・・その・・・ねぇ?」
「・・・」
エリカが目を右往左往させながら挙動不審になり、ジーナは微動だにせずにエリカの前に立っている。
「怪しいわね。
まぁ、ジーナちゃんが帰ってからエリカさんは私達とお話合いね。」
アルマが言う。
「ジーナちゃん、ご苦労様。
あとはこっちでやっておくわ。
ちなみにタケオさんがこっちにくる日付はわかったかな?」
レイラが聞いてくる。
「いえ、その内容はなかったのですが、そろそろ出立される頃かと思います。
ご主人様方の宿泊は王城でよろしいのでしょうか?」
「ええ、王城内に用意するからわかったら教えてね。
タケオさんの事だからあまり大人数では来ないだろうけど、人数の確認もお願いね。」
「畏まりました。
アリス様にお伺いを送ります。
では、失礼します。」
ジーナが第3皇子一家の執務室を退出する。
・・
・
ジーナは王城の玄関に向かって歩いていると。
「あれ?ジーナ?何しているの?」
エイミーとドネリーが居た。
「エイミー殿下・・・私は第3皇子一家の所に行っていました。」
「あ、そうなのね。」
「エイミー殿下はご実家の方々と会食では?」
「今からね。
さっきまではお爺さまに報告に来ていたのよ。
無事に終わったとね。」
「そうでしたか。
無事に終わりましたね。」
「そうね。
私とスミスは何事もなく終わったわね。
ジーナもお疲れ様。」
「労いありがとうございます。
・・・パット殿下は何か問題が?」
「今、私と一緒に報告していたんだけどね。
まぁ・・・大事ではないわよ。
今回は私達の試験みたいなものだったけど、パットが及第点ギリギリみたいでね。
お爺さまが苦言を言われたのよ。」
「・・・その程度で済んで良かったです。」
「考え方によってはそうね。
ま、パットはそう思わなかったようだけどね。
雰囲気が怒っていたし。
お爺さまもワザとそう言ったのだろうけど・・・あの感じは・・・」
「どうかされましたか?」
「近々、何かまた試験をしてきそうだなぁという予感よ。
ジーナも気を付けなさいね。」
「はい、わかりました。」
「うん、なら私達は実家の兵士達と食事をしてくるわ。」
「いってらっしゃいませ。」
ジーナがエイミーとドネリーを見送る。
「・・・ふむ、才女にわからないように試験を実施するというのも大変な物ですね。」
ジーナがエイミー達が去った方を見ながら呟くのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




