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第2192話 アルマとレイラに挨拶に。(意外と王家専属魔法師は期待されている。)

第3皇子一家の執務室。


「いや~、スミス、終わったね。」

レイラがソファに座りながら向かいに座っているスミスに言ってくる。

「はい、レイラお姉様。

 残った費用は、僕の方の生徒カードに入れておけば良いと言われました。

 今回の発注書等々の書類は兵士に持たせたので、それを確認して僕が戻った際に引き落とすと言われています。」

「うんうん、そこまで話がいっているなら大丈夫ね。

 ジーナちゃんもお疲れ様。」

「ありがとうございます、レイラ殿下。」

ジーナが頭を下げる。

「今回、ジーナも結構動いたんじゃない?

 ジーナもこっちに来て座りなさい、疲れたでしょう?

 ほら、こっち。」

アルマが隣をポスポス叩きながら言う。

「はぁ・・・他の方々に見せられません。」

ジーナもアルマとレイラに何を言っても押し切られるのはわかっているので、言う通りにアルマの隣に大人しく座る。

「ここに来る貴族なんてスミスくらいよ。

 スミス、大変だったでしょう?」

アルマがスミスに聞く。

「はい、アルマお姉様やレイラお姉様、エリカ殿に何回も案を提出しましたし、実家にもジーナが何回送った事か・・・王都守備隊や宿、城門の詰め所にもです。」

「この程度の輸送ですらこんだけやるんだから、もっと多くなったら更にやることが増えるわよ。

 ま、スミスが領主になると手配や段取りは文官がするのだけどね。」

「部下は大事にしないといけないんですね。」

「そうね。

 スミスはそれが理解出来ただけでもやった甲斐があったわね。」

レイラが言う。

「ジーナはどうだった?

 タケオさん関係では動いているだろうけど、本格的に文官として調整をしたのは初めてでしょう?」

アルマがジーナに聞く。

「大変でした、色々と。」

ジーナが端的に感想を言う。

「まぁ、ジーナちゃんはスミスと一緒に宿とか王都守備隊とか回ったり、私達に会いに来てスミスとの打ち合わせの日程調整とかもしてたものね。

 本当、駆けずり回っていたという感じかな?」

レイラがそう言うが心の中では「さらに宰相やお義父さま達とも話しているし」と思っていた。

「当分はしたくありません。

 スミス様の護衛で日々を過ごします。」

「そうね・・・ジーナは少し休んだ方が良いかもね。

 そういえば、タケオさんはいつ王都に来るの?」

アルマが聞いてくる。

「ん~・・・早ければ今日辺りに返事が来ると思います。」

「早いわね・・・前に報告に来たのが2日前だったわよね?」

「はい、片道1日で連絡が取れます。

 本当なら4羽以上の体制で常に朝か夜に1度報告が行き来出来るのが理想だとは思いますが・・・

 食費等の理由で難しいのだと思います。」

ジーナが言う。

「これ楽だよねぇ・・・せめて皇子一家と王都間で出来ないかなぁ?」

レイラが腕を組んで考える。

「レイラ殿下、その考えが例の王家専属魔法師の長距離通信研究ですよ。」

エリカが言ってくる。

「あぁ・・・そうだったわね。

 エリカさん、それ研究が進んでいるの?」

「さて?私もそんな研究が始まったようだとしか聞いていません。

 すぐに成果が出るようなものではないと思うので気にはしていません。

 成果が出たら屋敷の方に設置されるのではないでしょうか?」

エリカが言う。

「それもそうね。

 まぁ・・・いつ出来るかわからない物よりジーナちゃん達がしている魔物の連絡手段の方が今は実効性は高いのはわかるけど・・・準備や維持が大変そうだからなぁ。

 タケオさんとジーナちゃんだから出来ている感じもあるしね。」

レイラが言う。

「ご主人様がやりたくてしているのは確かではありますが、伯爵様が許可しているのが出来ている最大の理由かと思います。

 維持も食費もエルヴィス家頼りですので。」

ジーナが言う。

「お爺さまなら、タケオさんみたいにある程度の結果を前もって説明してくれるのなら否定はする事ないだろうね。

 ん~・・・王家専属魔法師の研究が完成するまでの一家と王家同士の連絡手段は近々の課題として王城内の議題に上げておくか。」

「・・・まぁ、兵士がずっと走りっぱなしでもそれなりに早く着くから今まで問題にはなっていないのだけどね。

 でも人が行き来するよりは費用がかからなさそうだよね。」

レイラとアルマが言う。

「精霊が鳥達や狼達と話せるとは思いますけど。」

「それはそうだけど、それだと私かエリカさん、アンちゃんにクリナちゃんしか対応や交渉は出来ないでしょう?

 不在になる事もあるし、誰でも出来るという訳ではないからね。

 個人としては出来るとしても通常の家としての業務となると採用はし辛いかな?

 誰でも研修さえ受ければ出来るようにしたいのよ・・・たぶん今の段階では無理だけどね。」

レイラが言う。

ジーナは「あ~、確かに夕霧達に頼むのは伯爵様もアリス様もご主人様も出来るという点では業務に差し支えないですね、ご主人様のスライムの活用というのは先見の明があるのですね」と納得する。

「レイラお姉様、例えばミア殿のように専属で家に居てくれる場合はどうですか?」

スミスが聞いてくる。

「専属でなら家として出来るかもしれないけど・・・そもそも妖精が居ないからなぁ・・・

 それに1人にさせるというのは結局私達と同じだからねぇ、複数人が出来るのが理想よ。」

「・・・難しいんですね。」

スミスが言う。

「そ、今の所、エルヴィス家内で実施しているだけのやり方となるでしょうね。

 はぁ・・・そう言う意味では王家専属魔法師の研究が早く成果が出る事を期待するしかないわね。」

アルマが言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] その魔法師の名前が「モールス」さんとかなら実現が早そうですよね笑
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