第2184話 研究所の幹部会議。1(行く前に色々決めておきましょう。)
研究所の3階 会議室。
武雄とマイヤー、アンダーセン、トレーシー、ヴィクターが集まって話し合いがされていた。
「となると・・・もう動いて構わないという事ですね。」
マイヤーが言う。
「ええ、1か月程度の遠征に必要な物は買う必要があるのでしょう?」
武雄が言う。
「ええ・・・慣例の戦争という事は関の内側で出張店が出るはずなんですよね・・・
最悪はそこを使いますか。」
「??・・・アンダーセンさん、それなんですか?」
アンダーセンの言葉に武雄が反応する。
「いえ、慣例の戦争というのは長期間の戦場です。
ちょっとした店が関の内側で開くんですよ。
魔王国側の慣例の戦争でもあると思いますが。」
アンダーセンが言う。
「マイヤーさん、そうなのですか?」
「ええ、慣例の戦争時ですよね?
大々的な店ではないですが、干物屋や青果屋、肉屋、鍛冶屋等々が出店していますね。
金額も高いですし、量も多くありませんが、兵士達の息抜きも兼ねます。」
マイヤーも言ってくる。
「ふむ・・・高いのですか・・・事前に買っておいた方が良いでしょうね。
ヴィクター、食材等々はエルヴィス家から供与されるのですか?」
「はい、エルヴィス家との打ち合わせでは試験小隊分も用意はされると言われております。
ですが、今は少人数だから言ってくれていますが、一応、独立した部隊ですので自分達で用意するのが基本でしょう。
その上で食材を渡し、料理をして貰うというのがエルヴィス家の顔を潰さず、良いかと思います。
エルヴィス伯爵はこの地で買い足すと思いますので、今回の王都に行った際に大量に買って来ていただけますでしょうか。
立て替えますので金貨30枚までで買って来てください。」
ヴィクターが言う。
「野菜とか肉をですね。
まぁ大袋がありますからね。
出来るだけ買って来ましょう。」
武雄が頷く。
「戦場での配置についてですが、エルヴィス家の後ろに配置する案で私達は決定しました。
エルヴィス家に報告をお願いします。」
マイヤーが書類を置きながら言う。
「早いですね・・・わかりました。
エルヴィスさんには提出しておきますが、留守中に軍務局から打ち合わせ要請があった際にはアンダーセンさんとマイヤーさんで打ち合わせしてきてください。」
「「了解しました。」」
マイヤーとアンダーセンが言う。
「トレーシーさん、研究中の盾ですが、試作として4つ程度作ってください。
使える状況なら試験小隊で使ってみたいです。
図面は確認してサインはしましたよ。」
武雄が折りたたまれた図面をトレーシーの前に置く。
「わかりました、4つですね。
ステノ技研に頼もうと思います。」
「ええ、そこでお願いします。
ステノ技研でもっと良い性能が出せる方法があるのなら協議して直しても構いません。
出来れば安くね。
量産を考えないといけないのですから高価過ぎてはいけません。」
「了解です。」
トレーシーが頷く。
「食料、配置は良いとして・・・あ、コンテナ搭載馬車は2台来ます。
1台は私の部屋、もう1台は皆さんで使える多目的部屋として使う予定です。
もう発注は・・・ヴィクター、注文書か何か来ましたか?」
「はい、朝一で来ましたので、主の机に置いておきましたが?」
「・・・今日中に発注はされます。
なので、私が居ない間に納入されるのであれば説明を聞いておいてください。」
武雄がアンダーセンに向かって言う。
「主、7月末の納期と記載があったと思うのですが?」
ヴィクターが言ってくる。
「・・・慣例の戦争が発表されれば納期が短くなることもあるでしょう。
ローチ工房がコンテナ搭載馬車の普及を考えるのなら早々に仕上げてくると思いますけどね。
7月末でも構いませんけどね。
その時はその時です。」
武雄が言う。
「所長、慣例の戦争において出立はエルヴィス家と同時ですか?」
「コンテナ搭載馬車が早く納入されるのなら早々に戦場に行きたいです。
仕込む事は多いでしょうからね。
周りに人が居ると面倒ですし・・・陣地や馬車の下の地面のかさ上げをしないといけないので・・・
アンダーセンさん、地面のかさ上げは皆でやると何日かかりますか?」
「ふむ・・・3日あれば出来るかと。」
「なら4日前には戦場に居たいですね。
マイヤーさんとアンダーセンさんはエルヴィス家との打ち合わせを実施しておいてください。
大まかな工程だけでも決めておけば動きは楽でしょう。」
「「はい。」」
マイヤーとアンダーセンが頷く。
「あとは何でしょうか・・・アンダーセンさん、魔王国出張の報告書の用意は?」
「はい、所長宛と陛下宛に出来ています。
所長用は私達の方とブルックの議事録が別々に。
陛下用には私達が書いた物とブルックが書いた議事録を合わせた物を用意しています。」
「ふむ・・・はぁ・・・私のメモも一緒に私の部屋の金庫の横の棚に入れておきます。
見たい人は見てください。」
「「「「遠慮します。」」」」
武雄の言葉に皆が拒否をする。
「・・・カトランダ帝国とウィリプ連合国の報告書・・・で、魔王国の報告書と議事録、私と魔王国陛下とブリアーニ王国の女王の話のメモ・・・良い感じの報告書が並びますね。」
「金庫に入れないのが所長らしいですよ。
金庫の中の方が重要と思うでしょうからね。」
「見たいなら見れば良い、個人に読まれてどうこう出来るような話はしていませんからね。
国家でなければ対応できない事ばかりですよ。
・・・気になるでしょう?気になるなら見なきゃいけませんよ?皆、見てね。」
「「「「絶対に見ません!」」」」
武雄の言葉に皆が拒否をするのだった。
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