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第2177話 陛下帰還。(皆が動き始める。)

アズパール王国の王城の門。

「陛下!ご帰還!総員敬礼!」

アズパール王を乗せた馬車の車列が城門内に入っていく。

・・

そして玄関前に馬車が止まるとアズパール王が降りて背伸びをしていた。

「あぁぁあ・・・旅はこんなに疲れるものだったか?」

玄関先には複数の人間が待っており、その内の一人であるオルコットが話しかけてくる。

「陛下、ご無事の帰還嬉しく思います。」

「オルコット、出迎えご苦労。

 はぁ・・・長旅だったな。」

「距離で言えば即位されて最長でしょう。」

「そうだな。

 総長、ご苦労だった。」

「はっ!警護任務終了します。

 追って報告書を提出します。」

「うん、とりあえず、部下を休ませておけ。」

「はっ!宰相殿、失礼します。」

「ご苦労様でした。」

オルコットが総長を労うと総長が部下達の下に行く。

「ふむ・・・何かあったか?」

「そうですね・・・悪巧みが実施中です。」

アズパール王が聞くとオルコットが言ってくる。

「あー・・・今どのくらいだ?」

「明日、エルヴィス殿に引き渡しの予定です。

 現在はパット殿下が足りなくなった分をかき集めて確認している所です。」

「ふむ・・・パットの判断や気性はどうだ?」

「そうですね・・・それは後ほど、まとめて報告をします。」

「わかった。

 ・・・とりあえず、部屋に戻って鐘1つ分寝たいな。」

「畏まりました。

 では、後ほどウィリアム殿下方が行くように伝えておきます。」

「うむ、頼む。

 ・・・ジーナに動きはあったか?」

「今日はまだ見かけておりませんね。

 昨日は朝に来られてレイラ殿下に面会をしたようですが。」

「ふむ・・・オルコット、ジーナは休暇を取ったと思うか?」

「そういえば行く前にそんな話をしておりましたね。

 ・・・してないのでは?」

「その辺はお茶をしながらジーナに聞くか。」

「まぁ、明日引き渡しですから、その後に報告に来られるでしょうからその際にしましょう。」

「そうだな・・・さーって、寝るか。」

「あ、陛下、洗濯物をメイドに渡してくださいね。」

「・・・えーっと、詰め込んだ服をさっさと出さないと寝るの遅くなりそうだな。」

アズパール王が呟くのだった。


第3皇子一家の執務室。

「お義父さま、戻ったみたいね。

 皆、慌ただしいし。」

レイラが言う。

「エリカさんが確認に行っているからその内報告あるかな?」

アルマが言う。

「えーっと・・・報告する書類の用意はっと・・・」

ウィリアムは書類整理している。

と扉がノックされ、アルマが許可を出すとエリカが入ってくる。

「戻りました。」

「「おかえり~。」」

エリカをアルマとレイラが出迎える。

「陛下が着きました。

 オルコット宰相殿に言われましたが、3時間後に挨拶に向かって欲しいという事です。」

「ふむ・・・なら、昼過ぎにしようか。

 メイド達に言ってオルコット宰相に伝えて貰おう。」

「うん、そうだね。」

「長話になりそうだしね。」

アルマとレイラがウィリアムの言葉に頷く。

「それと総監部より小耳の報告ですが、足りない分の小麦については用意が出来たとの事です。

 スミス殿への報告は引き渡し時にするか、今するかは現在協議中との事です。

 もしかしたら陛下に相談に上がるかもしれないという状況です。」

エリカが言う。

「・・・そんな事でお義父さまに相談してどうするのよ?

 パットが覚悟を決めて決断して、あとは第1皇子一家内で報告と打ち合わせをすれば終わり・・・だと思うんだけど?」

レイラが首を傾げる。

「私もそう思います。

 まぁその辺は総監部が上手く誘導すると思います。

 ワザと陛下に相談をさせるのかもしれません。」

「うーん・・・パットに苦々しい経験をさせるという事ね。

 となると、スミスにも説明に行かせるかもしれないわね。」

レイラが言う。

「はい、ジーナ殿がどう出るか・・・でしょうか。」

エリカが言う。

「ジーナちゃん、タケオさんがされた事知っているんだよね?

 意趣返ししないかな?」

「流石にタケオさんとスミスの面子を潰すような事はジーナはしないんじゃない?」

レイラの考えにアルマが言う。

「そうだね・・・ジーナなら嫌味をちょっと言うくらいで納めるかもね。

 それよりも明日にスミスに報告をされるとこっちも少し困るかな。

 明日はエイミーの番だからね。」

「あぁー多い方かぁ。

 えーっと・・・こっちの準備は出来ているよね?

 エリカさんにもお願いして直近の販売価格は確認しているし・・・うん、大丈夫。

 ・・・エイミーちゃん、こっちに相談に来るかな?」

レイラが書類を確認しながら言う。

「エイミーならその場で対応しそうだよね。

 ジーナは新たな発注書の作成に忙しいだろうし、スミスもその確認だろうね。

 2人とも事後の報告はしてきそうかな?」

アルマが言う。

「まぁ、エイミーがさっさと終わらせてくれるのなら、それはそれで良い事かな。

 エイミーとスミスの心配は少ないから、問題はパットの方だね。

 どういう動きをするのかによってスミスの動きが制限されてしまうからね。

 受け入れ時の確認をするスミスとジーナは大変な1日になりそうだね。」

「「そうだね」」

「そうですね。」

ウィリアムの言葉に3人が頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 鐘1つ分 そういえばまだ時計が広まりきってないんでしたね……こういう時は不便かな? いやこれで成り立ってるしなぁ
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