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第2164話 マイヤーと軽く打ち合わせ。(今日も会議ですって。)

研究所の3階 所長室。

武雄はベッドフォードの所を後にして研究所に戻って来ていた。

「・・・いや、なんでこんなに決裁書類があるの?」

武雄が机の上の書類の量を見て嘆く。

「マイヤーさん決裁で良いやつもあるんじゃないのかなぁ?」

「そこにあるのは所長がする決裁書類ですよ。

 私の所にも私で決裁が出来る書類が来ています。

 それにキタミザト家のもあるのでしょう?」

マイヤーが所長室の扉の所から言ってくる。

「まぁ・・・そうなのですけどね。

 で、マイヤーさん、どうかしましたか?」

「いえ、慣例の戦争での初期配置についてなのですが、今日の午後に会議をしたいのです。」

「え?もう試験小隊まで回覧が終わったのですか?

 早すぎる気がしますが。」

武雄が考えながら言う。

「所長の後は試験小隊ですからね。

 まだ戻って来てはいませんが、午前の訓練が終わり次第、戻ってくるでしょう。

 それを基に会議をするのですが、所長は何か書き加えましたか?」

「ええ、マイヤーさんと鈴音が追加した案を基軸とするのが良いと思います。」

「そうですか。

 で?」

「コンテナの上に櫓を建てようかと先程、ローチ工房に相談に行ったら却下されました。

 次点案でコンテナの上にテントを建てて屋根の上から監視と小銃と小銃改が撃てるようにします。」

「ふむ・・・コンテナの上にテントですか。

 スコープもありますからね。

 遠くから異変が無いかを確認しつつ、あるとわかってから少し近づいての確認でも良いかもしれませんね。」

マイヤーが考えながら言う。

「個人的にはコンテナの上に櫓が建てられないので、地面をかさ上げしようかと思います。」

「馬車の下にですね?

 馬車を高くするのは構いませんが、限度はあると思いますが?」

「20cmから50cmで構いません、少しでもエルヴィス家の兵士達よりも高く出来るならと考えているだけですからね。

 方法としてはアニータとミルコが試験小隊の訓練場の小道を整備した際に森の境界にストーンを置いて貰いましたが、ああいうので私達の宿営地の周りを囲み、中に石を撒いて敷き詰めたいと考えています。

 利点は監視と砲撃をする際の視界の確保だけではありません。

 1か月に及ぶ作戦なので天候不順になるかもしれません。

 その場合、他の所より高く位置していれば水はけが良いと考えられます。

 さらに石であれば誰かが入って来た際に音が必ずしますから防犯上も役に立ちます。」

「ふむ・・・石を最低20cm敷き、上に馬車と我々のテントをですね。

 確かに水はけが良いというのは利点ですね。

 防犯上というのは認識していませんでしたが・・・確かに砂利道では音がしますね。」

「誰かが歩いているのはわかるでしょうね。

 あまりに煩いのなら少々土をかけて音を小さくさせれば良いだけですから、手間的には変わらないでしょう。」

武雄が言う。

「わかりました。

 では、今日の会議はその方向性でいきましょうかね。

 他に何か思いつきましたか?」

「・・・コンテナの私の部屋と各テントの配置、キッチンカーの置き場ですね。

 グルっと円になるようにした方が良いかもと。

 あと、トイレどうするのでしょうかね?

 うちにはスライムが居ますから皆さんが気にしなければ清潔さは出せますよ?

 一応、エルヴィス家には伝えていますから聞いてきてください。」

「・・・わかりました。

 会議までにトイレの事は確認しておきます。」

「ええ、お願いします。

 試験小隊は午前は訓練場でしたよね、午後はこっちで事務仕事と会議ですね。

 マイヤーさんは午後は庁舎に確認をしに行くのと会議と。」

「はい、所長はどうしますか?」

「昼食まではここで、午後は訓練場でリツとビエラとクゥで引っ越しについての打ち合わせですね。

 あ、兵士長に言ってなかったですね。

 行きがけに寄って伝えてきます。」

「あのレッドドラゴンを呼ぶんですね。」

「本人が引っ越ししたがっているし、ドラゴンロードからは引っ越し費用貰っていますからね。

 アズパール王国(うち)の陛下と宰相からも引き取ってくれと言われています。

 どちらにしても引っ越しは確定事項なんですよ。

 その前段階の打ち合わせです。

 用地がエルヴィス家より提示されましてね。」

「・・・なんとなくですが・・・訓練場の横ですか?」

「あら?わかります?」

武雄がにこやかに言う。

「南は街道沿いですからね。

 それでいてビエラ殿とクゥ殿が頻繁に行ける所で、容易に人が入り込まず、

 尚且つ監視が効く場所・・・適しているのは私達の横でしょう。

 何事もなければ私達が居ますし、時雨殿達スライムが常時監視しており、何かあればエルヴィス家とキタミザト家にすぐに連絡が入れられます。

 それにエルダームーンスライムを隠す事と保護する事にも繋がりますからね。

 ちょうど良い守護獣・・・守護ドラゴンでしょう。」

「ま、それと使える費用が判明してからですが、リツの家を公募で作るつもりです。

 ついでに時雨達が滞在でき、荷物が置けるように出来たら良いんですけどね。」

「はぁ・・・ドラゴンの棲みかではなく、家を用意するんですか・・・」

「うん、人間の家とは違うでしょうけどね。

 風雨に晒されるなんて可哀想でしょう?

 最低限、屋根、壁を作ってあげないとね。」

「・・・それと公募と聞こえたんですけど?」

「ええ、専門家に頼もうと思いましてね。」

「うん?そんな専門家は居ません。

 誰もドラゴンの家なんて作った事ないですよ。」

「なら、初めての事になるなら奇抜なのが出来そうですね。

 それはそれで面白いでしょうね。

 楽しみだなぁ。」

「まぁ・・・所長と伯爵様、ビエラ殿が決めるのでしょうからね。

 楽しんでくれれば良いです。」

マイヤーが呆れるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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