第2163話 久々に小銃の訓練中。(新人は今日は見学です。)
試験小隊の訓練場。
「あ~♪楽ちぃ♪」
「・・・ビエラ、撃つのが楽しいのはわかりますけど・・・200mで外しまくってますよ?」
小銃を撃って楽しんでいるビエラの横でミアが立って顔の前に置かれたスコープを覗きながら言う。
「え?・・・あ~・・・ミア!どっち?」
「右に的半分弱ですかね。」
「右・・・右・・・」
ビエラが調整を始める。
「ビエラ、あと2発。」
「はい!」
夕霧の言葉にビエラが答える。
他の面々も射撃と補助の役割をしつつ撃っていた。
・・
・
今、アンダーセンが全体の号令をしているのだが、その横でアニータとミルコ、ケイとパメラが見学している。
今日は夕方に武雄から小銃を授与する予定なのだ。
今は小銃の訓練を見学していた。
「・・・」
アンダーセンは周りも気にしながら訓練を見ている。
と撃っている全員が終わったようだ。
「・・・旗替え!」
「「旗替え!終了!」」
補助をしている者が答える。
「隊長、交代でーす。」
「はい、了解。
では、補助に行ってこよう。」
「はい。」
ブルックが自身の小銃を木枠に立てかけて言う。
アンダーセンが補助の位置に来るとベイノンがやって来て自身の小銃を持って行く。
「・・・準備は良さそうかな。」
ブルックが射撃体勢を取る2人の準備を見ている。
「・・・よし、旗替え!」
ブルックが射撃体勢を取った事を確認し、号令をかける。
「「旗替え!」」
補助をする者が旗を変えている。
「「赤旗確認!射撃手体勢よし!周囲問題なし!・・・準備良し!」」
補助する者が片手を挙げる。
「射撃手、弾数10発、距離200m、適宜撃て!」
ブルックが指揮をすると撃つ準備した者が「装填!」と言いながら射撃訓練を開始する。
「あの・・・ブルックさん。」
アニータが聞いてくる。
「ん?どうしたの?」
「・・・私達もその掛け声するのですか?」
「うん、するよ。
持ち回りでやって貰わないといけないなぁ。
最初は難しいかもしれないけど、回数を重ねれば問題なく出来るようになると思うよ?」
「そうなんですかね・・・
ケイとパメラは?」
「ん~・・・何とかする。」
「なるようにしかならないよ。」
ケイとパメラが諦めながら言う。
「ミルコはどう?」
ブルックがミルコに言う。
「僕はどちらかというと撃つ方が大変そうだなぁと。」
「そっちこそ慣れかなぁ。
夕方に所長から貰ったら明日は講義で、明後日から実際に撃ってみる事になるだろうけどね。
ミルコは号令の方は大丈夫そうなの?」
「・・・やってみないとわからないと思います。」
「うん、そうだね。
それに全てが初めてだからね、失敗もするだろうけど、いろんな経験をして欲しいわ。
私達だって初めてだから探り探りだからね。」
ブルックが言う。
「あの~・・・ちなみに各的の距離は教えて貰ったのですけど。
各的の当たる率はどのくらいが目標なんですか?」
パメラが聞いてくる。
「そこかぁ・・・意見が分かれているんだよね。
ファイアだと魔法師専門学院では200mの静止目標で70%ぐらいを目標にしてたでしょう?」
「はい、ですが、戦争中では20%程度で当たるだろうと教わりました。」
「相手は動いているしね。
まぁ、経験を積めば40%ぐらいまでは当たるんじゃないかな?
もちろん近くなればもっと当たるようになるけどね。」
「ちなみに王都守備隊はどのくらいですか?」
パメラが聞く。
「・・・200mの静止目標なら93%以上の確率で的に当てるように言われているね。
私なんかはギリギリ達成出来ていた感じかな?
アンダーセン隊長やマイヤー殿といった隊長クラスは99%は当てるからなぁ。」
「90以上・・・」
パメラが驚く。
「ブルック殿、ちなみになんですが、相手が動いている時に当てる確率はどのくらいですか?」
ケイが聞いてくる。
「相手にもよるけど・・・80%以上は当てろと厳命されていたかな?
相手の動きを予測して撃つことが求められていたし、訓練してたからね。
ケードとコーエンは魔法師専門学院ではどのくらいだった?
確か授業で横に動く的に向かって撃っていたよね?」
「はい、私は35%です。」
「私は42%です。」
ケイとパメラが答える。
「ふむ・・・中々な数字だね。
アニータとミルコはした事ないか。」
「「はい。」」
アニータとミルコが返事をする。
「ん~・・・小銃訓練も大事だけど、実戦形式の魔法戦闘を経験させないといけないか。
アンダーセン隊長と相談かな。」
ブルックが考えながら言う。
と「射撃終了!」と補助の者が手を挙げて言っている。
「旗替え!」
「「旗替え!終了!」」
補助をする者が返事をする。
「射撃3回終了!総員的替え!用意!
小銃内弾丸がない事確認実施!」
「「「「了解!」」」」
撃っていた者も補助をしていた者も立ち上がり、その場にある小銃に弾丸が装填されていない事を確認し始める。
「さてと、各的の状態を見に行くからね。
4人共移動準備して。」
「「「「はい。」」」」
ブルックの言葉に4人が返事をする。
「ブルック、お疲れ様。
交代です。」
アーリスがやってくる。
「はい、お願いします。
私は的替えを子供達に見せてきます。」
ブルックが立っていた位置をアーリスに譲る。
「了解。
・・・良し!小銃内弾丸確認報告!」
アーリスが号令をする。
「小銃内になし!」
「同じくなし!」
「同じくなし!」
皆が順々に手を挙げて報告するのだった。
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