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第2162話 ソースとマヨネーズの話。(トリカツがジワジワ浸透中。)

文官と別れた武雄がベッドフォードの青果店に入っていく。


「ただいま戻りました。」

「はい、おかえりなさい、キタミザト様。

 奥にお菓子は置いてありますよ。」

「はーい。」

武雄が店の奥に向かう。

「いらっしゃい、キタミザト様。」

ベッドフォードがお茶をしていた。

武雄1人なので砕けた口調になってしまっていた。

「お邪魔します。

 甘い物食べたかったんですよ。」

武雄も気にせずに座り、机の上にあるお菓子に手を伸ばす。

「通りの先で話していたみたいだな。」

「まぁ・・・たまにはそんな日もありますよ。

 あ、お茶、頂きますね。」

武雄がお茶を淹れ始める。

「ご自由にどうぞ。」

「ふぅ・・・ウスターソースの売れ行きはどうです?」

「おかげさまで毎日完売、順調すぎるくらいだよ。」

「ありがたいですね。」

「だな。」

「マヨネーズはどうですか?」

「あ~・・・毎日30個な。

 大丈夫、出来ている。

 守秘義務もばっちりだ。

 ただ・・・味がな・・・」

「美味しいでしょ?」

「ああ、凄く美味い。

 あれは使用するレモンによって結構味にバラツキが出るな。

 一応、マヨネーズを作る前に使うレモンの味を確かめて統一するようにはしたんだが・・・

 日によって味が若干変わっている感じがするんだよ。」

「味覚は体調によって変わりますからね。

 多少は致し方ないですよね。

 そんな事を言ったらウスターソースだって樽毎に味が違うと思いますけどね。」

「まぁ、そうだな。

 ウスターソースも中濃ソースもマヨネーズも出来るだけ毎回同じ味になるように努力するよ。」

「ええ、それでお願いします。」

武雄が頷く。

「・・・ちなみにキタミザト様、次に作るソースの予定はあるのでしょうかね?」

「私は大将にウスターソースと中濃ソースしか頼んでいませんがね。

 マヨネーズはエルヴィス家でしょう?」

「・・・エルヴィス家からキタミザト様が発案されたと言われたんだが・・・」

「まぁ・・・ありません。

 大将にはウスターソースと中濃ソースの品質の確保と早期増産をお願いしたいだけです。

 他の事は頼む気になりませんよ。」

「それにマヨネーズか。

 とりあえず、その3つの品質の維持と増産をして行けば良いんだな?」

「ええ、マヨネーズが領外向けになるかはエルヴィス家で考えるでしょう。

 ウスターソースの領外向けの生産ですね。

 中濃ソースは魔王国には知られましたからあっちには出さないといけないですが、その他の3領地にはウスターソースを入れないといけませんね。」

「3領地?」

「レイラさんの所ですよ。」

「あー・・・ん~・・・更なる工場拡大になりそうだな・・・」

「そんな話が?」

「ああ、一応、領内分の目途はたったからな。

 一応、来年の今頃には工場の毎日の生産能力が17樽になる予定だ。

 西町の原材料も確保が出来る見込みとの報告を受けたよ。

 次の領外分の話を今している。

 もしかしたら更なる拡大になるかもとな。」

「それは・・・まぁ私が何か言う事ではありませんね。

 品質だけは絶対ですとだけ言っておきます、あとは無理の無い範囲内で出来る事をしてください。

 それにしても前に担当の人と話していた時は工場の生産能力が10樽と言っていましたけど、随分と上がりましたね。

 頼もしい限りですね。」

「ああ・・・実はサテラ製作所とハワース商会が協力してくれているんだよ。」

「キャロルさんとモニカさんの所ですか?」

「ああ、仕込んだ後の樽は相当の重量があってな、移動させるのに大変だったんだが、サテラ製作所で樽を保管する所の敷き棚の高さに合わせて小さな荷台を作ってくれて、移動させるのが楽になったんだ。

 それに仕込む際の作業台はハワース商会が協力して作業員達の意見を聞いて作ってくれている。

 今も定期的に来て皆から意見を聞いて、作業し易いように改良をしてくれているよ。」

「へぇ、良い効果ですね。

 お金は大丈夫ですか?」

「まぁ・・・大儲けは出来てないが、なんとか。

 一段落したら皆に良いワインを買って渡そうかと思ってな。

 給料的にはまだ増額は出来ないからなぁ。」

「それは良いですね。」

武雄が頷く。

「あ、それと前のトリカツの時の反響が来ているな。」

「ん?どこら辺からですか?」

「肉屋とパン屋からだ。

 パン屋の方はパン粉の売り上げが良くて前日の余ったパンの廃棄個数が下がったと喜んでいたよ。

 肉屋は定期的にパン粉付きの鶏肉の売り上げが良いというのと実は出来上がっている方の要望が少なからずあるそうだ。」

「定着してくれているのなら良いですが・・・肉屋のトリカツかぁ、美味しそうですね。」

「ん~・・・だが、それだけの為に油で揚げるのもと言っていてな。

 出来ればどこかの飲食店に依頼したいんだが、どの店が良いか聞いてくれと言われた。」

「その辺はご自由に決めて良いですよ。

 肉屋さんで作ったパン粉付きを購入してくれて、ベッドフォードさんのウスターソースを使ってくれるならね。」

「・・・ふーん・・・なら、こっちで決めるわ。」

「ええ、お願いします。

 ちなみにどこですか?」

「いつもいく飲み屋だな。

 あそこなら俺らの誰かが居るし、ウスターソースも扱っている。

 それに中濃ソースの試験販売もしてくれた。

 そこなら持ち帰り用で作ってくれるだろう。」

「ふーん・・・鈴音に言っておきますかね。」

「ん?何かあるのか?」

「ステノ技研の食事はサリタさんが作っていますからね。

 購入するかもしれないので、鈴音に言って伝えて貰おうかと。」

「なるほど・・・うん、そういう事ならうちの従業員達にも言ってみるか。」

「ええ、そういう情報は伝えるだけ伝えておけば後は勝手にやってくれるでしょうからね。」

武雄とベッドフォードがお茶を飲みながら話し合うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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