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第2158話 王城で何が始まるのかな?(例の訓練が始まる。)

王城の受付。

「はい、こちらがお預かりしていた、小太刀になります。」

「はい、ありがとうございます。」

ジーナが小太刀を受け取り、腰に装備する。

「・・・先ほどより受付に居る方が増えましたか?」

「ええ、今日はゴタゴタしますので。」

「・・・そういう予定なのですね?」

「はい、そういう予定です。」

「わかりました。

 では、また参ります。」

ジーナが会釈をして王城を出て行く。

・・

「ん~・・・ゴタゴタかぁ・・・」

ジーナが考えながら王城の城門に向かって歩いている。

「なんだろうね?」

チビパラスがジーナの肩に乗りながら聞いてくる。

「あの言い方だと警備局で周知されていますよね。

 事前に何かが起きるとわかっていて・・・その用意がされている。

 不思議ですね。」

「そうだねぇ、問題が発生する前に潰すのが大人の役目なのに、問題が発生する事が決まっているなんてね。

 何かの試験みたいだね。」

「試験・・・ん~・・・明後日には第1皇子一家と第2皇子一家から穀物が届くのですよね・・・」

「あ、それ関係かな?」

「陛下から言われていたパット殿下への試練ですか・・・2日前・・・絶妙ですね。」

「確か、足らなくなるんだっけ?」

「総監局が何通りも想定して待っているでしょうが・・・報告にくる輸送の兵士は大変そうです。」

「謂れの無い事で叱られるんだものね~・・・頑張れとしか言えないかな?」

「今日は街中にはあまり近づかない方が良いかもしれませんね。」

「そうだねぇ。

 特に穀物問屋にはね。」

「ならば・・・早々に王立学院で籠るとしましょう。

 その前にエルヴィス家宛に報告書とエリカ様の手紙を飛ばさないといけませんね。

 パラス、一度部屋に戻ってから王立学院に行きます。」

「はーい。

 マリに寄宿舎に一旦戻ってから王立学院に向かうと連絡入れておくね。」

「お願いします。」

ジーナが足早に王城を去るのだった。

・・

王城のパットの部屋。

「なん・・・だと!?500kgが!?」

部屋に入って来た兵士の報告を聞いたパットが凄い形相をさせながら呟く。

「はい。

 ですが、現在、輸送本隊の行程に変更はありません。」

「んんんっ!!・・・・そうですか・・・他の幌馬車は大丈夫なんですね?」

「はい!即時、全車の総点検を実施し、故障は発見しておりません。」

「500kgで・・・少数の被害で済んだと考えるべき・・・なのでしょうね・・・」

パットが苦虫を嚙み潰したような顔つきで言葉を絞り出す。

「申し訳ございません、殿下。」

兵士が深々と頭を下げる。

「お前を叱っても意味はないです・・・もう既に500kgの小麦はないのだから・・・

 ですが!意味はないですが!これは王家の輸送なんだ!

 なんでこんなことに・・・」

パットが机を叩く。

「・・・」

兵士が頭を下げ続けている。

「・・・まずはエルヴィス家の・・・いや、総監局に相談が先なのでしょう。

 はぁ・・・報告ご苦労でした。

 王城の食堂で何か食べて輸送隊に合流、復帰してください。

 500kgの小麦の件はこちらで話し合って対応を検討します。」

「はっ!

 失礼します。」

報告に来た兵士が退出する。

「・・・くそっ!なんで!」

誰も居なくなってからもう1度パットが机を叩く。

「・・・総監局に相談に行かないと。」

パットが部屋を出るのだった。

・・

第3皇子一家の執務室。

「・・・始まったねぇ。」

アルマが温かい麦茶を飲みながら言う。

「そうですねぇ。」

レイラがお菓子を食べながら言う。

「・・・はてさて、どうなっているんだろうね?

 第3皇子一家(うち)からはエリカさんが呼ばれたけど。」

ウィリアムもお茶を飲みながら言う。

「エリカさんの事だからスミスの方に不利になる事は受け入れないだろうね。」

「される謂れもないからね。

 第3皇子一家(うち)がエイミーとスミスを見ているんだから、エリカさんが引く事はないよね。」

レイラとアルマが言ってくる。

と扉がノックされ、返事をするとエリカが入ってくる。

「殿下方、戻りました。」

「「「おかえり~。」」」

3人がエリカを出迎える。

「どうだった?」

「はい、こちらに何か言われる事はありませんでした。

 あくまで第1皇子一家側の輸送時に事故があり、500kgの小麦が現在、足らないが間に合わせるという説明を受けたのみです。」

「そっか。

 それでパットはどう対応するの?」

レイラが聞いてくる。

「第1皇子一家の方にパット殿下から報告は上げるとの事です。

 それと発注者であるパット殿下の判断にて、足らない分の小麦を王都内で用意し、今回の輸送の利益分から補填するという事になりました。

 納期は明後日であり、まだ間に合うと皆が認識して打ち合わせは終わりました。」

「無難な対応ね。」

アルマが言う。

「はい、まぁパット殿下は厳しい顔をされておりましたが。」

「そう・・・総監局でしっかりと打ち合わせをして臨んだんでしょうね。

 エイミーとスミスには?」

「現状、まだそこまで行っていません。

 まずは王都で500kgの小麦の確保をする事に全力を尽くすと言われています。

 確保の目途が立ち次第、何かしら行動があると思います。」

エリカが言う。

「そっか・・・総監局としては、最低でもパットにスミス宛の報告をさせないといけないでしょうけどね。」

「はい、たぶん、文書での報告になると思います。

 今頃、素案を書いていると思います。」

「そう・・・あと2日か・・・大変そうね。」

アルマが言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 王都内で500kgの小麦の確保ができない状況はほぼ無さそうだけど、用意できなかった場合のパットの対応がやはり気になりますな。 エイミーやスミスもこの状況にどう対応するかだなぁ。 実際に物が…
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