第2153話 ドレッシングと子供達の雑談。(ドレッシングとソースの種類を増やそう。)
武雄達が夕食中のエルヴィス家の厨房。
「・・・このシーザードレッシング・・・良いなぁ。」
料理長が呟く。
「酸味が効いていますが、サラダに合いますね。
お肉にはあまり合いませんでしたが。」
「葉物からトマトまでどれにも合うドレッシングは貴重ですね。」
「それとキタミザト様に提案して頂きました摺りおろしタマネギとニンニク、ウスターソースとレモン汁というのはダメでしたね。」
「まぁ、最悪はマヨネーズで代替が聞くから良いんですけど。」
料理人達がサラダを食べながら言う。
「うむ・・・本来は醤油というこれから作り出そうとするソースを使うと言っていたが、試しにウスターソースに変えて作ってみたいと言ったから作ってみたのは良いが・・・
ウスターソースの味が強すぎたな。」
「はい、濃かったですね。」
「レモンを入れたので酸味が強く感じるだろう思っていましたが・・・ウスターソースが勝ちましたね。」
料理長が言うと料理人達が頷く。
「それにしても・・・マヨネーズに牛乳を入れるというのは・・・考え付かなかったな。
まぁマヨネーズが想像以上の組み合わせで考え付かないんだが・・・」
「キタミザト様が来てから自分の常識に凝り固まった思考を思い知ります。」
「たぶんこの場にいる全員がそう思っている。
油と水だぞ?・・・なーんでこんなに美味しくなるんだ。」
「作り方も教えて頂きましたが、不思議ですね。」
「料理長、ドレッシングはアリス様の懐妊で油を極力控える方針なのですよね?」
「ああ、歴代の妊娠中のドレッシングはあっさりが多い。
レモンを多用している。
今現在、アリス様は油で吐き気を催してはいないからな。
まだ油のドレッシングは出せるだろう。
だが、いつ、つわりが始まるかもしれない。
その際に食べれなくなる可能性が高いのが油だ。
コノハ殿、パナ殿の話では必ずしも油でつわりが酷くなるという事でもないらしい。
どの食材で吐き気が出てしまうかは個人差という事なのだがな。
その時の為に1つでも多くドレッシングとソースを作り出さないとな。」
料理長が言う。
「そう言われても・・・ウスターソースとマヨネーズの万能性が凄すぎて・・・」
「そこを何とかするのが、俺らだろう。
全く思い付かないが。」
「ウスターソースは油が入ってないのでそのままで問題はないかと。
肉は赤、白ワインや出汁を使って味を付けていくしかないでしょう。
今日頂いたコショウも叩き潰した後にさらに細かく刻んで入れたら味も風味も良かったですから多用出来ます。
あとはマヨネーズに依らないドレッシングですね。」
料理人達が言う。
「はぁ・・・難しいな。」
料理長が呟くと料理人達が頷くのだった。
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湯浴みを終えたルフィナ、セレーネ、ルアーナが同じく湯浴みを終えたヴィートの部屋に来て自由時間を楽しんでいた。
「「「え?」」」
「え?」
そんな中、ルフィナの今日の報告でセレーネ達が驚き顔をルフィナに向け、ルフィナはルフィナで3人に不思議そうな顔を向けていた。
「ルフィナ・・・どんな奴隷観を持っているの?」
セレーネが言う。
「え?だって・・・過酷な労働と1日1食で具が少なくて味がないスープ、水浴みなんて1週間に1回、『ぐへへ』って言ってる太っている男が主人で難癖をつけて鞭でビシバシッと。」
ルフィナが人差し指を立てながら言う。
「・・・ルフィナ・・・それなんて本?」
「なんだったかなぁ・・・じゃあ、セレーネはどう思っているの?」
「それは・・・その・・・私達をイヤらしい目で見る的な?」
セレーネが目線を少し下げながらバツが悪そうな顔をさせて言う。
「セレーネ、それわからない。
普通に幼児愛好者って言いなよ。」
ルアーナが言う。
「それも一部だけど、それが全てじゃないだろう。」
ヴィートが呆れながら言う。
「じゃあ、ヴィートはどう思うの?」
「低賃金の過酷労働。」
「「「簡単!」」」
3人が言う。
「まぁ・・・ルフィナの妄想が激しいのはわかったね。
それなら今の境遇は信じられないよね。」
「うん・・・あの馬車で目を覚ました時に絶望と覚悟はしたからね。
それは皆もでしょう?」
「まぁね~。
機嫌を損ねないようにしないと殺されちゃうと思っていたから周りを気にしてたよ。
ルアーナは?」
「セレーネとどうやって生きれるかを考えていたよ。
親とかの事は諦めたし・・・一度、諦めるとあまり執着がなくなったかなぁ。
親の事より、今を精一杯に生きると考えたら気持ちが楽になったね。
キタミザト様や皆さまは良い方だし。」
「「うんうん。」」
ルフィナとセレーネがルアーナの言葉に頷く。
「皆、あの馬車の中で各々覚悟を決めていたんだな。
今は、キタミザト家とゴドウィン家に雇って貰えた事に感謝して恩を返さないとなぁ。
もしあの時出会えなかったら今頃ルフィナの妄想と同じ事をされていた可能性もあった訳だし。」
「「「そうだねぇ。」」」
ヴィートの言葉に3人が頷く。
「まぁ・・・恩を返す前にまずは早く一人前にならないとね。
ルフィナ以外、座学の試験が芳しくなかったしね・・・
はぁ・・・明日、掃除の実技の試験だっけ?」
「明日は壺の掃除の仕方だったよね?
私はセレーネが心配。」
「私自身そう思っているよ~。」
セレーネが難しい顔をさせながら言う。
「はぁ・・・明日も大変そうだ。
もう寝よう。」
「「「そうだねぇ。」」」
子供達は子供達で考えて働いているのだった。
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