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第2150話 ベルテ一家と打ち合わせ。3(土蔵と味噌。)

ベルテ一家の屋敷外。


「出来てきましたね。」

武雄が土蔵の骨組みを見ながら言う。

「はい、ここに土壁をという事で近日中には完成の予定です。」

ドナートが言う。

「この中でタケオ様達が食べたい食材を作るのですね?」

アリスが言う。

「そうよ~。

 うーちゃんとだーちゃんが居れば問題ないわよ。

 あ、タケオ、仕込み用の桶とか頼みたいんだけど・・・良い?

 まだ、試験用だから小さくて良いんだけど。」

「頼んで良いですよ。

 桶屋はありますかね?」

「んー・・・ワイン樽あるじゃない?

 あれの半分切ったのを頼もうかと思うのよ。」

「となると・・・樽ならベッドフォードさんの所でウスターソースで空のを頼んでいますからそこから業者と連絡を取ってください。」

「わかったぁ、アリスやるよ。」

「はいはい、散歩がてらベッドフォードさんの所ですね。

 なら近日中に行きましょう。」

アリスが頷く。

「良し、大豆は問題ない、麹もある、米もある。

 あ、うーちゃん、ステノ技研に精米用の木臼頼んだ?」

「頼んだよ~。

 今の玄米精製機で玄米にして、そこからさらに削るようにね。

 手回しでお願いしたし、隙間を今よりもあと2mmは狭くさせるって。」

ウカが言う。

「良し、なら何とかなりそうだね。

 大豆踏むのは・・・ニオに了承して貰った?」

再びチビコノハがウカに聞く。

「味噌1瓶で了承されたよ。

 だから、コノちゃん、試験とはいえ1瓶多く作って。」

「・・・ん~・・・2個ずつだったけど、3個ずつにしようかな?

 ベルテ一家とエルヴィス伯爵邸とステノ技研で3等分で。」

「「それが良いかもね。」」

ウカとダキニがコノハの言い分に賛同する。

「なら大豆は70kgは用意するか。」

チビコノハが言う。

「前に仁王様が言っていた、塩を盛ると上辺を廃棄するというのですね?」

武雄が聞いてくる。

「うん、塩を上に盛る方法は伝統的ではあるんだけどね。

 どうしてもカビにやられちゃうのよ。

 廃棄は1割・・・2割かなぁ。

 これはしょうがないわ。

 だから、10L作るという事は瓶には割ましで入れておくという事よ。

 瓶もそのぐらいのを用意するしね。」

「まぁ・・・出来る事が最優先ですからね。

 廃棄が出るのは致し方ないでしょう。」

「うん、そうね。

 あとは・・・溜まり醤油か・・・うーちゃん、どのくらい出来ると思う?」

チビコノハがウカに聞く。

「んー・・・初めてだし、50ml取れれば良い方じゃない?

 下手したら10mlも取れないかもしれないし。

 瓶の底に穴でも開けて抜けるようにする?」

「そういう特殊な瓶は高そうだよね。

 今回は試験だからそこまで出来ないよね。

 タケオ、醤油は出来るかもしれないけど、ちょっと量は少ないかもよ?」

「致し方ありません。

 最初は私と鈴音が数回食べれれば良いで・・・すみません、アリスの目が怖いのでエルヴィス家で2回くらい食べれる量にしていただければと思います。」

「タケオ様、私は何も言っていませんよ?」

「はぁ・・・目が物を言っていましたよ。

 アリス、食べたいでしょう?」

「それはもう。

 タケオ様やコノハが熱望する調味料は食べてみたいです。」

「あ、コノハ、パナ、妊婦に味噌と醤油は大丈夫ですか?」

「問題ないわよ。」

「タケオ、大丈夫です。

 それに農薬も使用していないのですから玄米も食べて平気です。

 農薬を使いだしたら白米の方が良いでしょう。」

コノハとパナが言う。

「なら、大丈夫ですね。

 味噌が出来たらまずは味噌汁か。」

「「豆腐とネギの味噌汁~。」」

ウカとダキニが言ってくる。

「堅魚節か小魚の干物で出汁を取ってからですかね。

 あ、豆腐があるなら油あげも刻んで入れますか。」

「「わーい♪」」

ウカとダキニが喜ぶ。

「白胡と黒胡は何か食べますか?

 作れる物は出しますよ?」

武雄が2体に聞く。

「「・・・」」

白胡と黒胡が互いに見合い。

「アー!」

白胡が鳴く。

「タケオ、鶏肉の竜田揚げだって。」

ウカが言ってくる。

「竜田揚げ?・・・・まぁ努力しましょう。

 最低でも鶏肉揚げ物料理は出します。」

「「アアー♪」」

白胡と黒胡が鳴く。

そしてアスセナの下に行ってしまう。

「「クゥ~ン♪」」

「あら?良かったですね。」

アスセナが2体を撫でている。

「・・・私の黒胡が・・・」

ダキニがその光景をジト目で見ている。

「・・・神獣を手なずけるって凄いわね。

 さてと、タケオ、たぶんタケオが王都に行っている間に土蔵が完成してしまうからさっさと味噌の試験仕込みをしちゃおうと思っているから。」

チビコノハが武雄に言う。

「良いですよ。

 初めてなんです、失敗しても問題ないですしね。

 とりあえず作ってみる事が大事ですからね。

 出来れば上手く行って欲しいですが。」

「私も上手く行って欲しいけどね・・・まずは麹が上手く出来るかかなぁ。

 あ、大鍋を用意しなきゃだ。

 アリス、金物屋さんとか大きい鍋が売ってる所行きたい。」

「ベッドフォードさんの所に行った帰りに鍋を買ってきましょうか。

 その調味料を作るのに必要な物は早々に用意しましょう。」

アリスが言う。

「うん、そうだね。

 うーちゃん、だーちゃん、薪とか樽の洗浄とか土蔵内の汚しと清掃をお願いして良い?」

「うん、大丈夫、やっておくよ。

 あ、そうか、米麹を作る大きな机が必要だね。

 あと、米を蒸かす物も欲しいね。」

「米麹を保温するのに安い毛布が欲しいね。

 それと火鉢のように木炭で室内を温かくする手段を準備しないと。

 寝ずの番だろうから段取りも考えないとね。」

コノハ、ウカ、ダキニが味噌作りの話を進めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 麹菌がいるなら納豆菌もいそうだな。 発酵食品の大魔王納豆菌 あいつらは、麦藁にも居るんで注意 伝統的味噌と言ってるけど、無理じゃない? 何十年、何百年と味噌を作ってきた味噌蔵には 発酵を助…
[一言] 廃棄ってどうするんだろ?下手に捨てると塩害とかありそうだし……岩塩かわりに馬とかが食べないかな? いやカビてるんだったか……うーむ
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