第2148話 ベルテ一家と打ち合わせ。1(首輪のあるなしなんて今更ですよ。)
武雄達がベルテ一家に着いたのだが。
「「タケオ!アリス!おめでとう!」」
ウカとダキニが小学生の誕生日会さながらの飾りつけを室内にしていて出迎えてくれていた。
「あはは、ありがとう。」
「はい、ありがとうございます。」
武雄は笑いながらアリスは少し恐縮しながら挨拶をする。
「さ、アリス、タケオ、まずはお茶にしましょう。
ヴィクターとアスセナも玄関の横に苗は置いて、上がって!
まずはお茶をしなきゃ!
用意は出来ているし!」
ダキニが言う。
「子供メイドちゃんも来たのね。
さ、上がって!
ドナート達も待っているから!」
ウカがルフィナも上がるように言う。
「はは、なら、まずはお茶ですね。
皆、のんびりしましょうか。」
「こっちだよ。」
ダキニが先導して武雄達を室内に連れて行くのだった。
・・
・
「パナちゃん、タンポポ茶は妊婦に良いんだよね?」
ウカがチビパナに言う。
「ええ、母乳が良く出ると言われていますね。
科学的な検証はなされていませんが。」
「ほうほう、母乳が・・・なるほど。」
アリスがメモを取っている。
「飲みすぎると尿がねぇ~・・・アリス、何杯も飲む必要はないわよ。
朝とか昼に1杯飲めば良いんだからね。
麦茶もあるし。」
チビコノハが考えながら言う。
「わかっていますよ。
何事も取り過ぎはダメなんですよね。
基本は麦茶にして、朝食時とか昼過ぎのおやつの時にタンポポ茶にして。
あと、水分の過剰摂取もダメだから・・・パナ殿、結局3時間ごとに麦茶かタンポポ茶を1杯飲む程度で良いのですよね?」
「はい、通常はそのぐらいで良いです。
散歩をして喉が渇いたのなら麦茶を飲んだ方が良いでしょう。
外に行く際には水筒に麦茶を入れて持って行く事をお勧めします。」
「わかりました。
よし、水筒が必要なのですね。
どこかに忘れちゃうことも考えて2個は持った方が良いのかなぁ?」
アリスがメモを取っている。
「アリス様、そこまで意気込まなくても大丈夫ですよ。
忘れたら忘れたです。
その時は白湯を店で頂いて、過ごせば良いんですよ。」
ボーナが言う。
「はい、お湯ですね。
基本は冷たい水を飲まないっと。
ボーナさん、こう・・・生まれたら何をすれば良いのですか?」
アリスが頷きながらメモを取りボーナに聞く。
「アリス様、生んだ後より先ずは生む事を考えないと・・・
いずれにせよ良く食べて良く寝る事ですよ。
まずアリス様の体が丈夫でないといけないのですから。」
「なるほど、体を丈夫にしないといけないと。」
アリスが頷き復唱するのだが、ボーナはその生真面目さに呆れるのだった。
「アリス様がメモを多く取っていますね。」
ドナートがお茶を飲みながら言う。
「ははは、一番身近な母親はボーナお母さんですからね。
実際3人を生んで育てた母親の経験を聞きたいのでしょう。」
「コノハ殿より知識は無いと思うのですが。」
「コノハに聞いても良いのでしょうけど、不安感の解消はいろんな人に聞く事ですからね。
それにもしボーナお母さんが間違っていたらコノハが訂正するでしょう、なので、間違った知識がアリスに行く事はありませんよ。」
「そうですか。」
ドナートが頷く。
「キタミザト様、アリス様の子供はいつ生まれるのですか?」
ニルデが聞いてくる。
「来年の2月頃の予定ですよ。
ニルデとしては子供が生まれるというのはどう思いますか?」
「ん~・・・喜ばしい事だとエンマに聞きました。」
ニルデがそう言い、ジルダが頷く。
「・・・あー、そうですね。
ニルデとジルダは育った場所が場所で、子供が増えれば食い扶持が減るという状況下でしたね。
大丈夫!私もドナートさん達も子供が1人、2人増えたくらいで困窮はしませんよ。
むしろ家族が増える事が喜びになるのですよ。
だから、アリスに子供が出来た事は嬉しいし、楽しみなのです。」
武雄が言う。
「そうなのですね。」
「ええ、だからニルデもジルダももしボーナお母さんが懐妊したら喜ばないといけません。
家族が増えるんですからね。
賑やかになりますよ。」
「「おおー、家族が増える。」」
「ええ、ニルデもジルダも今は家族の中で一番年下ですが、子供が生まれたらその子に色々と教えなくてはいけませんよ?
文字であったり、農業の仕方だったり、遊び方もです。
勉強は出来ていますか?
お姉さんになったらその辺も教えなくてはいけないですからね?」
「うぅ・・・勉強大変です。」
「文字を書くのが難しいです。」
2人が変な顔をさせて窮状を訴える。
「まぁ、ボーナお母さんの子供はまだ先の話です。
今は貴女達がしっかりと学んでいく時ですからね。
毎日勉強する事が上達の秘訣ですからね。
少しずつでも良いからやりなさい。」
「「わかりましたぁ~。」」
ニルデとジルダが言う。
「あのぉ・・・キタミザト様?ボーナに子供は・・・」
ドナートが困った顔をさせる。
「ドナートさん、子供が欲しくなったら言ってください。
すぐに首輪を外しますからね。」
武雄が笑顔で言う。
「申告制というのは、なかなか言い辛くはあるのですが・・・」
ドナートが難しい顔をさせながら言う。
「え?なら今すぐ解除しましょうか?
来年辺りには妊娠ですか?」
「そういう事を言っているのではないのですが・・・その・・・大丈夫ですか?」
「そこは今更な感じですよね。
最初は越境が問題にならないようにという事でしたけど・・・既に向こうに知られていますし、報告もしました・・・ベルテ一家が首輪の有り無しで態度を変えるとも思えません、契約を守ってくれる意志があるならなら・・・首輪の意味ないんですよね。
これはヴィクターとジーナについても同様です。
ドナートさんかヴィクターから要請があればいつでも解放します。
ですが、こちらから積極的にというのは王都対策でちょっとね・・・今直ぐには難しいのは確かですかね。
数年後には解放したいと思っていますけどね。
今しばらくは我慢してください。」
「いえ、それで結構です。
それにまだ私達には戒めとして首輪は必要です。
今の生活のありがたさを噛みしめなくてはいけません。」
ドナートが言う。
「・・・子供欲しかったらいつでも解除しますからね。」
「はっ、わかりました。」
ドナートが頷くのだった。
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