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第2144話 ハワース商会に挨拶に行こう。(ありがとうございました、そしてこれからもよろしくお願いします。)

武雄がハワース商会に来ていた。

「・・・」

武雄がこっそりと店先から覗いている。

見た目、いつも通りなのだが・・・

「皆さん、忙しそうだけど・・・モニカさんが居ない?」

「モニカは今は打ち合わせに出掛けています。」

「・・・親父さん、後ろから普通に話しかけないでください。」

武雄はそう言って後ろを振り返るとモニカの父親が居た。

「店を覗く者が居たら声をかけるのは当然でしょう。」

「それはそうですけども。

 モニカさんはお出かけでしたか。」

「モニカに御用ですか?」

「いえ、魔王国の件で無理をしたと思いましてね。

 礼を言いに来ました。」

「それはそれは、ありがとうございます。

 そのご報告ですね?

 なら、中の応接室にどうぞ。」

モニカの父親が武雄を先導して店内に入っていくのだった。

・・

「この度は無事の帰国おめでとうございます。

 また、アリス様の懐妊、誠に喜ばしく従業員一同 謹んでお慶び申し上げます。」

応接室に通され、女性従業員がお茶をだして去った後、モニカの父親が祝辞を述べてくれた。

「ありがとうございます。

 魔王国からの至急の検討事項に答えて頂きありがとうございました。

 まさか毎月1500本の鉛筆が輸出出来るとはね。」

「ちょうど、今後の事を考え、在庫を多く持とうと考え人員のやりくりをしていましてね。

 余剰で1500本は何とか出来る数です。

 ちなみにアリス様には言いませんでしたが、消しゴムも150個程輸出に回します。」

「ありがとうございます。

 仕入れさせて貰います。

 で・・・・なのですが。」

「はぁ・・・私1人で聞いたら心臓が止まるのではないでしょうかね?」

「大丈夫だと思います。

 ・・・すぐにという事はないのです。

 ハワース商会から40000本の納入の後の追加はどうするかというのを聞いてきました。」

「おお、なるほど。

 どうでしたか?」

「えーっと・・・言われた通りに言いますよ?

 『今は月1500本ですが、今後、生産量が増えた場合、1500本と言わずにもっと毎月持って来て貰ってもよろしいですし、40000本の納入が終わった際に月々3000本の納入が出来るのなら追加で72000本頼みたいです。

 もちろんこちらも本数の納期ですから月々3000本以上になってもよろしいです』との事です。」

「・・・今後、4年間の売り先が決定ですね。」

モニカの父親が腕を組んで目線を落としながら言う。

「可能ですか?」

「まぁその月産3000本の方は何とかなるでしょう。

 事実、今現在の王都と王家、エルヴィス伯爵家、ゴドウィン伯爵家、テンプル伯爵家、そして魔王国向けの合わせた出荷数は月に5500本になっています。

 現状の最大生産力は6000本、通常の人員配置で皆に無理をさせない程度であれば4000本です。

生産量を上げたいと私共も考えていて、モニカが増産方法でサテラ製作所に行って相談しているんですよ。

 そこでの懸案事項が今後の需要状況です。

 今は目新しさに一気に依頼が来ていますが、どこかの段階で消耗した数の補給分だけしか依頼が来ない時がきます。

 その時の生産量を見越して設備を増やさないといけない・・・と私共は思っています。

 キタミザト様、どうなるとお考えですか?」

「・・・最低でも倍は欲しいですね。

 基本は月々8000本を作り各地に売る、余剰緊急で4000本の追加ですが、これは通常の人員配置ではないのでしょう?

 ならば、これは仕事が閑散期に作り置く事を意味すると思います。

 この増加分は在庫を増やすのに使い、大量発注の依頼があったら在庫から放出する。

 これが現状での上手いやり方でしょうか。

 まぁ、ウィリアム殿下方やゴドウィン伯爵の所とも今後は少し多めに来るかもしれませんが。

 現状の王都分が納入し終わるまではさらなる増産は基本的にはしないようにすれば倍の生産量で維持が出来ると思います。」

「ふむ・・・その考えなら今の2倍の生産量で4年後以降もいけそうですね。」

「今のお客だけなら・・・ですね。

 西側の領主達がどうするかによるでしょうね。

 まぁ、あとは国民に浸透するか・・・ですかね?

 今は、王家や王都の文官、王立学院、騎士団辺りですよね?

 これが街中で広まれば・・・最低でも5倍は必要になるのではないですか?

 維持する為の本数も未知数です。」

「・・・全く読めませんね。

 とりあえず、通常の仕事で月8000本を維持し、閑散期に在庫を増やす方法を取って様子を見ましょうかね・・・」

モニカの父親がため息をつきながら言う。

「私は皆に無理をさせる為に仕事を依頼してはいません。

 無理な投資もする必要はありません。

 堅実にしてくれて結構です。

 まぁ利益は少ないかもしれませんが・・・」

「いえ、人員を雇い続けられる分だけの利益はしっかりと出ています。

 大儲けを望んではいません。

 ・・・畏まりました。

 大口の依頼があっても在庫で賄いきれない際は、月々の納入数を客先と調整して対応します。」

モニカの父親が頷く。

「・・・来年には月々12000本くらいにはなっていそうですね。」

「はは、そうなればそうなったですよ。

 その分、雇用が生まれ街の住民に仕事が出来るという事です。

 守秘義務は相当ありますけどね。」

「その部分はお願いします。

 まだ、ここ以外に作って欲しくはないのでね。」

「はい、お任せください。

 私達、キタミザト家の協力工房一同は守秘義務を徹底しておりますので。

 まぁ・・・要は相互に確認し合っているんですよ。」

「そんな事を?」

「ええ、工房見学と言う名の視察を自主的に行って、書類が無くなっていないか、不備はないかと見ているのです。

 一番大変そうなのはベッドフォードさんの所でしょうね。

 個人商店から工場主ですよ?

 書類管理が大変そうです。

 ベッドフォードさんの所には特注の本棚の注文を頂きましてね、即座に納入しました。」

「・・・大変そうだなぁ・・・酒、飲みすぎなきゃ良いのですけどね。」

「そこはモニカに注意させておきましょう。」

モニカの父親が苦笑しながら言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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