第2138話 昼食を取ろう。(試験小隊は皆が報告書を書いています。)
研究所の1階 喫茶店。
試験小隊詰め所側の扉から武雄が入ってくる。
「あ、キタミザト様、いらっしゃいませ~♪
空いている席にお願いします。」
メイド姿のフローラが出迎える。
「フローラさん、お疲れ様。
日替わりを2つ。」
武雄が空いている席に座りながら言う。
「はい、畏まりました。
日替わり2つー!
あ、おめでとうございます。」
フローラが厨房に声をかけてから水を持って来て言う。
「ありがとうございます。
アスセナさんが従業員一同と花束をくれましたよ。
ありがとうございます。」
「いえいえ、私達もキタミザト家の従業員ですから。
といってもアスセナさんが朝一で買いに行って直接研究所に向かったので、今日帰ったら皆で均等割りして、アスセナさんに払うんですけどね。」
「良いお花でしたよ。
高いでしょうね。」
「平気です!皆で割りますから。
アスセナさん、あまり高いの買ってないよなぁ?」
「ははは、アスセナさんの事です。
大丈夫ですよ。
あ、そうだ、今日の夕方、ベルテさんの家に行きますからね。」
「家にですか?」
「ええ、魔王国でアプリコットの苗木を手に入れましてね。
育てて貰おうと思いまして。」
「はぁ・・苗木という事は木なのでしょうね。
何本ですか?」
「2本買ってきましたよ。
植えてみて根付くのなら追加で苗木を買うか接ぎ木か何か増やすかしてそれなりの量の実を収穫したいんです。」
「実がなる木なのですか。
熟すと美味しいのですか?」
「え・・・たぶん。
私としては熟す前に収穫して塩漬けにしたいんですよ。」
「実が熟す前に収穫するんですか?」
フローラが首を傾げながら言う。
「ええ、ウカとダキニに聞いておいてください。
たぶんあの2人なら梅干しならぬ杏干しと言えばわかるはずです。」
「はぁ・・・あの、キタミザト様が今日いらっしゃるのであれば、その際に説明して頂ければ2人もわかり易いのではないでしょうか?」
「あ~・・・そうですね。
そうしましょう、行った際に話をしますね。」
「わかりました。
幌馬車で来るのですか?」
「いえ、苗木をベルテさんの所に持って行きたいとヴィクターとアスセナさんに伝えたら、2人して幌馬車なんて使わなくても私達が手で持って行きますと言って・・・仕事終わりにエルヴィス伯爵邸に取りに行ってくれる予定です。
なので、一旦私達はエルヴィス伯爵邸に戻ってから向かいます。」
「わかりました。
あ、日替わりが出来たみたいですね。
ボーナに言っておきます。」
「ええ、お願いします。」
「キタミザト様、日替わりです。」
ヒルダが日替わりを持ってくる。
「はい、ありがとう。
ヒルダ、エルヴィス家から貰ったレシピ作っていますか?」
「はい!美味しいですね!
あ、そうだ。
キタミザト様、マヨネーズの瓶詰ですが、厨房の方々が近々多めに入荷すると言っていました。」
ヒルダが武雄に報告してくる。
「ほぉ、もう生産するんですね。
ベッドフォードさんの所で作るとか言っていましたけど。」
「あ、ウスターソースの所で作るんですね。
まぁでも毎日30個だそうですよ。
なので、朝と昼に15個ずつ置くそうです。」
「それは売り切れそうですね。
ヒルダは買うんですか?」
「はい!美味しいので出来るだけ切らさないようにしようとお母さんとも話していたんです。」
「そうですか。
確かにマヨネーズは万能ではありますけどね。
でも、そればかりではダメですからね。
色々と試しながら野菜やお肉のソースを作ってくださいね。」
「はい!わかりました。」
ヒルダが返事をする。
「さて、ヒルダ私達は仕事に戻ろうっか。」
「はい。
キタミザト様、またお話してください。」
「失礼します。」
ヒルダとフローラが武雄の下を離れていく。
「パナ、ご飯ですよ。」
武雄がそういうとパナが人間大になって現れる。
「はい。
いただきます。」
「いただきます。」
パナと武雄が昼食を取るのだった。
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研究所の1階 試験小隊詰め所。
「「「・・・」」」
ベテラン勢が報告書を書いていた。
「・・・ふむ。
ブルック、アーキンは終了。
所長に回そう。」
アンダーセンが見ていた報告書を降ろしてブルックとアーキンに向かって言う。
「「よし!」」
アーキンとブルックが小さめのガッツポーズを取る。
「アーキンさん、エルヴィス家での報告が書き終わりました。」
ミルコが報告書をアーキンの机に置く。
「はい、ご苦労様。
すぐに内容を確認するからな。」
アーキンが答える。
「ブルックさん、私もエルヴィス家での報告が書き終わりました。」
アニータもブルックに報告書を提出する。
「わかったわ。
直ぐに内容を確認するからね。」
「「出来ました。」」
ケイとパメラも報告書を2人に提出しようとしてくる。
アーキンとブルックは自身の報告書を書き終えても子供達の報告書の確認をするのだった。
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