第2123話 239日目 陛下からの手紙を確認しよう。(結構、予定が詰まっているね。)
エイミー達がジーナの部屋を後にし、ジーナが湯浴みを終えて自室で陛下からの手紙を読んでいた。
「・・・」
ジーナが口に軽く手を当て考えながら手紙を読んでいる。
「ジーナ、マリに経緯を話しておいたよ。
マリがわかったって。
ロロとイソカゼから新たな情報が入ったらスミスも入れて打ち合わせしようって。」
「・・・わかりました。
なら、明日以降ですね。」
ジーナが顔を上げずに言う。
「うん、で、陛下は何だって?」
「そうですね・・・ご主人様とエルヴィス伯爵様が想定している慣例の戦争の時期が近いので、そろそろ魔王国から宣戦布告文がくるはずだからそれを見越して王都に来て報告するように・・・です。」
ジーナが顔を上げてチビパラスに言う。
「それって・・・どっち?
布告される前に報告し終わって伯爵邸に戻って布告の通知を受け取れと言っているのか、王都に居る時に王都に宣戦布告の報告が入るように少し時間を置けと言っているのか。」
「わかりません・・・どちらに取られても良いのかも知れませんが。
どちらにしてもそれに見合った言動なり行動なりが求められるという事だと思います。
・・・ご主人様なら後者を確実に選びそうですが・・・」
「問題はタイミングね。
今おおよそでわかっているのは8月中旬にゴドウィン領内で慣例の戦争だよね。」
「約1か月前には宣戦布告がされます。
8月15日なら7月15日・・・これが普通でしょうか。
中旬とは言え・・・10日から20日までの開きがあるでしょう。
となると、最短が7月10日。」
「ならタケオは7月5日には王都に来て、各庁舎で打ち合わせして時間を潰すんだろうね。」
「その前に私達のエルヴィス伯爵領向けの小麦の輸送で6月末に第1皇子一家と第2皇子一家から届くので確認と発送作業ですね。」
「今日って・・・6月24日だよね?」
「はい。
もうエルヴィス家より輸送の為の御者の方々が出立している頃ですね。
伯爵様からは新人小隊と数小隊を派遣して頂けると回答が来ております。
幌馬車の数は事前に両家から回答が来ていますし、伯爵様に連絡してありますので、ちゃんとした数だと思います。
あ、明日、スミス様に言って、皆様が王都で1泊する宿の最終確認をしておかないといけませんね。」
「一応予約出来たんだよね?」
「はい、素泊まりの1泊ですので料金は安めで収まりましたよ。
料金の半分は前払いですけどね。
それと・・・あ、そうだ留守番をされている王都守備隊の方に幌馬車を止めるので訓練場をお借り出来るようにして頂いたので、お菓子の詰め合わせを持って行かないと。
あと総監局と警備局にも動いて頂いたのでそこにもですね。」
ジーナが考えながらメモに記入している。
「そっかぁ、尾行者なんて相手にしている暇はないんだね。」
「そこは警備局に動いて貰いましょう。
あ、そうか、その部分もアリス様に連絡を入れておかないといけませんね。
えーっと・・・最近のスミス様の報告と陛下の伝言と輸送の現状を記載すれば良いんですよね。」
ジーナが報告書に書く内容をまとめ始める。
「はぁ・・・ジーナも報告する事いっぱいだね。」
「パラス、屋根にシウンが到着したようです。
スライムが来ました。」
磯風がパラスに言ってくる。
「はいはーい、ジーナ、窓開けるよ。」
「お願いします。」
ジーナは報告書をもう書き始めているのだった。
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第3皇子一家の執務室。
「・・・ジーナちゃん、来なかったわね。」
レイラが麦茶を飲みながら言う。
「まぁ、夕食も終えた時間でしたしね。」
エリカが苦笑しながら言う。
「緊急時以外はジーナはこの時間には挨拶に来ないわよ。
レイラは来てもらって話がしたかったのでしょう?」
アルマがレイラに言う。
「うん、王城外にも今は出れないですしね~。
たまには王城外の事に触れたかったですよ。
街の感じはエリカさんに聞けば良いけど、王立学院の中の話とか色々ジーナちゃんに聞きたかったなぁ。」
「まぁ、暇なのはわかるけどね。
私達も大まかな所は検討し終わって、今は局長達が上げてくる書類を見る段階だものね。
毎日来るわけでもなく、どちらかと言えば一気に来る感じなのはどうしたものかと思う程度ね。」
レイラの言葉にアルマが言う。
「気晴らしはペイトー達が演奏してくれるから良いじゃないですか。」
エリカが言う。
「本当、音楽って偉大だね。
聞いていると気持ちが楽になるもの。」
「そうね。
毎日ここに居るだけだけど音楽を聴くと気持ちが陰鬱にならないから良いわね。」
レイラとアルマが頷く。
「さて・・・ここに第1皇子一家と第2皇子一家からの現状の輸送準備状態がある訳だけど。
ぶっちゃけこれから起こる事が書かれているわね。」
アルマが書類を持ちながら言う。
「総監局には回したの?」
ウィリアムが聞いてくる。
「したわよ~。
パットの方は輸送隊からの報告を受け取る所から解決方法まで何通りか考えて対応するって。」
アルマが言う。
「僕達はエイミーとスミスだね。
まずはエイミーの方だけど、ニール兄上は・・・父上と共にカトランダ帝国だったね。
リネットからかな?」
「うん、エイミーの方は王都に到着して発覚だそうよ。
エイミーが瞬時にどう動くかね。」
アルマが言う。
「ふむ・・・エリカさん、総監局に言って王都の小麦の相場は用意出来ているね?」
「はい、えーっと・・・これです。
1週間前の販売価格を調べておきました。
ここ数週間での値動きはありません。」
エリカがウィリアムに書類を渡す。
「・・・うん、なら多く来た分をスミスが買うならこの価格かエイミーが受注した小麦価格でかをエイミーに判断させれば良いね。
パットの方は総監局から依頼があればスミスとジーナが交渉に臨むという事だね。」
「あと数日だからそれまではのんびりと過ごそうか。
もちろんスミスやジーナが来れば対応するという事で。」
「「「はい。」」」
ウィリアムの言葉に3人が頷くのだった。
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