第2117話 スニーカーをどのくらい作るのか。(生理用品もまもなく開始です。)
「アリスさん!びっくりしたのはこっちです!
驚かさないでください!」
鈴音が心配しながら言ってくる。
「いや~、スズネさんみたいに軽く走ってから止まろうと思って・・・それよりスズネさん!靴が急激に止まりましたよ!」
「はい、そうです。
ゴムを使うとその柔らかさからくる衝撃吸収性から革靴よりもすぐに止まれるんです。
私や武雄さんからしたら皆さんが履いている靴は滑りやすいんですよ。」
「ゴム・・・凄い物が出来たんですね。」
アリスが足元を見ながら言う。
「アリス様、申し訳ありません。」
「お怪我はありませんか?」
「どこか痛い所は?」
店員達が聞いてくる。
「あ、平気ですよ。
スニーカーの性能が私の想像以上だっただけですから。
本当に何もないですからね。
大丈夫、大丈夫。」
アリスが店員達に優しく言う。
「はぁ・・・んー・・・テトちゃん、コノハ殿。」
「「はいはーい。」」
2人が姿を現す。
「あ、コノハ殿、アリスさんが転びました。」
「うん、爆笑型のこけ方をしたわね。
あれはスリッパの踵を踏まれた時ぐらいにしかお目にかかれない倒れ方ね。
まさかこの地で見れるとは・・・」
コノハが考えながら言う。
「いや、コノハ殿の契約者が転んで・・・」
「アリスならこの程度なんともないわ。
常時ケアしているし、服も汚れていないから問題ないわよ。」
コノハが言う。
「それより、スズネ、スニーカーはどう?」
テトが聞いてくる。
「問題ありません。
若干、想像より重いですけど、問題ないと思います。
止まる強さに関しては現状の革靴よりもありますが・・・多分、試作という事もありますし、完全なゴムではないので私が考えるよりも止まらないですね。」
「なるほどね。
ラバーソールの改良はしていかないといけないわけか。
継続的な研究案件ね。
紐はどう?」
コノハが聞いてくる。
「今は他の革靴のように布に穴を空けて紐を通していますけど、ここはデザイン的な要素が必要になるんじゃないですかね?
穴の縁にリングを付けたりとかありますよね。
紐はもう少し幅のある物が良いですし、通す穴の間隔は今より開けた方が良いと思います。」
「ふむふむ。
それは職人達に言った方が良いわね。」
コノハが頷くと。
「何か、大きな音がしましたが?」
奥からラルフと女性店員がやって来る。
「ははは。
ちょっとスニーカーを履いて走って止まったら転んでしまいました。
怪我もないですから。」
アリスが苦笑しながら報告する。
「アリス様、従業員達が心配しますので、あまりはしゃがれない方がよろしいかと。」
「そういうわけではないんですけど~・・・気を付けます。
で、ラルフさん、手に持っているのは?」
「はい、前回見て頂いた生理用品の皆さんに使って頂く用の試供品第1弾です。
素材は不織布を使用しております。
一般的なタオルでの生理用品に比べ、厚さは1/5、吸水は1/2になっております。
従業員だけでの試験では、通常のタオルより交換頻度は高くなったが、携帯性に優れていると評価されています。
一応、こちらの者が装着しており、少し体のラインが出てしまうズボンや服装をさせております。
如何でしょう。」
ラルフが言うと一緒に来た女性店員が一歩前に出てアリスの前でゆっくりと回り始める。
「ん~・・・タオルよりも格段にわかり辛くなってはいますが・・・少し股下が膨らみますね。」
アリスが凝視しながら言う。
「やはりそうですよね。
んー・・・スカートならこの辺はわからないのですが、職業柄スカートが穿けない方もいると思います。
今後の課題はここですね。」
ラルフが考えながら言う。
「ええ、そうですね。
まぁ、画期的な商品である事に変わりはありませんね。
で900名程度が買わないといけないとタケオ様に聞きましたが?」
「いえ、これは本当にまだ試供品第1弾です。
まずは80名分程を用意し、今月もしくは来月の時に使用して頂いてから使用感の感想を頂いて改良に繋げ、その後に製品としてご注文頂いた方に格安でお売りする事を考えております。」
「ふむ・・・それでも80名ですか。
エルヴィス家用にはいくつご用意を?」
「えーっと・・・まずは40名分です。
これはキタミザト家の方々も含まれています。
あとは、私共とハワース商会とローチ工房です。」
「そうですか。
スズネさん、キタミザト家と研究所で必要な人数は何人になりますか?」
「そうですね・・・私、アスセナさん、ブルックさんに子供が2人、ベルテ一家が3人・・・8名です。」
「わかりました。
では持ち帰って分配を決めましょう。
ラルフさん、納入はいつから出来ますか?」
「3日後には40名分をお届けできます。
あ、それと初めてですのでアリス様とスズネ様に使用方法の練習をお願いします。
出来れば、試供される方々にお教えいただけますでしょうか。」
「「わかりました。」」
アリスと鈴音が頷く。
「あ、それと使用済みの物を入れる小型の肩掛けバックを作ってみましたので後ほど確認をお願いします。」
「わかりました。
なら、まずは使用方法を教わらないといけないですね。
スズネさんも聞いていきますか?」
「はい。
なら、奥に行って聞けば良いんですかね?」
「では、奥で装着の説明をさせて頂きます。」
女性従業員の後を追ってアリスと鈴音が奥に行くのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




