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第2102話 232日目 アリスからの報告書。(いろいろやらないといけないようだ。)

アズパール王国の寄宿舎。

夕食後の自由時間にジーナが紫雲から受け取った手紙を読んでいた。

「・・・ご主人様・・・何をしたんですか・・・」

ジーナが軽く項垂れている。

「ジーナ、アリスは何だって?」

チビパラスがジーナに聞いてくる。

「『今後の魔王国の方針を知ったので陛下が王都に戻り次第、すぐに2人のみで会談出来るように手配をして欲しい』という依頼があったので私が陛下にお伺いをしなくてはいけなくなりました。」

「まだカトランダ帝国に出張中だよね?」

「はい、まだ戻られたとは聞いていません。

 ですが・・これは出来るだけ早くに予定を確定させて欲しいという事ですよね。」

「いつでも来て良いと言いそうだけどね?」

「私もそう思いますが。

 ですが、ご主人様からの依頼です。

 とりあえず、いつなら良いのかのお伺いを立てなくてはいけませんね。

 んー・・・ご主人様が相談したいと願っている事を陛下が王都に戻られる前にお教えした方が良いでしょうか・・・

 そうすれば王都の帰路の間に予定を立てて戻ってこれそうですし。」

ジーナが考えながら言う。

「まぁ、王都に戻る前に知れるのなら馬車で暇な時に色々と考えられると思うよ?

 でもどうやって知らせるの?」

「そうですね・・・丁度、第1皇子一家のアン殿下よりお手紙を頂いていますのでそのご返答を書きながら、陛下へのお手紙も添えさせて貰いましょうか。

 アン殿下なら中身を見ずに渡してくれるでしょう。」

「・・・とうとうジーナも王家を使うようになったのね。」

チビパラスが呆れながら言う。

「使っている訳ではありません。

 アン殿下へのご返答に添えさせて貰うだけです。

 アン殿下からはご主人様にご自身でお考えのジャガイモの種類についての検討書を送付する交換条件のような物ですよ。

 それに他に連絡手段がありませんし、上手く行っても陛下が第1皇子一家の屋敷に滞在している間の1日か2日早く王都にご連絡が来る程度でしょう。

 これ以上早くはならないですし・・・このやり方が最速の日にちをご主人様にお教え出来るという所ですね。」

「まぁ、現状の最速のやり取りだからね。

 それをやってタケオに報告して終わりだね。

 他には何か書いてあるの?」

チビパラスが聞いてくる。

「あとは・・・冬物コートの・・・新作のダッフルコート?が出来たから王都で流行っている色の調査・・・

 これは私が苦手とする調査ですね。」

ジーナが難しい顔をさせる。

「まぁ・・・1年はスミスに聞かせれば良いし、3年はエイミーかスミスの部下になるキティが居るよね。

 2年は誰に聞けば良いの?て感じだね。」

「んー・・・これってアリス様が聞き出したラルフ様の所の話ですよね?」

「まぁ、コート関係でアリスが動くならそこしかないだろうね。

 それにダッフルコートでしょう?

 タケオやスズネの息がかかってそうだね。」

「・・・アリス様が王立学院と魔法師専門学院にご主人様が売り込みに行くから、生徒と学生に流行っているもしくは好まれる色の調査をして欲しい・・・なんですよね。

 ご主人様かスズネ様が関与しているというのは?」

ジーナがパラスを見る。

「ん?だってダッフルコートはタケオとスズネにとっては生徒や学生の年頃に大多数の子達が着るコートだからね。

 大人になればトレンチコートが一般的かな?

 親しみがあるから何かしら言ったのかもっと思ったの。」

「なるほど、幼少期に着たという事ですか。

 それは私達も着ても良い物なのでしょうか?」

「ん~・・・私は詳しくはないけど、少なくとも厚手のコートで温かいらしいわよ。

 色もグレーや濃い青とか奇抜なのは赤とか出来るからね。

 使う子達の好みが知りたいんだろうね。」

「そうですか・・・まぁ、依頼されたのならするまでなのですが・・・」

ジーナがそう言って悩む。

「ねぇ、思ったんだけどさぁ。

 寄宿舎はエイミーにお願いして、宿舎はキティに頼めば?

 スミスを使って。」

「・・・そうですね、そうしましょうか。」

ジーナがあっさりとスミスに委託する事を決める。

「うん、それが良いよ。

 で、他には何か書いてないの?」

「エリカ様の民間療法の本をエルヴィス伯爵領でまずは250冊購入したいという事ですね。」

「へぇ~・・・それなりに買うのね。

 エリカ喜んでくれるかな?」

「実用書という事ですよね。

 ん~・・・となると・・・本が売れれば載っている草とかが売れるわけですよね。」

「まぁ・・・そうね。

 タケオなら是が非でもエリカが書いた民間療法の本を事前入手するんだろうね。」

「そうですね。

 それに本に書かれている草が根こそぎ採取される前にどこかに保護地区を作って、保護しておいた方が良いですよね。」

「そうね、それはエリカにさせるべきじゃない?

 まぁもう実施しているとは思うけど。」

「・・・本の注文数を言う際にその辺の伺いをしてどうなっているのかの確認が必要ですね。

 必要ならば販売前に各貴族に保護をお願いする事になるかもしれませんし。」

「なるほど、そうやって事前に本を入手するのか。」

パラスが頷く。

「ま、エリカ様がどう考えているかによりますよ。」

ジーナが頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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