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第2099話 人材が捨てるほどいる国家は楽だね。(いつかは交換留学をさせてみたい。)

「・・・有り無しで言えば無くはないが、それだと戦争が上手く行く可能性は低いと考えるな。

 指揮する者がある程度能力がないと戦争は出来ないと思う。」

「そうね。

 いくら奴隷を率いると言っても『突撃』だけ言っていれば良い訳ではないしね。」

ヴァレーリとブリアーニが武雄の考えを否定する。

「ええ、真っ当に戦争をする気があるのなら、そう考えるのが普通だと私も思います。

 ですが、相手は奴隷を使った戦争をする私達からすれば常軌を逸した国家です。

 なので、想定だけでも言う必要はあると考えての提案でした。」

武雄が言う。

「ふむ・・・そうだな、我らの常識外という所の指摘は頭の片隅に置くべき事ではあるか。

 アズパール王国の幹部達はどう考えている?」

「・・・関に対して部隊の損耗を考えないので突撃に次ぐ突撃を強行させる事で戦後の抱える人員の数を調節する可能性は高いと。

 そして短期で関の攻略を実施出来ればウィリプ連合国内でもアズパール王国への侵攻の糸口を作ったと発言力は上がる事も考えるとかなり高い確率で実施しかねないと。」

武雄が言う。

「そうだった、ウィリプ連合国は同格の国王達の集合体だったな。

 確かに政治がらみの事を考えるのならやりかねんな。」

ヴァレーリが頷く。

「・・・人材が余っている国家は余裕ね。

 うちなんて死んで良い人材なんていないのに。」

「我が国だってそうだ、人材は使いようだ。

 使える、使えないではない、使わなくてはいけない(・・・・・・・・・)んだ。

 その為に皆が優秀になろうと努力し、上役に立てば教育を実施して部下を育てるんだ。

 アズパール王国はどうだ?」

「アズパール王国だってそうです。

 死んで良い人材なんて勿体ない事は出来ませんよ。

 将来を見据えて、王都に学び舎を作り、優秀な子供達を集めて施政者と魔法師としての育成をしているのですが、それだけでは到底足りません。

 また各領地でも兵士と文官の採用をしていますが、基本的に資金が無いので初期の読み書きや計算は個人にお願いしていますからね。

 基本的に教育は遅れているのが現状です。」

武雄が言う。

「そうか・・・そう言えばアズパール王国は学び舎という面白い物があったな。

 ヴィクターの娘が行っているのだったか?」

ヴァレーリが言う。

「エルヴィス伯爵の孫のお付きのメイドとして行かせています。

 人間社会を見る実地研修ですよ。

 一緒に授業も受けているようですから何か学んでいるのではないでしょうか。

 特に何をと指示はしていませんので、自身で何かを掴んでくれたらと思っています。

 あ、そうだ、ベルテ一家の長男は魔法師専門学院に入れて魔法の勉強をさせていますし、将来は文官も経験させる予定です。」

「すみません、うちの者をよろしくお願いします。」

ブリアーニが武雄に頭を下げる。

「初期の読み書きと計算は我が国でも個人にお願いしているのが大半だな。

 一応、兵士になればその辺の教育は実施しているが、商家や農家においては出来る者が若者達に教えている。」

「うちもそういう感じだね。

 国として教育を実施するには資金がねぇ。」

「多分、アズパール王国も同じだと思いますね。

 王都で出来ているだけでも相当費用がかかっているはずなんですよ。

 エルヴィス伯爵の所では教育機関がある訳ではありませんから、個々に任せているんでしょうね。」

3人が教育は個人任せだと言ってくる。

「ん?・・・キタミザト殿、タローマティが聞いてきたんだが、アズパール王国の学び舎はキタミザト殿からするとどう思うかと。」

ヴァレーリが聞いてくる。

「はぁ・・・まぁ、私としては物足りませんがね。

 やっている事は基礎的な事のみです。

 もっと専門性の高い授業があってもと思いますが・・・費用的、人材的な事を考えるのなら無理は言えないでしょう。

 今は私達研究所があるのである意味で専門的な事をやれる環境が出来たという事に将来性はあると思いますね。

 もっといろんな事を研究する場が出来れば良いとは思いますが、それにはまず国家として潤う事と人材が豊富にある事が求められますから私の代では今のまま推移するのだろうと思います。

 タローマティさんが教鞭とか取ったら魔王国の外交面が強固になるのではないですか?」

「・・・タローマティが『機会があれば』とかご機嫌に言っているぞ。

 ま、魔王国としてはまだまだ学び舎を作るという所までは行ってないな。

 現状維持しかないな。

 面白い事でありそうだがな。」

「そうね。

 ま、魔王国で学び舎をやるならうちの子達はそっちに行かせるかなぁ。」

ヴァレーリとブリアーニが言う。

「いつかはアズパール王国の王立学院とで交換留学とかいって数か月程度数名が行き来出来るように出来れば良いですね。」

「「それも面白そうだね。」」

ヴァレーリとブリアーニが頷く。

「まぁ、お互いの国に行く際の人選が大変だと思いますけどね。」

武雄が言う。

「受け入れ側も大変そうだなぁ。」

「来た子達が皆、キタミザト殿みたいな感じだったらどうしよう?」

「それは学び舎が混沌とする事を意味するだろう。」

「失礼な。」

武雄が苦笑しながら言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] >「来た子達が皆、キタミザト殿みたいな感じだったらどうしよう?」 ふふふ・・・ > あ、そうだ、ベルテ一家の長男は魔法師専門学院に入れて魔法の勉強をさせていますし、将来は文官も経験させる予…
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