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第2071話 その後の幹部達の話。(コショウを売っている所を教えて貰おう。)

「お客様に対し!礼!」

室内の全員が礼をして武雄達を見送る。

・・

「・・・どうだ?」

ヴァレーリが皆を見回しながら言う。

「アズパール王国に傑物が現れたという事かと。」

「我らに今回の侵攻計画を教示したという事は同様の事を我らにすると言いつつも、それを上回る方法を考え付いているという証拠です。

 不用意な戦闘は避けるべきかと愚考します。

 なので、慣例の戦争においても近接戦闘を行わずに魔法師達による遠隔からの攻撃のみで終わらせるべきです。」

「そうです。

 単純な軍事力では我らが上とわかっておりながら、我々に割に合わないと思わせる対抗策があると豪語しております。

 不用意に近づくと思わぬ損失が出てしまうかもしれません。

 アズパール王国とは戦争を回避するのが一番かと思います。」

各軍指揮官が言ってくる。

「そうだな。

 第1軍指揮官はどう感じた?」

「あれで領地持ちでないとは・・・だからこその自由な戦争計画が立案できるのかもしれません。

 そう考えればアズパール王国の国王並びに王都幹部は人材を登用、配置する目は優れていると考えられます。

 陛下のおっしゃった通り、現状を維持したまま商売上の付き合いをしていく事が良いと考えます。」

フレッディが言ってくる。

「うむ・・・概ね我と幹部達とのキタミザト殿を見る目は共有出来たな。

 便宜を図れとは言わん。

 が、ある程度優遇すればそれなりの見返りを寄こしてくれる人だろう。」

「「「はっ!」」」

皆が頷く。

「それと・・・内々にキタミザト殿に言われているが、そのアズパール王国のウィリプ連合国との戦争に於いて、穀物の不足が見込まれるから魔王国から輸入したいとの相談が我にあった。

 返答としては普通に商隊に乗せるのなら問題ないと返答はしているが・・・我らと違い長期化するだろうからな相当な量を買い込むだろう。

 皆、覚悟はしておけ。」

「「「はっ!」」」

皆が頷く。

「さて・・・我も戻るか。

 皆、今日はご苦労だった。」

ヴァレーリが退出していく。

「「陛下に対し!敬礼!」」

皆が見送るのだった。

・・

「はぁ・・・人間も馬鹿に出来ないものだな。」

「ああ、短命弱小だが・・・だからこその知恵という事ですな。」

「これは・・・キタミザト殿が居る間は手は出さないで情報のやり取りをさせて貰った方が有益だ。」

「そうだな。

 実際、キタミザト殿は知見が広い。

 ウィリプ連合国やカトランダ帝国の情報まで持っている。

 我らとしては第4軍の者がウィリプ連合国に入っているが、国家間の動きはわかり辛いのが正直な所だからな。

 別口でのウィリプ連合国の情報が入ってくるのはありがたい。」

「それにキタミザト殿にこちらの大まかな動きを言っておけばアズパール王国の幹部に警告は出来るわけです。

 これからは、ある程度お互いの情報を行き来させる事によって不信感を無くせます。

 現状維持を保てる機会がやってきたと捉えれば良いでしょう。」

皆が席に座りながら各々に感想を言う。

各指揮官補佐達が動き、指揮官達にお茶を出したりし始める。

「要は使いようという事か。」

「こちらからの一方的な情報提供の要求はキタミザト殿は良く思わないだろう。

 こちらからも何か情報を与えないと対価は貰えん。

 商売とはそういう物だろう?」

「ふむ・・・ま、その時、その時で何が欲しいかを聞けば良いだろう。

 さて、キタミザト殿が残した侵攻計画だが・・・俺としては基本行動としては良いと思う。」

「基本的には問題ない。

 ま、デムーロ国への第4軍と陛下の輸送や初期の侵攻時のデムーロ国のワイバーン部隊の処理方法を詰めないといけないと思うがな。」

「向こうはワイバーン数がいくつだったか?」

「確か・・・25体だな。」

「おー少ない。

 とはいえ、討ち漏らすとデムーロ国の首都に戦争の状況が伝わってしまうからな。

 初期段階から徹底しての排除が重要だろう。」

「問題は・・・どの段階で排除を始めるかだな。

 早ければ関に誘い込む者達が不審がるし、遅ければ関が突破されたのを報告されてしまう。」

「ワイバーンの排除も問題だが、第5軍が相手をする魔王国側の関も少々行動を決めかねている。

 遠方から魔法をバンバン撃ちこむのは良いとして・・・関の突破後はどうするかだな。

 キタミザト殿が言っていた南側との街道が合う所にある町の占領をさせるか?」

「そうだなぁ、南から来るであろう敵増援を迎え撃てるようにしておいて貰いたいが・・・」

「そうなると第3軍の大隊を1つ付けて落とした町の修復をさせないといけないか。」

幹部達は先ほどの武雄の話を具体的な侵攻計画に落とし込み始めるのだった。


------------------------

ヴァレーリの執務室。

「現状、黒コショウを王城との取引しているのはこのリストに載っている商店になります。」

アンナローロが武雄に紙を見せる。

「・・・うん、わかりません。

 これはレバントさんに聞けばわかりますか?」

「はい、半分はおわかりになると思います。

 なので、当面はここからレバント殿が買い付けを行って貰う方が良いかもしれません。

 後々に販路を作られるとよろしいかと。」

「わかりました。

 とりあえず、レバントさん達と話し合います。」

武雄が頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 思わぬ出会いと知古と縁に恵まれた「人材オバケ」であり、真っ当な現代社会経験のある「転移者」だもの。傑物どころしゃないよねぇ...w
[一言] タケオさん今回の仕事だけで陞爵してもいいくらいの功績じゃん。本人が権力に興味ないからアレだけど、現状タケオさんを一番正しく評価、かつそれに見合ったものをくれるのは魔王国かもですね
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