第2057話 試食しましょう。(おにぎり作るぞ。)
「これは美味いな!」
「美味しいですね。」
「これが米の料理なんですね。
これは確かに輸入したくなります。」
「あ~・・うちの者達が考えた物の数段上だぁ~。」
「あ~♪」
「ちゃーはんってパラパラなんですね。」
6人が炒飯とカルボナーラを交互に食べながら満面の笑みを浮かべている。
「・・・えー?」
武雄的には両方油物なのですぐにお腹がいっぱいになるだろうと思ったが、6人はお構いなしに食べている。
「キタミザト殿、全員試作終わりました。」
料理人が声をかけてくる。
「ええ、お疲れさまでした。
味は見ての通り、幹部には承認されたようですよ。
米は・・・まぁまだ王城に入れられるかはブリアーニ王国と話し合ってください。
カルボナーラの方は問題なく出来そうですね。」
「「「はい。」」」
料理人達が返事をする。
「キタミザト殿、米なのですが、あと4人分余ってしまったのですが・・・何か食べますか?」
ブリアーニ王国の料理人が言ってくる。
「そうですね・・・炒飯でお腹いっぱいですから、持ち帰って私の夜食にします。
あ、2人分で良いです。
残りは料理人の皆さんで米の話をしながら食べてください。」
「そうですか、なら容器を用意しますね。」
「あ、結構ですよ。
おにぎりにしてリュックに入れて持って行きますから。
頂けるお皿と塩を少し用意して頂きたいのですけど。」
「え?・・・塩ですね、準備します。」
料理人が準備をするのだった。
・・
・
なんだかんだでおにぎりを4つ作っていた。
「「「三角形ですね。」」」
料理人達が武雄が作った塩おにぎりをジーっと見ながら呟く。
「えーっと・・・握っただけなんですけど。
ちなみに中に具を入れて握れば、サンドイッチみたいに米と食材が一緒に味わえますからね。」
「「「具を中に。」」」
「出来ればちょっと塩辛い物や味が濃い物が合いやすいと思いますよ。」
「「「なるほど。」」」
「ついでに言うなら魚の身を解して塩をまぶし、炊いた米に混ぜてから握るのもありです。」
「「「ほぉ。」」」
「いや・・・握っただけですよ。」
武雄が「何の事はないことです」と料理人達に言う。
ジー・・・
武雄が視線に気が付く。
武雄が顔を向けるとヴァレーリ達6人がジーっとおにぎりを見ている。
「・・・食べる?」
「「「「うん。」」」」
ヴァレーリとブリアーニ、ビエラとミアが頷く。
フレッディとアンナローロは頷かないものの目はジーっとおにぎりを見ている。
「はぁ・・・どうぞ。
分けてくださいね。」
「「はーい。」」
「あー?」
「はい、ビエラ、私はビエラの奴からちょっとくれれば良いですよ。」
ビエラが1個をフォークで刺してひょいと自分の皿に置く。
「あ、おにぎりはフォークで食べても良いですけど素手で食べても良いですよ。」
「「「「ん?」」」」
ヴァレーリ達が武雄を見る。
「え?・・・サンドイッチも素手でしょう?」
「まぁ・・・そうだが・・・」
「お米を素手でですか?」
ヴァレーリとブリアーニが複雑な顔をする。
素手という単語を聞いてすぐに料理人がおしぼりを持ってくる。
「あー?はい、ミア。」
「はい、どうも。」
ビエラは手を軽く拭き、おにぎりを手で持ち、1/4をちぎってミアに渡す。
「あ~♪」
「確かに、2つとも味が濃かったですからね。
あっさりしててこれはこれで美味しいですねー。」
ビエラとミアが2人して素手で持って食べ始める。
「・・・カールラ、半分食べるか?」
「そうですね、なら半分頂きます。」
ヴァレーリが1つ皿に置き、ナイフで2つに分けると皿をブリアーニに渡し、1個取らせる。
「指揮官補佐、私達も半分にしましょうか。」
「わかりました。」
そう言ってアンナローロも1つ取り、半分にしてフレッディの方に1個置く。
武雄は1つ残ったので皿ごとリュックにしまう。
「キタミザト殿、この流れで食べないのか?」
「私は戻ってから楽しむので今は結構です。
ペロッと食べましたね。」
ヴァレーリが手に着いた米粒を舐めて取りながら言ってくる。
「うむ、これはこれで美味しいな。
これがおにぎりかぁ。
パンを単体で食べるよりかは甘さを感じる。」
「ほんとねー。
これでその握っている時に中に具を入れるとまた感じが変わるんでしょうね。
あ、ありがとう。」
自分達の陛下と女王が手を舐めているのを見かねた料理人がササっと新しいおしぼりを持ってくるので舐め終わった者達が新しいおしぼりで手を拭く。
「なるほど・・・ブリアーニ女王陛下。」
アンナローロがブリアーニに言う。
「うん?なに?」
「陛下も言っていたのですが、米を輸入出来ないでしょうか?
キタミザト殿用に用意している輸出量に影響がない範囲でこちらに輸出をして頂けたら嬉しいのですが。」
「ん~・・・」
ブリアーニが武雄をチラリと見る。
「・・・契約。」
武雄がボソッと言う。
「んん~~・・・大規模には無理。
ダニエラや第1軍の2人、計10名程度分なら出来ると思うわよ。
出来ても2kgくらいかな?」
ブリアーニが考えながら言う。
「ついでにワイバーンの定期便で玄米にした物を送ってくれないか?」
「あ、こっちで籾摺りなのね。
・・・ふむ・・・2kg売るわ。」
「そうしてくれ、指揮官補佐。」
ヴァレーリがアンナローロに言う。
「はい、処理をしておきます。」
アンナローロが頷くのだった。
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