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第2044話 第3皇子一家の話。(スミスは予定通り、レイラは作家活動中。)

アズパール王国の寄宿舎。

エイミーの部屋。

「よし!注文書の写しは出来たわ。」

エイミーが自分が今書いた物を持ちあげながら言う。

「ウィリアム殿下からは簡単なお言葉でしたね。」

対面に居るドネリーが言ってくる。

「・・・まぁ、お爺さまの代理だからね。

 くどくど言うような性格でもないし。

 レイラお姉様が発起人でお爺さまが許可して私達が対応するという流れね。」

「それにしても、改めて発注書を見ると25000kgというのは結構な量ですね。」

「そうね・・・ま、何とかなるわよ。

 納期は余裕がありそうでないのよね。

 これは早く実家に手紙を送って確認しなきゃね。」

「スミス様から頂いている予算は十分なのですよね?」

「ええ、大丈夫よ。

 実家の小麦の購入費と輸送費、幌馬車の販売費で問題ない・・・と思うわ。

 一応、足らなかったらその旨はすぐに知らせて欲しいと書くから、

 何かあれば教えてくれるわよ。」

「なら次はその旨を書いた手紙ですね。」

「そうね。

 ドネリー、私が書いている間に実家まで行く兵士を借りに行ってくれる?」

「わかりました。

 今日の今日では無理でしょうから明日の出立が出来るか軍務局と総監局に聞いてきます。」

「うん、それで良いわ。

 手紙は今日の夕方には出しに行くと伝えて。」

「はい、では、行ってきます。」

ドネリーが立ち上がりエイミーの部屋を退出していく。

「とは、言ったものの、お義母様とクリナだからなぁ。

 少し私が考えている手順を書いておいた方が動き易いかな?」

エイミーが考えながら呟くのだった。


------------------------

第3皇子一家の執務室

第3皇子一家とエリカ、スミスとジーナが居た。

「というわけで、パットとエイミーちゃんに依頼が出来た訳なんだけど。

 今頃、実家に伺いの手紙書いているかな?」

レイラが言う。

「スミス、エルヴィス伯爵には確認をとっているね?」

「はい、ウィリアム殿下。

 お爺さまからは、王都に王家からの荷が着く2日前には人員が到着するよう手配する。という旨の説明がありました。

 領地へ到着する日を目途に西町と北町に空きを作り、輸送された小麦の半分を搬入、残りを伯爵邸がある街に入れると言っています。

 それと説明した通り、20台分を王都で乗せ換えますが、場所の確保は王都の業者さんにお願いしました。

 こちらも問題ないと返事を頂いていますし、契約書を交わしています。」

ウィリアムの質問にスミスが答える。

「そうか。

 準備は順調だね。

 エルヴィス伯爵とのやり取りは滞りなくね。」

「はい、ジーナがやり取りをしてくれています。

 ね、ジーナ。」

「はい。

 2日おきにやり取りをしています。

 最近はレシピの公表を期に物価が高騰していましたが、少し落ち着いてきたという内容がありました。」

「ほぉ・・・結構早く物価が落ち着き始めたんだね。

 王都でしたら何日間で収まるのか・・・想像がつかないね。」

「経済局がレシピ公表に待ったをかけているんだよね。」

「物価の上昇をどうやって抑制するかの検討中で、実施に向けての準備が出来るまでだよね。

 いつになるのかなぁ。」

ウィリアムとレイラ、アルマが呆れる。

「とはいえ、王都は人口が多いですからね。

 一度、混乱してしまえば収束するまで相当な日数がかかりますし、最悪は1年間かかっても収まらないかも知れないのです。

 慎重になるのはしょうがありませんよ。」

エリカが言ってくる。

「エリカさん、各王家とのやり取りはどんな感じ?」

「タケオさんのレシピとどう盛り付けをするかの本と私が集めた民間療法の本を同時に発刊する予定です。

 2冊になってしまう感じですね。」

エリカがアルマに言う。

「まとめて売るの?」

「ん~・・・同時に売るのが一番良いだろうと各家と話しています。」

レイラの質問にエリカが答える。

「エリカ殿、その民間療法の本はエルヴィス領にも卸してくれますか?」

ジーナが聞いてくる。

「ん~・・・まずは王家領にて販売を予定しているけど、100冊程度を買い取ってくれるのなら増刷は出来ると思いますよ。

 一度、エルヴィス伯爵かアリス殿に向こうでどのくらい購入出来るかを確認してください。」

「わかりました、100冊以上ですね。

 確認します。

 ちなみにその内容は精霊方は確認しているのですか?」

「ええ、うちのペイトーも中身を確認しています。

 内容に不備はないと言ってくれていますから一安心です。

 まぁ、過大な内容にはしていませんからね。

 あくまで大病に効く訳でなく、ケアが出来る者が近くに居ない場合の擦り傷や火傷、腹痛を治す程度です。

 一家に1冊とりあえず置いておいてくれると初期の処方が出来て、悪化を抑える事ができると思っています。」

エリカが言う。

「なるほど、兵士の巡回が間に合わない事もありますから簡単な傷は治せるようになると良いですね。

 伯爵様とアリス様にはその旨をお伝えして、本がどれだけ買えるかの確認を取ります。」

ジーナが頷く。

「そういえばレイラお姉様の童話は売れているんですか?」

スミスがレイラに聞く。

「ん~・・・まぁ増刷になると報告は受けているからそこそこは売れているみたいよ。

 ま、これからも色々本を書いて行こうと思うけどね。」

「ほんと、レイラは作家になっちゃったわね。

 私は読むの専門だけど。」

「レイラもほどほどにね、アルマは焦らずやりたい事を探せばいいからね。」

ウィリアムが優しく言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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