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第2043話 もう苗木がきました。(おや?テーアさんの元同僚さんですか。)

しばらくしたらレバントが苗木を持って帰って来た。


「・・・もう買ってきたのですね。」

武雄が苗木を見ながら言う。

「そうなんですよ~。

 行ったらありましたよ。

 それでも店の隅にあともう1セットありましたけどね。」

「どれだけ買ったんでしょうね。」

「それなりに買ったんでしょうね。」

武雄にレバントが答える。

「で、街中で流行っているんですってね。」

「今の所、7軒のレストランで出しているのは確認しています。

 私の所も1軒出す事を決めていますが・・・他国からの輸入に頼っているのであまり量がありません。」

「それでも8軒に出しているのなら相当な量を買い込んでいますよね?」

「ええ。

 それでですが、向こうからはこれ以上の量の輸出は今は無理だと言われているみたいでして、なら国内でどこか作れる所を探そうとなっているのです。

 今すぐどうのではなく、数年に渡って生育して貰って、産地に適した地域を見つけ、そこを一大産地にしようと目論んでいるというのが私達の考えです。」

レバントが武雄に言う。

「その言い分だと、他の商店も色んな地に声をかけているんでしょうか?」

「ええ、重なってはいけないだろうと、仲間内で分担して声をかけていますよ。

 上手く行った所から買い集めて取引をしようとなっています。

 ちなみにうちはシモーナさんの所のみです。

 1店1地域をお願いするという所ですね。

 この件については仲間内で買い集めて分配するので価格の安定が見込めるのです。」

「おばさん、という事は上手く行ったらうちは生産地になってしまうのですか?」

シモーナが聞いてくる。

「その予定よ。

 仲間内皆の分を作って貰う事になるわ。

 ま、声をかけてたと言ってもシモーナさんも含めて、4か所から試験栽培すると返答が来ているみたいでね、4地域なら問題なく全部から買い入れられると踏んでいるわ。

 安心して栽培してね!」

「・・・そうですか。

 ま、とりあえず上手く行ってからその辺は考えます。」

シモーナが頷く。

「うん、お願い。

 で、キタミザト様の方はどうですか?」

「私の方は農園にするかどうかも未定ですね。

 個人的に栽培してみようと思っている程度です。

 今後の展開はわかりません。

 あったとしても魔王国からハチミツ漬けを輸入する程度に留めますかね。

 国内でハチミツ漬けが好評になるならその時に対応をします。」

「わかりました。

 とりあえずは国内でしっかりとした流通と消費を作り出す事にします。

 余裕が出来たらアズパール王国に輸出という事で。

 あ、個別にちょっとなら融通出来ますから。」

「なら数個買いましょうかね。

 輸出出来る個数がわかったら教えてください。

 私とエルヴィス伯爵とで楽しみますから。」

「はい、畏まりました。」

レバントが頷く。

「で、今日なんですが、私はこの後、ダニエラさんとカールラさんと所用で王城に行ってきます。

 なので、他の面々を鍛冶屋と武具屋に連れて行っていただけますでしょうか。」

「ん~・・・鍛冶屋と武具屋はちょっと知り合いはいないですね・・・」

武雄の要望にレバントが難しい顔をさせる。

「キタミザト殿をお借りするので私の方から支援しますよ。」

ヴァレーリが手を挙げて言ってくる。

「それはありがたいですが・・・監視を付けたんですか?」

武雄が堂々と言ってくる。

「ははは、何をおっしゃいますのやら、ただ単に警護ですよ。

 アズパール王国の重鎮たるキタミザト殿に怪我なんてさせれませんし、怪我なんてさせようものならレシピが手に入らないでしょう?

 是が非でも警護しますよ。」

「わざわざしなくても良いのに。」

「そうはいきません。

 で・・・うちの者を手配しますけど・・・ちょっと待っててくださいね。」

ヴァレーリが立ち上がり店先に出ると手を振っている。

とすぐに数名の私服の者達がやって来る。

軽くヴァレーリが話すとその内の3名が一緒に店内に入ってくる。

「この者達が案内します。」

ヴァレーリが言うと3人が礼をする。

「えーっと・・・この人達は?」

武雄が聞く。

「第4軍 第1大隊 第2中隊の者です。

 こういった事に慣れているんですよ。」

ヴァレーリが言う。

「第4軍 第1大隊 第2中隊??

 それって・・・テーアさんが居た部隊ですよね?」

武雄が言うと3人が驚いた顔をさせる。

「おー、流石買い主。

 昨日の見学の報告書には、そちらのフォレット殿がコンカートと模擬戦をして買うのを決めたと書いてありましたよ。

 引き分けたそうですね。」

「ははは・・・たまたま・・・本当にたまたま手合わせをしたまでです。」

フォレットが笑顔を引きつらせながら答える。

「ま、そんな人材を私は王都守備隊に放り込んでおきましたけどね。」

「ははは、王都守備隊かぁ、アズパール王国が誇る精鋭部隊ですね。

 訓練にはちょうど良いでしょう。」

ヴァレーリが笑いながら言う。

「キタミザト殿、この度は私達の仲間がお世話になりまして・・・救って頂きありがとうございます。」

3名の内、1名が前に出て武雄に頭を下げる。

「たまたまですよ。

 それにテーアさんご自身も言っていましたが、他者に買われる可能性もあるのは事前の説明でされていて覚悟はしていたそうです。

 相当ショックだったようですが。

 ま、救われたか否かは本人が考える事ですしね。

 私は彼女を買って、アズパール王国の精鋭部隊に放り込んだだけです。

 特に何かしたわけではありません、それだけです。

 なのでお気になさらずに。」

「了解しました。」

兵士が言う。

「さて、ではこの者達に案内させますので、好きな事を見聞きしてください。

 出来れば買ってくれるとありがたいですよ。」

ヴァレーリが紹介を終えるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >「おばさん、という事は上手く行ったらうちは生産地になってしまうのですか?」 >シモーナが聞いてくる。 数か月後の領地替えで大損害になるのでは? タケオも四者会談でコメのことしか気に…
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