第2042話 集合しましょう。(ハチミツについて考えよう。)
レバントの店。
「ダニエラちゃん、カールラさん・・・匂いした?」
レバントがカウンターに座っている2人に聞いてくる。
「「??」」
2人が「何が?」とレバントを見返す。
「いや、してないなら良いんだけど・・・」
レバントが首を傾げながら言う。
「おばさん、おは・・・ダニエラさんとカールラさん?
朝早くからいらっしゃったんですね。」
「「おはようございます。」」
2人が挨拶をする。
「シモーナさん、おはよう。」
レバントが挨拶をしてくる。
「おばさん、おはようございます。
今日はキタミザト様が街中を・・・回れるんですかね?」
「さぁ・・・ダニエラちゃんとカールラさんが居るなら連れて行かれるんでしょうね。
ま、ご本人が来てから考えれば良い事よ。
それと昨日の青果屋での話だけどね。
キタミザト様のご一行が色々見ていたじゃない。」
「数点買って行きましたよね。
輸送日数があるので青果は輸出出来ないと思っています。
なので、求められたら野菜の干物をお勧めしようかと思いますけど、あまり領外で売れている商品というのは見た事がないのですよね。」
「野菜の干物かぁ・・・冒険者とか商隊には売れるけど、いまいち美味しくないからねぇ。」
「はい、それに同じような野菜の干物は向こうにもあるでしょうし、わざわざ他国から買うとは思えないのです。」
「そうね。
となると・・・輸出出来そうなのは苗か種ね。」
「苗は輸送する者としてはちょっと怖いですね。
万が一、枯れると売り物にならずにただの損失ですから。
ある程度育っているか種、出来たら種ですね。」
「そう考えるとアプリコットの苗木は怖いわね。
その辺も加味して交渉してくるわね。」
「はい、お願いします。」
「なら、ちゃちゃっと値切って注文してくるから。
シモーナさん、お店番よろしく。」
「キタミザト様が来たら例のジャガイモの話をしておきますね。」
「うん、お願い。
じゃ、ダニエラちゃんとカールラさんは寛いでいてね。」
「「はい。」」
2人の返事を聞いてレバントが外出していく。
と表で誰か出会ったのか軽く話し合ってから去って行った。
「失礼します。」
武雄達が入ってくる。
「あ、キタミザト様、おはようございます。
今、おばさんは。」
「シモーナさん、おはようございます。
レバントさんとは表で会いましたよ。
ちょっとアプリコットを買いに行くと言って行きましたし、すぐ戻るそうです。」
「そうでしたか。
ま、それまでここで待機ですね。」
「そうですか。
皆、休憩なんだけど・・・レバントさんの店も中々に色々ありますね。」
武雄がレバントの店内を見ながらシモーナに言う。
「おばさんの所は私の所や数か所の地方領の物を買い付けをして王都で売っているんですよ。
ここ王都に数軒酒場も経営しているみたいで、その為の食材とかも買っているようですよ。
まぁ、最近は私の所に注力してくれているみたいですけどね。
キタミザト様のお陰です。」
「ははは、頼られていますね、なら頑張りましょう。
と言いつつも今の所、新たな物はないんですけどね。
今回はどちらかと言えば魔王国の物を買いに来たんですよ。」
「そうでしたね。
あ、それと前に話したハチミツなんですけど。」
「はいはい、アズパール王国分はうちでまとめて送って、魔王国で買えるのはシモーナさんがまとめるやつですね。」
「はい、それまだおばさんに話してないんですけど、広くします?おばさんの取引先からとりあえず集めるという感じでも良いでしょうか?」
「ええ、構いませんよ。
絶対に全土から欲しい訳ではないですからね。
無理の無い範囲内で集めて欲しいだけですよ。
私の方も顔見知りの所にお願いして美味しいのを輸出するつもりですし、少しは自分達も使いたいですからね。
それはシモーナさんもでしょう?」
「ええ、そうですけどね。
ある意味、ハチミツ屋が出来るなぁと思っています。」
「平気です、私もそれ思ってましたよ。
まぁ品揃えが良くなると思いましょう。」
「そうですね。
では、私は皆さんのお茶を用意しますね。」
シモーナが店の奥に行く。
「じゃ、皆さんは自由に。
特にデナムさんとラングフォードさん、キョロキョロし過ぎです。
物を壊さないように輸入したい物を探してください。」
「「了解です!」」
デナムとラングフォードが返事をする。
「我々はお邪魔にならないように座っておくか。」
「そうですね。」
ラック達とアンダーセン達武官は調べる気がないのか空いている所に座る。
「さて・・・お待たせしました。」
武雄がヴァレーリとブリアーニの所にやってくる。
「「お疲れー。」」
2人して軽い挨拶をしてくる。
「・・・相も変わらず公務でないと柔らかいようですね。」
「そういうもんだ。
ハチミツかぁ・・・レバントおば様の事だ、カールラの所にも要請が行くんじゃないか?」
「来たら対応するだろうけど、味の大別をすると2種類くらいしかないかなぁ。
むしろこっちにも欲しいわね。
そこは交渉だろうね。」
2人が話している。
「ある程度、量を確保出来るか確認しないといけないですかね。」
武雄が「こうやって商流が大きくなるんだろうね」と考えながらいうのだった。
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