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第2041話 朝から突撃訪問を受けました。(今日は何しましょうかね。)

宿の1階の玄関横のフリースペースでは朝食の用意がされていた。

用意と言ってもセルフでパンと飲み物、ちょっとしたサラダとソーセージが用意されている程度なのだが。


「・・・」

武雄が黙々と食べている。

皆も静かに黙々と食べている。

「キタミザト殿!居ますか!」

宿の扉が開いてメイド姿のブリアーニが勢い良く入ってくる。

「・・・まだ朝だぞ・・・やっぱり迷惑じゃないか?」

遅れてメイド姿のヴァレーリが入ってくる。

「はぁ・・・こっちですよ。」

武雄が入って来た人達に言う。

「キタミザト殿!来るなら来ると言ってくれないと!」

ブリアーニが武雄の下に行き、言ってくる。

「・・・何でここに居る事を知っているんですかね?」

武雄がヴァレーリを見る。

「あー・・・昨日来たことを伝えたら朝には王城に来て・・・すみません、まさかここまで早いとは思いもしませんでした。

 ちなみにこの宿の事はレバントおば様から聞いています。」

ヴァレーリが素直に謝ってくる。

「はぁ・・・国家間でこんなにやり取りが早いって羨ましいですね。

 で、何しに来たんですか?」

「お米の打ち合わせをさせてください!

 特に料理を!うちの者達もこの間の教えて貰った料理でかなり喜んでいるんです!

 で、うちの者達が考えた料理を食べてください!

 玄米も持ってきました!」

「あー!」

「米ー!」

ビエラとミアが反応する。

「うちの子達・・・あ、試験小隊や同行者の分は・・・食べさせられますか?」

武雄がブルック達の顔を見てブリアーニに聞く。

「すみません、2、3名分の予備はあるのですが、皆さん全員の分は・・・」

ブリアーニが申し訳なさそうに言う。

「ビエラとミアは連れて行きますけど・・・

 はぁ・・・試験小隊の面々は別行動ですね。」

武雄の言葉にブルック達がガックリと肩を落とす。

ラングフォード達は苦笑いするだけだった。

「さてと・・・朝食を取ったらレバントさんのお店に行くのでそっちに居てください。」

「「はーい。」」

ヴァレーリとブリアーニが返事をする。

「さて、私達は朝食を取ってから支度をしましょう。」

武雄が皆に言うのだった。

・・

騒がしい2人が去り、朝食を取り終えた武雄達が身支度を整えて再び玄関横のフリースペースに集合していた。

「さてと・・・私、こっちに来た目的が達成出来ていませんね。

 結局、今日も工房や店に行けそうにありませんし。」

武雄が皆を前に言う。

「王都としてはキタミザト殿に外交はお任せしていますし。」

ラングフォードが言ってくる。

「キタミザト殿が見れない分は我々が見るしかないのでしょう。」

デナムが言い、ハガードも頷く。

「まぁ、何でもかんでも私が見なきゃいけないという訳ではありませんけど・・・。

 おかしいなぁ・・・」

武雄が首を傾げる。

「所長・・・頑張ってくださいね。

 この感じだと明日も難しそうですし。」

オールストンが言ってくる。

「こらこら、恐ろしい事を言うものではありません。

 本当になったらどうするんですか。」

「まぁ、オールストンの予想は誰もがしていますよ。」

アンダーセンが言いのける。

「アンダーセンさんまで・・・。

 そう言えば、この宿に着いてから何か変わった事は?」

「そうですね・・・たぶんレバント殿にも聞いたと言っていましたけど、部下方が周囲に居ますから。

 この宿も報告されていたから知っていたのではないですかね?

 だって・・・いくら急いでいても朝の早くから訪問するなんて普通しませんよ。

 所長が起きていて1階にいる事を知っていて入ってきたと思った方が良いと思います。」

「あー・・・そういえば、こっちの別行動班のほうも少し人が多かったですね。

 私達の監視をしているというよりも周りを警護されている感がありましたが、行動を見られていると認識はしています。」

ラックも言ってくる。

「別に私達は見られて困るような行動していませんから監視と捉える気はありませんけどね。

 皆さんもそう思うように。

 警護ご苦労様ですと笑顔で対応しましょう。」

武雄が言う。

「所長ならそう言うでしょうね。」

ブレアが頷く。

「警護されているというのは気にしないとして。

 今日の行動ですね。

 一応、レバントさんのお店には行きます。

 が、そこで私は再び王城に行ってきます。」

「別行動の我々が何を見るかですね。」

ラングフォードが言ってくる。

「ええ、魔王国の青果屋と雑貨屋は行ったのですよね。

 そこで品揃えや物価の情報は大まかに入手出来たでしょう。

 それと変わった品種についてはデナムさんやラングフォードさんがまとめて報告書を作ってくれると思います。

 専売局と財政局の立場からの視点を楽しみにしています。」

「「お任せください。」」

デナムとラングフォードが頷く。

「さて、行きたい場所は干物屋、穀物問屋、鍛冶屋・・・あー、ラックさん達とうちの試験小隊が一緒なら武具屋での品揃えの確認もしたいですかね。

 基準作りの資料になるでしょうし。」

武雄が考えながら言う。

「干物屋と穀物問屋は明日にしましょう。

 そこは私達ではわからないですし。」

ラングフォードが言う。

「なら鍛冶屋と武具屋でお願いします。

 それとデナムさんは黄銅を見せてどう反応するかと同様な金属があるのかの確認を。

 配合は教えないで加工のしやすさを売り込んでおいてください。

 あ、そういえばエルヴィス領内の家具屋はこれを食器棚等の家具の方に取り付けて見栄えを良くする研究をするそうですよ。」

「了解です。

 そうですか、それは良い話が聞けましたね。

 まぁ相手の職人がどういう人物かで変わりますね。

 聞けない場合もあると思ってください。」

「それは当然ですよ。

 聞けたら聞くで良いです。

 今回だけが交渉ではありません。

 もっと他に良い工房があるかもしれませんからね。

 さて、あまり待たせるのも悪いですからね、行きましょうか。」

「「「はい。」」」

武雄を先頭に皆が宿を出るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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