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第2029話 4者会談。2(ここでも食費等を貰えそうです。)

武雄が皆にウィリプ連合国でビエラに会った際の話を聞かせる。

また、クゥとリツについても話をし、リツが引っ越しを検討しているとして話を締めくくっていた。


「子と孫達が面倒をかける・・・ありがとう。」

グローリアが深々と頭を下げる。

「いえ、こちらこそ街中の散策をしながら異種族が居ても違和感がないよう啓発活動をして貰っています。

 もちろんミアの補助もしてくれています。

 まぁ・・・食費はかかりますし、今後は成獣状態のリツが引っ越ししますけど・・・

 グローリアさん、ドラゴンの棲みかはどんな感じにすれば良いのでしょうか?」

「決まった形はないな。

 木々の間にというのも居るし、岩場に住む者もいる。

 私のように人型になって人里近くに住む者も居る。

 まぁ魔王国ならドラゴンであると正体は教えた上で、となるが。」

「うちのビエラも別に隠してはいませんけどね。

 エルヴィス家以外には基本、教えてもいないですけどね。

 ん~・・・リツの棲みかどうするか・・・

 ビエラとクゥが遊びに行ける程度には近くにしてあげたいけど、無知な冒険者が近寄られても被害が出るだけですしね・・・

 森の中に棲み処かを作って、小道で行けるようにしますかね・・・街中には出来ないですし、森を拓くのも誰かしら頼まないといけないからなぁ・・・」

武雄がワザとらしく悩んでいる。

「ふっ・・・キタミザト殿、そこは私が費用を出そう。

 演技をされなくても結構だ。」

グローリアが苦笑しながら言う。

「それは失礼しました。

 クゥとビエラの食費は何とかしますし、棲みかは伯爵邸内なので何とか賄えるんですけどね。

 流石に成獣状態のリツは・・・費用が。」

「ふむ・・・まぁ金貨とはいかないが・・・

 これでどうだろう。」

グローリアが武雄の前に皮を置く。

「・・・これは?」

「ドラゴンの皮だ。

 あとで袋を一杯にした物を渡そう。

 換金して使ってくれ。」

「助かります。」

武雄が頭を下げる。

「あー。」

ビエラも頭を下げる。

「・・・グローリア殿、その皮、我々がお願いしている奴では?」

ヴァレーリが呆れながら言ってくる。

「魔王国には住み賃という事で定期的に入れているだろう。

 これは私の過去の脱皮の残りですよ。」

「余剰分があれば全て買うと言っているのに・・・はぁ・・・」

ヴァレーリが深いため息を吐く。


「私達もミアがお世話になっているので何かと思うのですが、妖精では何もなくて・・・」

マルタが言ってくる。

「いえ、ミアとは衣食住とおやつ付きで合意していますし、お小遣い程度の給与で良いとの事で仕事をして貰っています。

 それだけでもありがたいです。」

「ミアが面倒をかけるだろうが、よろしく頼みます。」

チーロが申し訳なさそうに言ってくる。

「父上?母上?私は仕事しているんですよ?

 対価として貰っているのです。」

ミアが両親に抗議している。

「それにしても・・・他の者達は行方知れずか・・・」

「私が最初でしたから、その後はわかりません。

 生きていれば良いのですけど。」

ミアが難しい顔をさせながら言う。

「アズパール王国の王城に出張で行きましたが、現状において、アズパール王国でミアがされたような大規模なゴブリン等の襲撃の報告はありません。

 なので、我が国以外となりますが・・・隣国でもそういった大規模な事件があれば噂は流れてきそうではありますが・・・そう言った話は聞いていません。」

武雄が考えながら言う。

「ふむ・・・どこに攫われたのか・・・」

「何か情報が取れれば魔王国の方に連絡を入れましょう。」

「はい、お願いします。」

武雄の言葉にチーロが頭を下げるのだった。


「・・・」

ブルックは議事録を速記で書いていた。

「・・・あの・・・少々よろしいでしょうか?」

隣で魔王国の者も議事録を書いているのだが、ブルックに話しかけてくる。

「はい!何でしょうか?」

ブルックが「え?何か失敗した?」と少し心配しながら聞いてくる。

「あの~・・その筆記具は何でしょうか?

 インクにも浸けずにずっと書かれているのですけど・・・」

「あ、鉛筆ですか?

 これ所長が作り出して、街中で売り出しているんです。」

「えんぴつ・・・ですか。

 それは・・・インクに浸けないというのは中に何か秘密が?」

「詳しくは私もわからないんですけど、ここの黒い所がインクを固めたような物なんです。

 それを木で囲んであって、黒い所が短くなれば周りを削って、長くすれば良いんです。

 なので黒い所を長くした物を数本用意しておいて、短くなれば取り換えて書いていて、書く事が終わってから周りを削って長くしておくんです。

 こうやって削るんですよ。」

ブルックがナイフを取り出して鉛筆を削る。

「ほぉ・・・なるほど。

 それは購入出来ますか?」

「はい、私達にというか、一緒に居たレバント殿にお願いすれば、シモーナ殿、所長経由で輸出可能だと思います。

 あ、鉛筆を買うなら消しゴムも買った方が良いですよ。

 これ、鉛筆で書いた物が消せるんです。」

「書いた物が・・・消せる?」

「こうやって・・・消えるんです。」

ブルックが書いた文字を消して見せる。

「す・・・凄いです。」

「あ~・・・ただ、鉛筆で書いた物は紙同士で擦ってしまうと色移りしちゃうんです。

 公式な文章とかには向かないので、そこはペンで書いた方が良いですね。

 ま、私はそう言った文章を書く時は鉛筆で下書きしてからペンで上からもう一度書いて、書き終わったら鉛筆部分を消しますけどね。」

「なるほど、書き損じが少なくなりそうですね。」

「ええ、まぁ鉛筆で書く時は気軽に書くので文字が乱雑になっちゃうんですけどね。」

「それは致し方ないですよ。」

ブルックが何気に鉛筆を売り込むのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] また!モニカさんの悲鳴が聞こえる…!(幻聴 親はいつまでも子は子供のままだと思いがちですね…
[一言] モニカさんのタメ息が聞こえそう笑
[気になる点] リツの費用って、食費でしたっけ? 安心して棲める所さえあれば、食事は今まで通り勝手にしてくれるんじゃないのかな? エルヴィス領をドラゴンが日常的に飛ぶのがどうこうとか無いですよね?ふつ…
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