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第2021話 227日目 支度をしましょう。(畑を見て国力を測れるか。)

魔王国王城のヴァレーリの寝室。

「・・・はぁ・・・もう来ているのか?

 ドレスはこれで良いという事だが・・・」

ヴァレーリがため息交じりに言う。

「はい、陛下。

 先ぶれは来ましたから、そろそろ来られるのではないでしょうか。

 お召し物も綺麗で似合ってございますよ。

 お顔を少し上に。」

メイドがヴァレーリに化粧をしながら言う。

「やはり・・・ここまで本気な化粧は好きになれんぞ。」

「陛下、他国の王が来られるのです。

 このぐらいはしてくださらないと。

 ・・・はい、終了です。」

メイドがヴァレーリの側を離れる。

「・・・相も変わらず化かしてくれるな。

 良い腕だ。」

ヴァレーリが鏡を見ながら言う。

「お褒め頂きありがとうございます、陛下。

 ですが、元々が良いのです。

 それともっと化粧に興味を持ってください。」

「はぁ・・・そうは言ってもなぁ・・・

 カールラの時はもっと簡単で終われるのになぁ。」

「あれは両陛下とも気兼ねない関係という事と一応、非公式ですからね。

 肌ツヤを良くして薄めの口紅と眉のお手入れで済んでいるのです。」

「・・・今回もそれで良くないか?

 いや、むしろ普段のように肌の手入れだけで良くないか?」

「良いわけないでしょう。

 陛下は我が国のトップなのです。」

「はぁ・・・まぁ、ドラゴンは別格か。」

「私といたしましては、毎日しっかりと化粧をして頂きたいのですが。」

「・・・まぁ良いではないか。」

ヴァレーリが不利を悟るとさっさと会話を打ち切る。

と扉がノックされヴァレーリが許可を出すと第1軍指揮官補佐が入ってくる。

「失礼いたします。

 陛下、今日は一段とお綺麗ですね。」

「世辞でも嬉しいが、これはメイド達の力作だよ。

 我は座っていただけだ。

 それで、報告があるんだろう?」

「はい、キタミザト子爵ご一行が越境をした事を確認したとの事です。

 日程的に今日はファロン子爵領の銀の月店より出立をしているはずです。

 標準的な幌馬車の移動日数で勘案すれば3日後に王城到着になります。」

「そうか無事に着いたか。

 まぁシモーナさんなら大丈夫だろう。

 レバントおば様にはシモーナさんから先ぶれが行くだろうが・・・。

 たぶん、そのまま王城に納入になるだろう。

 受け入れ準備は怠らないようにな。」

「はい、準備をさせます。

 他国の目があるという認識の下、こういった事も規律正しく行える王軍という所を見せつけられる機会と皆に通達しておきます。」

「・・・いや、ただ単にダラダラしている姿を他国や自国の者達に見せたら恥ずかしいだろうと思ってな。」

「畏まりました。

 陛下に恥をかかせないよう細心の注意をはらい作業を行います。」

「ああ、頼むな。

 それにしても90台はいるだろう幌馬車が一列に連なってやって来る姿は城門の上から見てみたい物だな。」

「陛下、見に行ってはいけませんよ?」

「・・・しないさ。

 一応、我は待ち受けてキタミザト殿を捕まえて、王城内の案内をしないといけないからな。」

「陛下、王城内の見学についてですが。

 その日の訓練は第3訓練場にて第2軍の各大隊が持ち回りでしております。

 こちらをご利用願います。

 それと厨房には軽食をお願いしております。」

「軽食か・・・それでは王城内の食事が不味い事がわかり辛くないか?」

「それは・・・致し方無いかと。

 流石に夕食を王城で取らせる理由がありませんでしたし。」

「そうだな・・・。

 まぁ軽食も軽くとは言え輸送して来た者達への労いと言う名目が立つには立つか。

 その辺の準備も終わっているな?」

「はい、恙なく準備しております。」

「そうか・・・では、キタミザト殿達の件は任せよう。」

「はい。」

とまたも扉がノックされる。

「今日の来客が来たようだな。」

ヴァレーリが呟いてから入出を許可するのだった。


------------------------

魔王国王都に続く道。

その頃の武雄達はのんびりと幌馬車と一緒に移動をしていた。

「ふむ・・・今日は村に行くみたいですね。」

「となると農家が対象ですね。」

「どんな栽培をしていて、どんな種類があるかの調査ですね。」

武雄達は当てがわれた荷台で地図を広げながら話し合っていた。

「売られている食物の種類はわかりますが、畑で育っている物の良し悪しの判断は出来ませんけどね。

 キタミザト殿はわかりますか?」

ラングフォードが聞いてくる。

「正直に言えば、わかりませんね。

 なので、農家の方が居ればそれとなく聞くしかないでしょうね。」

「聞き出すのも大変そうですが。」

「まぁそこはシモーナさんと一緒に聞きまわるしかないでしょう。

 出来れば、この地域で作られる品種を聞き取る事が重要ですかね。

 基本的な所は変わらないと思いますが、聞きなれない作物とかあればシモーナさんに言って輸入出来るかもしれませんしね。」

「・・・キタミザト殿、それは野菜の干物という事ですか?

 出来るのでしょうか。」

「売っているのを見た事はありませんが・・・野菜の干物が出来ないとは考えていませんよ。

 私としては種を送って貰おうかと思ったのですけどね。」

「あ、そちらでしたか。」

「ですが、売られていないという事は商売的にも需要的にもあまり魅力が無いという事なんでしょうね。」

「まぁ・・・そうですね。」

ラングフォードが頷く。

「そこは色々見て必要なら戻ってから検討でしょうね。」

武雄が言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 2021年に2021話到達記念真紀子(´・ω・`) ホントは2021回目投稿のときもやろうと思って忘れてたw ところでヴァレーリの寝室にメイド(女)を入れて化粧するのはギリありとして(質実…
[一言] >「陛下、他国の王が来られるのです。 > このぐらいはしてくださらないと。 > ・・・はい、終了です。」 そう言えば、アズパール王国、魔王国、カトランダ皇国、ウィリプ連合国の他にも国はありま…
[気になる点] サブタイに誤字報告が出来ないのでこちらで。 国力を図れるか >国力を測れるか ではないかと。
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