第2003話 221日目 今日も終わりです。(珍しい物があるのだろうか。)
夕食後のエルヴィス家の客間。
「ふむ・・・タケオの方は準備は大丈夫かの?」
「エルヴィスさんまで・・・大丈夫ですよ。
制服や下着、武器は持ちましたし、同行する試験小隊の制服も持ちました。
一応、制服と一緒に渡されていた予備の武器も入れましたし、食料はさっき貰いました。
シモーナさんに渡すウスターソースと中濃ソースも入れました。
それで足らなければどこかで買います。」
「・・・タケオ、皆に言われたのかの?」
「研究所ではマイヤーさん、帰ってからアリスとルフィナ達、夕霧、メイド長・・・なんです?私忘れっぽいと思われてませんかね?
今の所、忘れ物はしていない・・・はずですが。」
「そういう訳ではないじゃろうが・・・心配なのじゃよ。
一度向かったら当分は帰ってこぬからの。
特に今回は魔王国の王城へだからの。
王城でヴァレーリ陛下と会うじゃろうから身嗜みは重要じゃよ。」
「とは言われましても・・・まぁ、コッソリとは行けないだろうとは思いますが。
別に向こうの城の中を見る気はありませんよ?」
「うん?そうなのかの?
タケオの事じゃから向こうの王城内を見たいと言い出すと思ったのじゃが?」
「別に私は王城内の働いている方に興味はありませんよ。
事実、エルヴィス家の庁舎やアズパール王国の王城でも必要が無ければ各部局に行っていないでしょう?」
「・・・ふむ確かにそうじゃの。」
「私は集めている情報には興味はありますけど、働いている方を見る趣味はありません。
『お疲れ様です』としか思いませんよ。
なので、向こうに行っても王城見学してくる気はありません。
むしろ街中の商店をいろいろ回ってアズパール王国で扱っていない商品を探すのが今回の目的ですしね。」
「ふむ・・・キタミザト家としての輸入内容じゃの。」
「安くて珍しい物が良いですね。
ちょうど王都の人達も行きますから向こうで売ってなさそうな物を探せるのではと思います。」
「じゃが・・・そう簡単に見つかるかの?」
「見つからないでしょうね。
まぁ・・・人間種が行かない土地や異種族国家だから・・・それなりにあるのではと思うのですけど。」
「あれば良いのぉ・・・」
「隣接してて入ってこないなら大別してみるとないのでしょうね。」
「うむ。
細々とした物か食料じゃろうの。
タケオ、頑張ってくるのじゃ。」
武雄とエルヴィス爺さんが頷く。
「そう言えばお爺さま、昔シモーナさんから買い付けたんですよね?」
アリスがエルヴィス爺さんに聞いてくる。
「買い付けたというか・・・魔王国の筆記具やちょっとした細工があるナイフ、食器とかを買っておったの。
大きい物は値段も張るからの。」
「大きい物ですか?」
「うむ・・・魔王国にはメタルゴーレムの領地があるのじゃがの。」
「・・・えーっと・・・ゴーレムなんですよね?」
「うむ、まぁ意志を持った石像じゃの。
いや、鉄像とでも言えば良いのじゃろうか。」
「??・・・種族なのですよね?」
「領地を持って運営しておるという事は種族なのではないのかの?
どうやって増やすかは知らんがの。
まぁそのゴーレムが着ける甲冑があるそうなのじゃ。
これを飾ろうかと思ったのじゃが・・・大きくて価格も高いと言われての。
断念した。」
「お爺さま、なんでそんな物を欲しがりますかね・・・」
アリスが呆れながら言う。
「いや、大きい甲冑は魅力的だとは思わんかの?」
「特には・・・」
アリスが首を傾げる。
「タケオ。」
エルヴィス爺さんが武雄に同意を求める目線を送る。
「個人として欲しいか欲しくないかはなんとも言えませんが。
大きい物に感銘を受けるというのはわかります。
城とか家とか・・・大きいのは凄いと純粋に思う気持ちですよね。」
「うむ、大きいのは見てみたいと思うの。」
「でも、買う事ないですよね。」
「そこはわしの趣味じゃよ。
まぁ今となっては買う気がないからの、安心するのじゃ。」
「・・・今買う気がないのなら良いのですけど。」
「で、タケオ、土産じゃが、珍しい食べ物が良いの。」
「あ、それ良いですね。」
エルヴィス爺さんとアリスが要望を言ってくる。
「・・・前にカスト伯爵領からリザードマンの肉の干物を頂きましたよね?
あれでも良いですか?」
「わし食べておらんぞ。」
「あれ?・・・あれは東町で食べたか・・・
あったら購入してきます。」
「うむ、楽しみに待っていようかの。」
「そういえばあれも美味しかったですよね。」
「今回は無理でもシモーナさんに言って追加で購入しましょうか。」
「うむ。」
「はい。」
武雄の提案にエルヴィス爺さんとアリスが頷く。
「クゥも今回も留守番ですが、よろしくお願いしますね。」
「きゅ。きゅきゅ?」
クゥが頷いてから武雄に何か聞いてくる。
「主、クゥが魔王国のお菓子を買ってきて欲しいと言っていますよ。」
「確かに菓子を調べるのも大切ですかね。
まぁあれば買っておきます。」
「きゅ。」
クゥが頷く。
「あ、そうだ、今日の協力業者の集まりでの話なんですが。」
武雄達の雑談は続くのだった。
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