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2015/3633

第2000話 魔王国では訓練が始まっていた。(考えれば考える程やりようがある。)

魔王国 王都外 大演習場。


2000名程度の兵士が隊列組んで並んでいる。

「突撃ーー!」

その内の1000名の兵士達の最後尾の兵士が剣を上げ、号令を発している。

「「「突撃ーーー!!」」」

最後尾の兵士の前に居る兵士3名が同じように剣を上げて号令をかける。

「進め!!」

最後尾の兵士が剣を振り下ろしながら号令をかける。

「「「進め!!!」」」

同じく3名も号令をかける。

「「「「「おおおおおおおおお!!!!」」」」」

全体が動き始める。

全速力で走り始める。

目標は500m先の高さ8mの壁と門。

そして走っている兵士達の上空を無数とも思えるファイアが追い越していく。

ドンドドンドンドンドン、兵士達が向かう壁と門に次から次に着弾していくのだった。


後方の櫓では。

「報告!

 第2軍 第3大隊突撃を開始しました!」

「報告!

 第5軍 第1大隊支援開始!」

櫓に駆け込んで来た兵士がそこに居た者達に報告する。

「ああ、ご苦労。

 陛下、どうでしょうか?」

座っている者の横に立つ者が兵士を労ってから座っている者に声をかける。

「第2軍指揮官、どうもこうも・・・始まったばかりだろう。

 で?第3軍指揮官、あれはデムーロ国の関と同等なのだな?」

座っているヴァレーリが聞く。

「はい、陛下。

 第4軍の者と一緒に関の内側も外側も数日観察し、形状を完璧に写し取って来た物を再現しております。

 材質は・・・新しい木材ではありますが、厚さも(かんぬき)も使われている物を再現出来ております。

 現状、あの程度の門を1撃で突破できる破城槌の研究をしています。」

「研究?まだ悠長に研究段階か?

 本番まであと何か月だ?」

ヴァレーリが第2軍の指揮官に聞く。

「あと5か月弱かと・・・」

第2軍指揮官が恐々と言う。

「・・・お前らが早く開発しないとあの壁にかけた梯子を急いで上がっている兵士達が死ぬぞ?

 間に合わなかったとは言ってくれるなよ?それに威力が想定より出ませんでは意味がないからな?」

ヴァレーリが顎で演習先を指す。

「すぐに試作に入ります!」

「そうしろ。

 急かしてはいるが、欠陥品は渡すなよ?

 お前達第3軍は道や橋を作るのが得意だ、誇りをもって仕事をしているのは知っているが・・・

 少し時を気にしない者が多すぎる、良い物を作りたいからといって全体の工程を無視されたら兵士がその分死ぬだけだ。」

「はっ!陛下。」

第3軍指揮官が返事をする。

「第3軍への催促は出来たな。

 ・・・で、第5軍は第2軍が突撃しやすいように援護として門の上と下に満遍なく魔法を降らせていたが・・・

 あそこに突撃するのは嫌だなっと・・・ん?魔法が登っている兵士達のちょっと離れた両脇と上を狙っているな。」

「一応、我々(第2軍)が到着したら壁や門の下で取り付いた付近は狙わずに上と横を狙う事になる予定です。」

「・・・それは取り付いた門や壁の下にまだ敵が大勢居てもか?

 それは兵士達の命の危険が高くないか?」

「それは・・・ですが、味方の魔法攻撃に巻き込まれて倒れるのは不名誉な事かと。それに味方に当ててしまうのは魔法師達にとっても嫌がるのではないでしょうか。

 兵士達の安全を考えれば、向こうの兵士が少なくなってから突撃をさせるしかありません。」

第2軍指揮官が言う。

「魔法が出来る者達を集めて、関の人員がかなり少なくなるまで一昼夜でも打ちまくるか?

 そんなに人員はいないと思っているんだが?」

「はい、ですので同時に攻撃をするしかありません。

 今は破城槌が無い状態での関の突撃訓練ですが、第3軍の破城槌が出来上がれば突撃方法が変わると思われますね。」

「ふむ、となるとやはり出来るだけ早く破城槌を納入して貰わなければならないか。

 慣れる為にも・・・1か月前・・・は、遅いか。

 いや・・・各軍で話し合わないといけないな。」

「はい、各軍と話し合い。

 最終納期がどうなるか、確認しながら試験を進めていきます。」

第3軍指揮官が返事をする。

「ああ、頼むぞ。」

ヴァレーリが頷く。

「陛下、訓練も最後のようです。

 開門されていっています。」

第2軍指揮官がヴァレーリに言う。

(かんぬき)式か・・・戦争時も同じままなのか・・・」

「陛下、怖い事をおっしゃられますね。

 ・・・想定はしていますが。」

「言い出したら止めどとなく出てきそうではあるか。」

「はい、我々が考えた中で一番、あり得そうなのが、(かんぬき)の数が増やされる可能性です。」

(かんぬき)の数をか・・・

 確かに耐えてからの反撃時に開門の必要があるから門の内側を埋めるとかの事は出来ないか。」

ヴァレーリが考えながら言う。

「はい、それに安価で出来、増設後も通常は1か所の(かんぬき)で良い為、通常の業務も変わりなく出来るというのもしてくる可能性が高いと考えた理由です。」

「なるほど・・・それはあり得るが・・・それだけしても意味はないか。

 今は普段の関を基本に訓練しておき、こちらで想定をした対応策を取られても、対応出来るようにも訓練していかないといけないという事はわかるが、訓練出来ても数個までだろうな。

  各軍内で話し合い、想定案を持ち寄って、可能性が高い物を割り出していくしかないだろうな。」

「はい、その通りかと。」

「はぁ・・・各軍には後で文章で通達しておくか。

 幹部会の時に何案か持ってこさせよう。」

「「了解しました。」」

ヴァレーリの提案に皆が頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 2000話記念真紀子(´・ω・`) と言う割には特に何事もない通常回感… 割と脳筋要素漂うヴァレーリ王ですがちゃんと考えてるのは流石の一言 最悪自分一人で突っ込めばいい、と思ってそうなの…
[良い点] 2000話おめでとうございます!!
[一言] デムーロ国 ウィリプ連合国の間者は、  居ないのだろうか? タケオならどう考えるだろうか?
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