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2014/3634

第1999話 アズパール王に聞いてみよう。(準備を皆がしています。)

王城のアズパール王の寝室。

「ふんふふ~ん♪」

アズパール王がいそいそとバッグに小物を詰めている。

「楽しそうですね、お義父さま。」

「へぁ!?」

後ろから声をかけられアズパール王が振り向くとアルマとレイラ、エリカが居た。

「3人ともいつの間に!?」

「いつの間に!・・・では、ないですよ。

 扉をノックしても返事がないから何かあったのではと急いで入って来たんです。

 気が付かなかったのですか?」

アルマが呆れながら言う。

「うむ・・・気が付かなかった。

 ・・・それで、何か用か?」

「いえ、明後日出立じゃないですか。

 スミスからの依頼とエイミーちゃんとパットの方への指示はウィリアムが代理でよろしいのですね?」

レイラが言ってくる。

「ああ、2日前にそういう話になっただろう?」

「はい。

 ですが、一応命令書を用意願います。」

「ふむ・・・第3皇子一家が独断でと思われると・・・まぁ、大丈夫だとは思うが、一応用意しよう。

 それでパットとエイミーに半分ずつ用意させる事になるのだが・・・アルマとレイラの事だ、クリフとニールには伝えてあるのだろう?」

「お義父さまだってそうするんじゃないですか?」

アルマが答える。

「まぁ、するな。

 それで?」

「両家からも準備万端との連絡はありました。

 ある程度の日数後に2人に連絡を入れるという事です。

 ただ・・・アンちゃんが来たがっているそうなのです。」

レイラが言う。

「アンが?・・・なぜだ?タケオも来ていないし、クリフは領地だろう?

 ジーナに会いたいというわけでもないだろうし、エイミーに会いたいというならクリナが来たがりそうだが。」

「いえ、来年度にアンちゃんが主導する国立料理学校の設立があるじゃないですか。」

「仰々しいな・・・まぁ学校と言っても王城内の小厨房でやるんだがな。

 生徒は通うんだったか?

 まぁ要旨はこれから固める必要があるがな。」

「まだ、予算通ってないですよね。」

「あぁ、だからまだ大規模に公募出来ないんだがな。

 アンがそれに関係するのか?」

「いえ、まだ何かするという訳ではないようですけど。

 お姉様方に『王城に行きたいなぁ』と言っているようなのです。

 思い当たるのは料理学校程度なので・・・現時点で何か意向を入れられるのは募集要項だけかと。」

「だが、募集要項だけなら総監局にでも手紙を送れば済む話だ。

 来る必要はないな。

 アンは聡いからなぁ・・・募集要項程度では王城には来たいとは言わないだろう。

 自分が言うよりも親達経由で話を持って行った方が話が通じるのもわかっているだろうな。

 だが、アンは来たがっていると。

 アルマとレイラはどうするんだ?」

「アンの目的がわからないので・・・とりあえず、来る事については両親と一緒でないと危ないので許可出来ないとお姉様方には連絡入れておきます。」

「アンちゃんの本当の目的は何なのかわからないですよね。

 ・・・お義父さまならわかるかと思ったんですが。」

アルマとレイラが言ってくる。

「・・・なんで我だとわかると思ったんだか・・・

 まぁアンが王城に居た時に外に出たわけでないし、やっていた事は厨房で料理ぐらいだぞ?

 料理長に発表したい何かがあるのかもな。」

「「ふむ・・・」」

「陛下、手紙でなくという事はアン殿下にとっては大変重要な目新しい料理を考え付いたという事なのでしょうか?」

「そこはわからん。

 あ・・・逆かもしれないな。」

「と申されますと?」

「王城で新たな料理が出来ていないのか調べに来たいのかもしれない。

 セリーナが妊娠しているからな。

 新しい物を作りたいのかもしれない。」

「なるほど。

 ・・・そこは思いつきませんでした。

 流石は陛下ですね。」

「・・・うん、なんとなく褒められていない気がするな。」

アズパール王が呆れながら言う。

「まぁ、アンちゃんなら親に無断で屋敷を出る事はないだろうから1人で来るなと言えば来ないだろうけど。

 こっちに来た時にでもどうして来たかったのか聞いてみたいですね。」

レイラが言う。


まぁ実際にはアンは武雄がクリフの屋敷がある街に行った際に親に無断で外出するという行動力は持っているのだが、レイラ達は知らない。


「そういえば・・・レシピ本の回答がきませんね。

 陛下、エルヴィス家もしくはキタミザト家から来ましたでしょうか?」

「いや・・・来ていないが・・・

 我の所に来ていないという事はウィリアムの所にも来ていないという事だな。」

「はい、3王家では定期的に手紙のやり取りをしていて、レシピ本の話もしています。

 ですが、エルヴィス家がまず出してからにしようという事で待っているのですが。

 来ないという事は領内でのレシピ公表後の対応が大変なのでしょうか。」

「それもあるだろうな。

 あのレシピを一般に公表すれば、この王都でも色々な食材が品薄になる事は明白だからな。 

 慎重に公表しないとな。

 それでレシピ本はどんな内容だ?」

「色々な意見はありますが・・・プリンと茶碗蒸しは公表するかの判断が割れています。」

「ふむ・・・確か、エリカが持ち帰ったエルヴィス伯爵領内でのレシピの公表の日程にプリンがなかったか?」

「はい、ありました。

 なので、王都や王家領で公表しなくともいつかは入ってくるレシピになってしまいます。」

「エリカ達は公表派か?」

「はい、多少は品薄になっても王都でなら問題はないと思います。

 街中で色んなプリンが出回って欲しいと思いますね。」

「ふむ・・・まぁアンの件は我も向こうに行ったら聞いてこよう。

 それとレシピ本については今後とも王家間でやり取りをしておく事だな。」

「はい、わかりました。」

エリカが頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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