第2話 生きているかな?
とりあえず目の前にはおじいさんが倒れている。
どうすれば・・・
体は硬直中。手も握りしめていて硬直中。頭の中だけがグルグルパニック状態。
おじいさんとの距離は2mくらいか・・・
「とりあえず・・・」
タバコを吸うかな。
タバコに火をつけ思いっきり吸い込む。
フゥー・・・とりあえずちょっと落ち着いた。
さて、倒れている人を観察してみることにするか。
「ってか、この人、なんて格好をしているんだろう。
中世ヨーロッパ系、日本の某テーマパーク系・・・変人か?
それに剣・・・か・・・」
剣なんて知識としては知っていても触れたことがない。
これは危険なのだろうか。
そもそも本物なのだろうか。
・・・携帯の電源を入れてみる。
やっぱり圏外のままですね。
警察にも連絡できないか。
電源オフ。
再度、観察してみると息はしているようだ。
大量の血は流していないし、何か吐いてもいない。
んー・・・
近くに棒があるので突いてみるか。
・・・ツン
・・・ツンツン
・・・ポコッ
大丈夫そうだ。
今のところ、危険はないみたいだ。
そこで気を少し緩めると喉がカラカラなのに気がつく。
お茶を一口飲んでさらに安心感を得る。
少し近づいてみようと思う。
・・・ドキドキ・・・
手にはしっかりと棒が握られている。
たかだか2mにこんなに時間がかかるとは・・・
とりあえず剣がじゃまだね。
おじいさんの脇に膝をついて、膝で鞘を押さえつつ剣を抜いてみる。
カラッ
意外と簡単に抜けるものだね。
抜いた剣は私の後方に放り投げておき、さてどうするか。
とりあえず脈を確認してみるとあるのがわかる。
死んでいないことにとりあえず安心。
起きたら何か聞けるかもしれない。起きるのを待つことにしよう。
ただ倒れたままの体勢はちょっと苦しそうだ。
そういえば昔、救急救命の講習を受けていたことを思い出し、仰向けにして記憶を頼りに気道を確保。
保温のために周りの落ち葉をおじいさんにかけていき大きいミノムシの完成。
少しは保温になるだろう。
「とりあえず・・・」
タバコに火をつけ思いっきり吸い込む。
フゥー・・・とりあえずちょっと落ち着いた。
あとは気が付くのを待つだけか。
ちなみに手には先ほどの剣を握っている。
ここまで読んで下さりありがとうございます。