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第1979話 221日目 ベルテ一家では仮囲い中。(いろんな神がいるようです。)

ベルテ一家の屋敷の隣。

「ドナート、ボーナ、こんな感じ?

 事前にコノちゃんから貰った図面の大きさは賄っていると思うよ。」

ダキニが小さい木の棒を四方に打ち込み自立させるとそこを囲うように1本の糸を巡らせてからドナート達に聞く。

「そうそう。」

「上手いものね。」

ドナートとボーナが笑顔を返す。

「ウカ、自生している木の小枝を取って来たよ。」

エンマが葉の付いた小枝を1本持ってくる。

「うん、ありがとう。」

エンマが枝をウカに渡す。

「・・・小枝を何するの?」

エンマが聞いてくる。

「ねぇ・・・エルフは家建てる時何かしないの?」

「何か?・・・って、何?

 建物の予定地を囲って、家の基礎を打つでしょう?

 何をするの?」

「・・・うん、わかったわ。

 ちなみに枝はこう使うのよ。」

ウカが予定地の真ん中に行き、手をかざして土の小山を作り出すと頂上に枝を挿す。

「「「「???」」」」

ベルテ一家やニルデやジルダが不思議そうに見ている。

「超簡略化の社を用意して。

 ただ祈る・・・私が祈って良いのかな?」

隣に来たダキニにウカが聞く。

「ウカ、祈られる側だよね?

 あの子達に言ってもわからないだろうけど・・・

 あ!皆ぁ!目を閉じて無事に土蔵が建ちますようにって思ってぇ!」

ダキニが皆に言う。

「「「「はいはい。」」」」

ベルテ一家皆が言われた通りに目を瞑る。

「ウカ!形整いました!」

「祓詞は・・・うん、あれは絶対に私が言う事じゃないね。

 何かなぁ・・・あ!そうか、『この地に栄養を家主達に希望と安寧なる日々の生活が成就しますように』っと。

 こんな感じ?」

ウカがダキニを見る。

「良いんじゃない?

 でもこの地に栄養与えたら雑草で床抜かれるかもね。」

「おぉ、なるほど・・・ハマカゼにお願いして毎日スライムで床下清掃して貰おうっと。」

「あ~、その手があったね。

 皆ぁ!良いよ~!」

ダキニがベルテ一家に声をかける。

とベルテ一家が解散して屋敷内に戻って行く。

「ウカ~、ダキニ~、お茶しよー。」

ニルデが2人に声をかける。

「わかったよー。

 すぐ行くから用意してて。」

「わかったー。」

ダキニが答えるとニルデも屋敷に入っていく。

「・・・ちなみにコノちゃん居たらコノちゃんが祈られるのかな?」

「コノちゃんやると漏れなく子宝祈願だからなぁ。

 私は豊作祈願だし・・・ダキニは?」

「私は開運出世と病気平癒だから建物系とは無縁だね。

 ニオは?」

「ニオは門とかだけど・・・建物のお守りとしては最上位か。

 棟上げの際にニオにお札作って貰おうかな・・・」

「・・・麴菌絶滅しないよね?」

「日本仏教はダキニの方が得意でしょ。

 ニオは仏敵を追い払う、つまりは害意を持っている者を侵入させないのでしょう?

 菌は生命力だけよ、どこぞの神話では生きる事が悪みたいなのがあるみたいだけど・・・日本ではあり得ないわよ。

 善意や害意とは違うわ・・・たぶん。」

「貧乏神は?」

「あれはちょっと違うのよね。

 程度によって期間がまちまち、病気したり、怪我したり、散財したり・・・まぁ不運続きになると言われるわよね。

 転じて『貧乏を福に転じる神』と言われているんだけど・・・この神は日本神話では居ないのよ。

 自然信仰出身だったはずよ。」

「へぇ~。」

「記述されるのは江戸時代。

 人々が割と裕福になった時代ね。」

「・・・あ~・・・戒めかぁ。」

「そ、散財も病気も怪我も気が緩んでいるのと注意不足と驕りが原因。

 結果としては、大きな買い物で失敗したり、足元見ないで歩いていて足折ったりとかね。

 貧乏神が出るのが武家と商家が主立っているのは、そういう戒めが理由よ。

 そしてそうなったのは貧乏神が居たからだと・・・まぁある意味、貧乏神は徳が高いのかもね。

 人々の不満を一身に受けるんだから。

 日本仏教の黒闇天は貧乏神と所縁があったっけ?」

「コク?・・・ん~・・・言われていた時代もあるけど・・・基本、キッショウと旅行しているんだよね。

 お土産買って来てくれないんだよねぇ。」

「1人に買いだすと全員に買わないといけないからじゃないの?

 日本神話(うち)も多いけど、日本仏教も多いじゃない?」

「あ~、そっかぁ。

 毎回買ってたらお金なくなっちゃうもんね。」

「そうね。

 それに旅行に行っているなら持ち歩くの辛いでしょ。」

「それもそうだね。

 ならいつか会った際に不平は言わないようにするよ。」

「そうね。

 と、お茶の用意されているんだっけ?」

「あ、そうだったね。

 早く行かないとニルデとジルダが怒りますかね。」

「基本的には大丈夫だと思けど、遅れたら遅れた分だけ食べ始めるのが遅くなるのだからムッとするかも。」

「ウカ、急ぎましょう。

 食の恨みは恐ろしいですからね。」

「そうね。

 あ、建て方の親方たちのおやつ買って来ているのかな?」

「あ、確認しないとね。

 でも人数を確認して作業をしている間に買いに行くのかな?」

「そういうのもありかぁ。

 どちらにしても味噌と醤油と日本酒の土蔵はしっかりと作って貰わないとね。」

ウカとダキニは並んで屋敷に戻るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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