第1978話 220日目 さて、今日も終わりですね。(飲みで飲まれてはいけません。)
武雄とアリスの寝室。
夕食後のティータイムや湯浴み等も終えて、いつもの寝る前のティータイム。
「タケオ様、出立の用意は出来ているんですか?」
「出来ていますよ。
作業服一式と制服が1着ずつ、下着は3日分で寝る前に洗濯・・・Yシャツは皺になるから移動中は作業服かな。
小太刀は正副の2本、小銃改は1つずつ持ちますから何とかなると思います。
食器や調理器具は入れましたし、食材は明日ですね。」
「シモーナさんへの輸送物は?」
「えーっと・・・ヴィクターの報告書では明日にはウスターソース3樽と中濃ソースが1樽、空きの小樽が50個が先行で東町に向かいますね。
それと将棋とリバーシは発注書は来てないですけど、向こうに置いて行こうかと思って在庫されていた10個ずつを引き取って来ています。
これはリュックに入れました。
ウォルトウィスキーは定期便だから今回は別ですよね。
あとはありませんね。」
「問題なさそうですね。
私達の方は土蔵が着工しますね。
明日、ベルテ一家の隣に建て方の親方が下見に来るんでしたね。
あともうすぐ人工湖も着工みたいですよ。」
「土蔵も人工湖もお任せなので進捗を確認するだけになりそうではありますけど・・・
コノハ、どうするんです?」
「ん?何が?」
チビコノハが実体化する。
「地鎮祭。」
「・・・うーちゃんとだーちゃんがやっているんじゃない?
家主は私達ではなくベルテ一家だしね。
私達はアドバイザー的立場だから特に声かけなかったんじゃないかなぁ?」
「ふーん・・・まぁ必要になれば呼ばれますかね。
それにしても地鎮祭も地域の風習的な物があるんでしょうかね?」
「この地のはちょっとわからないなぁ。
それにエルフの習慣もあるだろうしね。
まぁあそこは元々の持ち主の老夫婦がいるからそこと協議して進めるんじゃない?」
「エルフの地鎮祭って見てみたいですね。
なんとなくイメージでは荘厳な何かをしそうです。」
「どうなんだろうね。
今度聞いておくわ。」
「ええ、お願いします。
さてと・・・とりあえず今日はやる事はもうないですかね?」
「うん、そうね。
じゃ、アリス、タケオ、おやすみ。
パナちゃん、行こう。」
「ええ、2人共おやすみなさい。」
コノハの呼びかけにパナが実体化して2人して退出していく。
「アリス、寝ますか。」
「はーい。
そう言えばタケオ様、レイラお姉様の新刊が出るという話をお店で聞きましたよ?」
武雄とアリスは揃ってベッドに向かう。
「・・・新作ですか?
前に王都で見た童話の本ですかね?」
「はい、私も王都で手直し前のは見たのですけど・・・売れるんですかね?」
「さて・・・この地の店に今、入荷するのだとしたら私が向こうに滞在している時に販売していたはずですけど・・・たまたま私が行った時に売ってなかったのか、話題になるほど売れていないのか。
・・・怖くて聞けませんね。」
武雄がベッドに座って悩み始める。
「とりあえず、1冊買ってみようかと思います。」
「そうですね・・・内容が良かったら子供達やベルテ一家にも買ってあげましょうか。」
「はい、わかりました。
と、タケオ様、寝ましょう。」
「はいはい、今日もお疲れさまでした。」
「おやすみなさいタケオ様。」
「アリス、おやすみ。」
武雄達の今日は終わるのだった。
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宿に向かう道にて。
「の゛み過ぎた・・・」
「あんなに飲むから・・・」
ラックがラングフォードの肩を借りて歩いている。
「隊長、こんなに弱かったでしたっけ?」
「・・・」
ブルックの言葉にラックは何も言わない。
「『部下の前では酔わないものだ』だっけ?」
「・・・」
ラングフォードが苦笑しながらラックに聞く。
「私とアーキンは元部下ですけど、バートとフォレットは現部下ですがね。」
「・・・」
「ふふ、マイヤー殿とアンダーセン殿に会えたから気が緩んだのかしらね。
隊長格だけの飲みではこうだもんね。
こっちが普通なんだろうね。」
「・・・うるさい。」
ラングフォードの言葉にラックが呟く。
「へぇー・・・ラック隊長は飲めなかったんですか。」
「いや・・・俺は横目で見ていて、絡まれないようにしていたけど、隊長格3人の飲んだ量は凄いぞ。」
フォレットとバートがそんなラックを見ながら言う。
「そんなに?
私はブルック殿達と料理を堪能していたけど。
・・・まぁ見ないようにはしていたかな。」
「見なくて正解だったかも。
あんな飲み方はしない方が良い、あれは体に悪いと確信できる。」
「・・・そう言われると、どんな飲み方をしたのか気になっちゃうね。」
「なんだ、フォレットは隊長達の飲み方を知りたいのか?」
アーキンが聞いてくる。
「アーキン殿は知っているんですか?」
「いや、隊長達なぜか水を飲むみたいに休まずに飲むんだよ。
ずーっと同じペースでな。
で、終わる頃にはああいう風になるという訳だ。」
「なんでそんな飲み方するんですかね?」
「さぁ?同じ隊長格だから負けたくないんじゃないか?
良くはわからないがな。
まぁ寝る前にはケアをかけて治すだろう。」
「お酒勿体ないですね。」
フォレットが呆れながら言う。
「そこは同意する。」
「まったくよ。」
アーキンとブルックも頷くのだった。
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