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第1963話 王城にて相談中。(総監局と第3皇子一家の思案。)

王城の総監局に併設された小会議室。

「さて、今頃パット殿下はエルヴィス家のスミス殿から穀物の輸送の概要説明を受けているでしょう。

 今回の課題をしっかりと熟して頂いて、さらなる成長をして頂きたい物ですね。

 報告では例のキタミザト殿の一件以降、第3皇子一家の手伝いをしながら大人しくなられたという話ですが・・・」

総監局長が小会議室内のメンバーを見回す。

「大人しいという事はクリフ殿下に相当絞られたのが効いているでしょう。」

「ですが、人間そう簡単に変わりはしないですよ。

 根底の部分は変わらないが、思う所があるので努力していると捉えるのが良いのでしょう。」

「ん~・・・どちらでも良いのだが、パット殿下も成長なさっているという事と認識して良いのでしょうね。」

「どちらにしても大人しくなってくれているのであればありがたいですね。」

「大人しくなりすぎても気持ち悪いと思うのは私だけですかね。」

「我慢しているのならどこかで発散させないといけませんね。」

「そういえば・・・昼過ぎから外に頻繁に出ているようですね。」

「レイラ殿下がけしかけていると聞いた事があるな。」

「ほぉ・・・という事は恋人探しという可能性もあるわけか。

 エイミー殿下は・・・まぁ言わずもがな。

 グレース殿下は素振りは見せずだからな・・・第3皇子一家方も気にかけているのだろう。」

「パット殿下のその後の結果はどうなったんだ?」

「それはまだ来てはいないが、毎日通っている店があるという話だったな。」

「それはどこからだ?」

「第1騎士団だよ。」

「確証は高そうだな。

 ・・・想い人が居ると確証が取れ次第、身辺調査が必要だろう。」

「パット殿下も護衛を連れての外出だろうから変な所には行かないはずだしな。

 身辺調査は問題なく簡単に終わりそうだな。」

集まった者達が話し合っている。

「んんっ・・・さて、そのパット殿下がエルヴィス殿より依頼がある穀物輸送の段取りを執るとの事だ。

 陛下より補助する者を派遣せよとの指示があるので、選考を重ねてはいた。

 今日は補助する文官を決めたいので集まって貰ったのだが・・・ん~・・・流石に最終まで残る者だな、やり手と言えるだろう。

 ここからさらに絞るのは至難の業かもしれないな。」

「ここまで優秀な者が揃うと誰が付いても問題なさそうではありますが・・・大まかに分けて歳を召しているか若手かの違いというのはどうでしょうか。」

「簡単ではあるが、決定的な分け方がない今ならそう言った決め方も良いだろうな。」

「局長、それに今回は優秀な者と組ませて相性の確認とパット殿下の政策志向を確認するのが目的でしたよね。」

「ああ、長い付き合いになるからと若手を多く載せている。

 教えるという行為は若者より歳を召されている方の方が上手いのはわかり切ってはいるんですけどね。」

「年配者の方が教えが上手というのは経験から来るものでしょう。

 それにしても・・・まぁ30代を若手と言って良いのかは疑問が残りますが・・・

 一応、この後、事あるごとに補助する者をパット殿下にはお付けする事になるでしょう。

 入れ替えは実施するもののここで良い関係が築ければ補助する回数も増え、数十年後にオルコット殿の地位に就く事も可能となっているのは明白ではあります。」

「羨ましいんだが、同時に今のオルコット殿の仕事をするかと思うと成りたくはないという思いもでてしまうな。」

「安心しろ、ここに居る面子はもう良い歳だからパット殿下が即位する時はもう働いてはいないだろう。

 1人か2人は生きていそうだがな。」

「「「「その1人はお前だな。」」」」

皆が一斉に1人の文官に言う。

「どちらにしても最終1人か2人に絞ろう。

 こういった事はあまり時間をかけても意味はないからな。

 一通りの説明を聞いたら皆で投票。

 その後、2人で対応させるかの協議で行こう。

 では、最終選考を始めようか。」

総監局長が皆に言うのだった。


------------------------

第3皇子一家の執務室。

「あぁ~・・・今日も終わったねぇ。」

アルマが自身の執務机で背伸びをしながら本日の終了を告げていた。

「今日の夕食なんでしたっけ?」

レイラがアルマに聞いてくる。

「レイラ、アルマ、今日の夕食はコロッケとメンチカツだったはずです。」

パイディアーが言う。

「おっやった♪

 ウスターソースで食べるのが最高ですね。」

レイラが喜ぶ。

「そうね。

 あ~・・・そういえば今日だっけ?パットに伝えるの。」

「そうでしたね。

 まぁそっちは総監局が何とかしますよ。

 むしろ私はスミスとエイミーちゃんが心配だなぁ。」

「スミスの心配はわかるけど、エイミーが?」

「うん、エイミーちゃんって卒なく熟すじゃないですか。

 だからここで失敗をするような気がするんですよね。」

「・・・あのエイミーに限って・・・とは言ったらかわいそうね。

 どんな人も失敗はする。

 卒なく熟すエイミーならここで小さな失敗程度なら経験上させるべきでしょう?

 大きなのは私達が見つけてあげれば良いんだし、レイラが心配し過ぎなのよ。」

アルマがレイラに言う。


「ウィリアム殿下、アルマ殿下、レイラ殿下。

 お茶を淹れました。

 夕食まで待っていましょう。」

エリカがペイトーとお茶を持ってくる。

「うん、ありがとう。

 僕ももう少ししたらあっちの会話に入るね。」

ウィリアムは書類を見ながら返事をする。

「エリカさん、ありがとう。

 ちなみにエリカさん、エイミーちゃんが今回のスミスの件で失敗するような気がするのよ。」

レイラが言ってくる。

「それは・・・そうなると、相当大きな見落としでしょう。

 私達が注意して見ないといけないという事かと思いますよ。」

エリカが配膳を終わってソファに座りながら言う。

「うん、そうかぁ・・・

 アルマお姉様、今回の件用に少し金貨を用意しておきましょうか。」

「最終的にはお金で解決するのが早いだろうけど・・・

 ん~・・」

第3皇子一家は夕食まで雑談をするのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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