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第1951話 216日目 まずはマイヤーに報告しよう。(考察を早く実施しましょう。)

研究所の3階 所長室。

「そんな事になっていたんですか・・・」

マイヤーが武雄がした魔王国との非公式会談での慣例の戦争部分の説明を聞いての第一声がこれです。

「ですが・・・要は観戦者が多いだけとも取れるのですよね。

 昨日考えたんですけど・・・こちらがどっしりと構えていれば向こうも仕掛けるのは慎重を期すと思うのです。」

「まぁ・・・5000対5000ですからね。

 ですが、相手の陣容を見た際の味方の動揺は今の時点でも想像が付きます。

 それをエルヴィス伯爵と所長が宥めろとは・・・些か厳しい注文でしょう。

 絶対に動揺はしますし、兵士達の動きに乱れが生じてしまいますよ。」

「・・・そうですね。

 まぁ、そこはエルヴィス伯爵にお願いするとして。」

「え?それは・・・はぁ・・・で、所長の考えは?」

「うん、味方の動揺等々は歴戦の勇士である伯爵に何とかして貰うとして。

 私達はその動揺中の兵士を無駄に死なせない事を考えないといけません。

 そこで今考えられるだけの情報を整理したいと思います。」

「・・・はい。」

「慣例の戦争、これについては今更なので特にありません。

 場所はゴドウィン伯爵領と相対しているパーニ伯爵(獣人)領の中間です。

 慣例の戦争ではファロン子爵領、パーニ伯爵領からの合計5000名が参戦します。

 ヴィクター情報によると、えーっと・・・どこだっけ・・・あ、ここだ。

 ヴィクターの甥っ子は人間嫌いではありますね。

 そして今回は待望の人間相手の戦争となります。」

「嫌ーな感じですね。

 何か仕掛けて来る事が簡単に予想が出来ます。」

「うん、そうですね・・・

 魔王国のヴァレーリ陛下と話した感じだと・・・魔王国の総意、国のトップの意志として領土拡張は望んでいないという事なのはわかります。

 つまり、今回の戦争は魔王国としては領地拡張を目論んでいない戦争であり、対アズパール王国領主の片方は人間が嫌いで、更には魔王国陛下の選定中、戦地には魔王国陛下が観戦に来ている・・・という事は、領土拡張に繋がらない程度で何かしら戦果を出そうとするかもしれない・・・と思うのです。」

武雄が言う。

「十二分に考えられますね。」

マイヤーも頷く。

「ですが・・・領土拡張をしないという大方針を前に領主が勝手に占領などしたらヴァレーリ陛下の事です。

 普通に怒ると思います。

 その時点で次期陛下への道はなくなるという物です。

 それに占領をするにしても自領の兵士の命を犠牲にしてというのには些かその後の旨味が薄いでしょう。

 なので、本格的な侵攻の可能性は非常に少ないであろうと判断が出来ます。

 さて、マイヤーさん、となるとどうやって相手はそれなりの戦果を出そうと思いますか?」

「そうですね・・・あ、王都での初顔合わせの際に所長がヴィクター殿の話としてオーガ500体までが展開可能と言っていましたか・・・

 私ならオーガを相手に数回ぐらい当てさせて相手の被害者数を多くさせて勝ちを演出しますね。

 自国民に犠牲を出さないので領主への突き上げもないですし。」

「ええ、500体全部を2領地から持ち寄るとは思いはしませんが・・・そうですね・・・50体持ち込むと何回か当てられてそれなりの戦果を出させる事が出来るのではないかと思います。

 そうすればこちらの領地を削り取る訳ではないが、それなりに犠牲者を出せて戦力を低くしたと戦果報告が出来る訳ですね。

 国の方針には従いながらも敵対戦力を下げられたというのは次期陛下候補としての戦果としては十分でしょう。」

「2領地合わせて100体ですか・・・いきなり全部をというのは考えられないでしょうが。

 こちらが動揺している最中に数体でも投入されれば混乱に拍車がかかりますね。」

「なので、オーガの投入がされた場合は私達で排除しようと思います。」

「ん~・・・所長の言っている意味はわかりますが・・・多分私達が一番動きやすいでしょうね。」

マイヤーが諦めた顔で言う。

「ええ、前にマイヤーさんはゴドウィン伯爵領の関にて展開陣地の配置の説明は受けていますよね?

 その配置をしている所で私達が前面に展開し、オーガにどう対処するのかを決めて欲しいです。」

「戦術の課題になりそうですね。

 ちなみに所長の案はありますか?」

「簡単な物は昨日作ってみたのですが・・・こちらを。」

武雄が机に書類を置く。

「・・・馬防柵とありますが・・・これは?」

「馬の突進を防ぐ効果が高いのと現地で材料を簡単に集められそうだと思いまして。

 まぁバリケードのような物を現地で用意をして私達の前面に展開し、私達は突出してきたオーガを小銃改シリーズで数を減らして行くということを考えました。

 これに拘る必要はありませんが、そういった考えを試験小隊で考えて貰えませんでしょうか。」

「わかりました。

 ヴァレーリ陛下が居る等々の話はなしにして何か検討をさせて貰います。」

「ええ、お願いします。

 あ~・・・そうだ、エルヴィス家から『今回の慣例の戦争での初期配置の検討はまだですか?』と言われてしまいました。

 よろしくお願いしますね。」

「はぁ・・・わかりました。

 アンダーセン達に言っておきます。」

マイヤーが諦めながら言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] どうせなら、ビエラ親子とクウもゲスト参戦して、甥っ子軍団に冷や汗かかせて欲しいですw
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