第1949話 夕食後の雑談。(いろいろと仕込まないといけない時期なんです。)
エルヴィス家の客間にて。
武雄達は夕食後のティータイムをしていた。
「ほぉ、王立学院と魔法師専門学院にダッフルコートをの。」
「はい、今回は紹介状で済みそうです。」
「タケオ様、それは聞いた感じでは重そうな気がしますが?
子供達に問題はないのですか?」
「あ~・・・トレンチコートに比べたら重いかも知れませんね。
厚手ですし。
でも・・・そこまで重たいわけでもないですしね。」
「でも重たいのですね。」
「あくまでも比べたらですよ。
普段着ていたなら問題ない程度ですよ。」
「子供達にあまり重たい物を着せてはいけないような気がします。」
「それは荷物とかはそうですけど・・・平気ですよ。
ダッフルコートはトレンチコートよりかは重たいですけど、成長に影響があるような重さではありませんよ。
保温性が高いのでしっかりとした温かさがあります。」
「そうですか・・・両学院だと・・・上手く行けば毎年定期的に購入されるのですよね。」
「トレンチコートと同じですよ。
定着すれば毎年決まった数が購入される予定です。
と・・・同期に手紙書いておこうかな。」
「・・・後で私が書きますね。」
「よろしくお願いします。」
「タケオの文字の習得は順調かの?」
「ん~・・・歳も歳ですし・・・」
武雄が首を傾げながら言う。
「その言い方はやっておらぬの。
まぁそもそもタケオは無知ではないからの。
やる気になれば覚えられると思うのじゃが・・・」
「そうですよ、タケオ様、覚えましょう!
いつまでも代筆はお恥ずかしいですよ?」
「平気です、私が恥ずかしいとは思っていません。」
武雄が堂々と言う。
「タケオ様~、そこは思わないとダメですよ~。」
アリスが言ってくる。
「ん~・・・研究所の皆にはメガネ買わせているしなぁ。
特に不便はないし・・・」
「タケオのやる気だけの問題のようじゃの。
まぁ現状で不便ではないようじゃし・・・アリスとヴィクターが頑張れば良いじゃろう。」
エルヴィス爺さんが呆れながら言う。
「お爺さま、諦めが早すぎますよ。」
「じゃがのぉ、事実必要とあらばタケオはするからの。
このやる気のなさは、必要とは思っていないという事じゃ。
事実、必要とまでは言えない程度であって実務は熟しておる。
タケオは他にやりたい事が多いのも事実じゃ。
なら誰かが補佐するしかなかろう。」
「ですです。」
武雄が頷いている。
「とはいう物のアリスの言っている事も正しいの。
今の陛下や文官達は問題ないとしても後々のタケオの事をわからない者達からは何か言われるかもしれぬの。」
「その時はその時で。」
「まぁ、タケオならそう言うじゃろうの。
好きにすれば良い。」
エルヴィス爺さんが諦めながら言う。
「だからお爺さま、諦めが早すぎますよ。」
「じゃがのぉ・・・
ん?どうぞ。」
エルヴィス爺さんが扉がノックされたので入室を許可する。
「あ~、伯爵!タケオ!アリス!たらいま!」
ビエラが入ってくる。
「「「おかえり~。」」」
「あ~・・・あ?アリス!ミアは?」
ビエラがソファに座って見まわしながら聞いてくる。
「ミアちゃんとクゥちゃんは夕霧ちゃんと一緒に湯浴みしていますよ。
ビエラちゃんはあとで私と入りましょう。」
「はい!・・・タケオぉ~。」
ビエラがお腹をさすりながら武雄を見る。
「はいはい、夕食ですね。
エルヴィスさんが用意してくれていますよ。」
「うむ、少し冷めたかもしれぬが、まだあるじゃろう。
1人分持ってこさせよう。
わし達も何か貰おうかの。
ビエラ殿が遅くなっても良いようにサンドイッチを用意しているはずじゃ、わしらはそれをつまむかの。」
そういってエルヴィス爺さんがメイドを呼ぶのだった。
・・
・
「あ~♪」
ビエラが満面の笑みで夕食を頬張っている。
「ふむ・・・タケオ、街の食糧事情が今日も出て来ての。」
「品切れ商品が続出ですか?」
「うむ、まぁ前程はという感じじゃが、やはり出るの。
街の住民達も頑張っておるのじゃが・・・鶏肉と卵の見通しはあるからのそこは確実に進ませておる。
チーズの消費量が3倍になっての。
嬉しい事ではあるのじゃが、食欲旺盛で困った物じゃよ。」
「街の住民方が食欲不振というのは怖いですけどね。
まぁ一杯食べれるようであれば問題はあまり大きくはないと思いますが。
それにしても3倍ですか・・・生産は追いつかないでしょうね。」
「うむ・・・2倍は見ていたのじゃがの・・・
で、じゃ。今フレッドとロバートの所からの輸入を検討しておるのだがの。
タケオがレシピを教えておるジェシーがおるし、隣接領であり最大の人口を抱えるフレッドの所からなら多く製造しているはずじゃから大量に安く買いつけるという案と両領地から均等にという案と生産余剰があるロバートの所に依頼してこちらも大量に安く買うという案がある。」
「どれもありですね。」
「うむ・・・ロバートの所は今後はレイラの所に大量に卸すじゃろうしのぉ。
今は安くとものちのちはわからん。
かといってフレッドの所ばかりから買っているとロバートに悪いしのぉ。」
「ゴドウィン伯爵もテンプル伯爵もこっちが大量に買うと言うと『うちの領から』と言ってきそうですね。」
「うむ・・・どうしたものかの。」
「第4候補として王都という事も考えられますよ。」
「それは選択肢になかったの。
じゃが、割高そうじゃ・・・却下じゃの。」
「はい。
では・・・私はゴドウィン伯爵の所に依頼したいですね。」
「ふむ、理由はなんじゃ?」
「この辺の最大人口を賄っているからですね。
安定して生産しているのならこの地の足らない分を輸出してくれる余裕がある可能性が高いです。
それに距離的にもテンプル伯爵領より近いですしね。
輸送コストも低く出来ます。」
「うむ・・・わかった、タケオの意見も判断の材料にさせて貰おう。
どちらにしても安定して街に供給出来るようには動くからの。」
「はい、わかりました。」
武雄が頷くのだった。
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