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第1943話 相談は終わり、反省会。(スミスは考えなしじゃないんだよ?素直なだけです。)

第3皇子一家の執務室。

スミス達子供達のみが帰されていた。

「スミス・・・お爺さまの要請を無下にして・・・怒られなくて良かったわね。」

エイミーがスミスになんとも言えない表情で言う。

「それは・・・理解がある陛下で助かりましたけど・・・どうやっても僕では2日では発注書なんか出来ません。

 出来ない事をやるとは言ってはいけないと思います。」

スミスも怒られなかった事に安堵しながらも無理しても出来ないとしっかりと言った事への達成感はにじませていた。

「それにしても・・・もっと他に言い方はなかったの?

 例えば・・・一度、エルヴィス家にスミスの考えで良いのか確認が必要だからとか言ってからの2週間後とか。」

「あ、そうですね。

 一度、方向性をお爺さまに聞かないといけないですね。」

スミス頷く。

「うん、その素直さは大事よ。

 良い?スミス、お爺さまがああだからといって王家全てがそうだとは限らないのよ?

 次期王のクリフ伯父上は温厚だし、感情で動くような人ではないけど、王位を継ぎ、陛下となってからの要請を無下にしたら許さないかもしれないのよ?

 スミスが成人したら当主だし、今回のように断ってはダメよ。

 もっと理由を付けて遠回しに時間がかかるとかしないと。」

「はぁ・・・まぁ・・・なんとなくはわかりますが・・・エイミー殿下、クリフ殿下が変わると思うのですか?

 僕的にはそんな事をすれば今までの付いてきて、王都に勤める事になる部下が付いてこなくなるのではないですか?」

「ん~・・・そこはなんとも言えないけど。

 でも王位を継いだら領主の時とは違う対応をし始めるのは確実ね。

 その中で既存の貴族達への威厳を見せつける為に厳しい沙汰を言い渡す事も可能性としてはなくはないわね。

 特にスミスはレイラお姉様も居るのだしね。

 縁戚に近いけど、甘くはしないという意思表示に使われるかもしれないわ。

 ここは注意しないとね。」

「・・・お爺さまみたいに王都に寄り付かないようにした方が良いのでしょうか?」

「それはそれで反逆の意図ありとか言われそうだけどね。」

「どちらにしても言い掛かりがあるのですか・・・」

「あるかないかはわからないわよ。

 でもスミスはいろいろと条件が揃っているのよね。

 皆への見せしめに使われても不思議はないわ。

 だから、ミスは出来るだけしない、失言が出ないように言い回しには気を付ける。

 これよ!」

「それが僕に出来るとは思わないのですけど・・・」

「平気よスミス、要は慣れだから。」

「そんな慣れは要りません。」

スミスが諦めながら呟くのだった。


------------------------

アズパール王の執務室。

レイラ、アルマ、エリカ、オルコットが揃っていた。

「ふむ・・・予定通りではあるな。

 オルコット、さっき話した内容の文章だ、一度目を通してくれ。」

アズパール王がエリカが作った簡易議事録を見終わり呟きながらオルコットに渡す。

「そうですね・・・スミスがお義父さまの要請を断るとは思いもしませんでしたよ。

 ですが、お義父さまも2日というのは短すぎです。

 あれでは断るしかないですよ。」

レイラがアズパール王に言う。

「・・・まぁ・・・短いとは思ったが、ジーナが居るし・・・2日でも出来たんじゃないか?」

アズパール王が首を傾げながら言う。

「後で確認しないといけないでしょうが、ジーナちゃんの事です、少なくとも発注書の下書きは用意していると思いますね。

 短いですが、不可能とは言えないと考えてもおかしくはないですけど。」

「だろう?

 あとは諸条件の確認と記載をしてスミスのサインを貰えば出来ると思うんだよなぁ。」

「それでも一応この話はジーナちゃんは今日知った体なのです。

 普通は発注書と諸条件のリストを2日で作るのは出来ないですよ。

 なので、スミスが自身の出来が悪いように言って、断ったのでしょう。

 お義父さまもそれがわかったから何も言わなかったのでしょう?」

「うむ、言ってからスミスとエイミーの顔を見て『短かったかぁ』と思ったな。」

アズパール王が苦笑する。

「お義父さまから無理難題を言われてしっかりとスミスは断れましたね。

 時の権力者だろうが、無理な要求にはしっかりと無理と言える姿勢。

 うん、私は高評価ですよ。」

アルマが言う。

「なるほど、確かに陛下の無茶をしっかりと断ったのですね。

 このまま無理な物は無理と言える当主になって頂きたいですね。」

オルコットが簡易報告書をアズパール王の机に戻しながら言う。

「次はもっと期間を延ばして聞こう。

 で・・・オルコット、パットの補助をする者の選定は済んだか?」

「申し訳ありません、少し時間がかかっております。

 2週間の準備期間を頂けるというのはこちらとしてもありがたい事ですね。」

「そうか、あまり野心家でない者をな。

 パットを操られては意味がないからな。」

「わかっております。

 それと事前情報としてエルヴィス家から第1皇子一家と第2皇子一家に小麦の購入の依頼がある件は明日にでもパット殿下の耳に入れます。

 パット殿下の補助は総監局でというのも言っておきましょう。」

オルコットが言う。

「そうだな。

 そこはよろしく頼む。

 スミスとエイミーは第3皇子一家が見るのだが・・・ジーナも居るし、エイミーも居る。

 今頃スミスに教育中かもしれないな。」

「私達は見落としがないように都度、確認していきます。」

アルマが言う。

「あぁ、そうしてくれ。

 ・・・さぁ、次代の幹部達を育てようか。」

アズパール王の言葉に全員が頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 同じく。 こういう上司の下で働けていると感じられれば、それ以上のことはないですね・・・・・。
[一言] 短めですが、一言。  >さぁ、次代の幹部達を育てようか。 シビレました。
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